本棚から懐かしいカタログを発見しました。
「LEGACY S401 STi version」
初めて"B4"のサブネームが付いた3代目のレガシィセダン(BE)をベースにした、STIのコンプリートカーです。全国限定400台、16年前の2002年10月発売でした。
BEとしては既にモデル末期。"リミテッド"や"S-EDTION"といったお買い得な特別仕様車が展開され、半ば叩き売り状態の中で、STIのコンプリートカーがこのタイミングで出てくるとは正直驚きました。
実はこの頃の愛車がBEの初期型(A型)で、ちょうど最終型への買い替えを考えていた時期でした。それでカタログを貰ったのか、そもそも予算的には入らない(届かない)選択だったはずですが・・・
表紙を捲ると、当時のSTIの社長であり、3代目レガシィの開発責任者である桂田さんのメッセージから始まります。
プライベートではボルシェに乗られていたそうです。
外観ではフロントバンパー、フロントグリル、サイドスカート、BBS製の18インチホイールがS401の証です。後のS402や昨今のS207、S208などと比べるとちょっと地味な印象ですが、変に子供っぽくなく、当時も今も好感が持てます。使い古された表現ではありますが、「羊の皮を被った狼」が似合う1台です。
黒地にピンクの文字と決して読みやすくはないですが、これを読んでいるとSTIのこのクルマへの情熱が伝わってきます。
STIによるハンドクラフトチューンのエンジンは今のSシリーズにも繋がる伝統です。
EJ20のシーケンシャルツインターボでSTIが手を入れたのは、このS401だけだったと思います。
スペック上ではノーマルより13馬力アップの293馬力、トルクは35.0Kg-mとノーマルと変わりません。
コンロッド、クランクシャフト、ピストンの手作業でのバランス取りが施されています。
ミッションは当時のインプレッサWRX STi(GDB)と共通の6速MT。型式TY85と呼ばれるこのミッションも、登場からかれこれ20年近くになるでしょうか。EJ20同様に今でも息長く使われております。
ブレーキは前述のGDBと同じブレンボ製のキャリパー(フロント/4ポット、リヤ/2ポット)を採用。リヤはGDBとバックプレートの形状が異なるため、たった400台の為に金型を起こして、専用のバックプレートを作り直したとのことです。
車載工具にも拘っておりまして、当時も有名になりましたが、何とSnap-On製。
今でも買えるのでしょうか・・・
内装はパネルに特殊塗装が施されている程度で、ベース車からの変更はあまりありません。
シートはSTIのロゴ入りの本革シート。表皮の違いで形状はベース車と同じに見えます。
見た目と違って、お世辞にも出来の良いシートとは言えず、腰に厳しかったのを覚えております。
メーカーオプション扱いであったマッキントッシュのオーディオが標準で装備されています。
CD+MDというのが時代を感じますが、憧れのオプションの一つでした。
ブラックフェイスメーターにもSTIロゴが入っておりまして、タコメーターは何と10000回転まで刻まれています。
ベースグレードのRSKがたしか270万円ぐらいでしたので、内容を考えると165万円増しはそう高くはないかもしれませんが、あの頃は「わぁ~、高いっ!」と敬遠してしまったのでした。
尤もセダンのB4よりもツーリングワゴンの方が欲しく、ワゴンにS401が出ていたら、鬼ローンを組んででも買っていたかもしれません。
限定車でかつかれこれ20年近く前のクルマですので、最近は滅多に見かけることがなくなりました。
何台ぐらい現存しているか気になるところですが、また出会いたい1台であります。できたら乗ってみたいなぁ・・・
Posted at 2018/12/15 16:31:55 | |
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