2011年06月13日
福島第一原発の事故による放射能汚染は拡大の一途。
周辺住民の不安は高まるばかりだ。だが政府の動きは鈍い。
十日の国会で、「住民に線量計を配布できないか」と質問された菅直人首相の答弁は「地元と相談して対応したい」…。
実はがん研究の国内の権威、独立行政法人・国立がん研究センター(東京都中央区)も同様の提言を突き付けている。
それでも動かない政府。異様な事態だ。 (秦淳哉、出田阿生)
「福島をチェルノブイリにするなと最初から言ってきた。
しかし、政府はメルトダウン(炉心溶融)したこともずっと住民に知らせずにきた。
状況が全然変わってしまったので、住民対策を洗い直さなければと思った」
国立がん研究センターの嘉山孝正理事長(61)は、そう語気を強めた。
同センターが、放射性物質による健康影響に関し、独自の見解と提案をまとめてホームページで公開したのは今月七日。
提案は
(1)住民の被ばく量を正確に計測するため、小型線量計を各個人に配布する
(2)原発作業員が大量被ばくした場合に備え、本人の末梢(まっしょう)血幹細胞を保存しておく
(3)長期間にわたる百万人規模の疫学調査を行う-の三点。
中でも、嘉山氏が「是非(ぜひ)に」と強調するのが(1)の線量計配布だ。
「自分がどれだけの線量を浴びたのか、正確には誰にも分からない。
福島に住む人も、何日の何時の時点でどこにいたか、おぼえている人がいまか。壁ひとつ隔てれば線量は五分の一ほどに低下する。本当の線量は推察するしかない」
なぜ被ばく量を把握する必要があるのか。
年間被ばく量が一〇〇ミリシーベルトを超えると、がんを発症する確率が0・5%
上昇するという国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告があるからだ。
このためエックス線やCTスキャンなどを扱う医療従事者は、小型線量計を常に携帯し、積算量を確認して安全を確保している。
「福島第一原発周辺住民の漠然とした不安感は分からないことが多いことで
生じている。
不安を払拭(ふっしょく)するためにも、正確な測定がなにより必要だ」と嘉山氏。
同センターが想定している小型線量計の配布は、原則として若年層が対象。
測定データは公的機関が集計し、本人にも知らせる。
(東京新聞「こちら特報部」6月11日付)
たしか、(2)については作業員の大量被曝の可能性があるので、
以前にも提言があったが、政府が拒否したと記憶しているが?
Posted at 2011/06/13 11:59:38 | |
トラックバック(0) | 日記