NEWSWEEK
【転載開始】
■トランプ再登板で米国の影響力は減退、
中国を「世界のリーダー」に押し上げる?
“AMERICA FIRST” IN ACTION
2025年2月10日

「アメリカ第一主義」はトランプを再選に
導いたが
ANDREW HARNIK/GETTY IMAGES
<アメリカ第一主義の名の下に取られた措置
は、皮肉にもアメリカの「真の長期的利益」に
真っ向から反している>
ホワイトハウスへの返り咲きを果たした
トランプ米大統領は、選挙公約の
「アメリカ第一主義」をすぐさま行動に移し
始めた。
これまでのところトランプは、対外援助の
資金拠出の一時凍結、WHO(世界保健機関)
からの脱退、地球温暖化対策の国際的な枠組み
であるパリ協定からの離脱を宣言している。
対外援助の90日間の凍結は表向き、
援助プログラムの有効性を審査するためとされ
ている。
しかしこの審査には時間と専門知識が必要で、
全てのプログラムについて3カ月で適切な見直し
を行うのは不可能だ。
この凍結によって既に多くの貧困国では、
エイズや結核、マラリアによる死を防ぐ
プログラムが混乱に陥っている。
数千数万の医療従事者や援助機関職員が無給
の休職に追い込まれ、多くは生活のために別の
仕事を探すしかなくなる。
資金拠出が再開されたとしても、その頃には
専門知識を持つ多くの人材が失われている
可能性がある。
現在進行中の臨床試験も中断を余儀なくされ、
数カ月あるいは数年にわたって続けられてきた
研究が無駄になっている。
アメリカの援助を頼りにしている人々のことを
本当に気にかける政権なら、審査結果が出る
まで資金拠出を続けるはずだ。
そもそも今のアメリカには、対外援助を削減
する財政上の差し迫った理由など見当たらない。
国連は裕福な国々について、
国民総所得(GNI)の0.7%を対外援助に充てる
という目標を掲げている。
しかし2023年にこの基準を超えたのは
ノルウェー、ルクセンブルク、スウェーデン、
ドイツ、デンマークの5カ国のみ。
アメリカの対外援助はGNIのわずか0.24%
だった。
WHO脱退にも、さほどの節約効果はない。
WHOの年間予算は、米ロードアイランド州
(人口約110万人)の保健関連支出の半分程度
しかなく、しかもアメリカの拠出額はその
約15%にすぎない。
アメリカのWHO脱退により、健康に関する
問題での国際協力は大幅に減るだろう。
米保健当局は、国外の疾病流行状況に関する
情報を得にくくなる恐れがある。
一方で、アメリカのWHO脱退は外国の
製薬会社を利するかもしれない。
アメリカは新薬の効果や安全性、品質基準に
関するWHOの議論に発言権を失うからだ。
トランプによる一連の動きの中で最も壊滅的
な影響をもたらすのは、気候変動に関わるもの
だろう。
石油やガスの増産推進、電気自動車(EV)に
対する税額控除の廃止、そして何よりパリ協定
からの離脱だ。
アメリカの1人当たりの温室効果ガス排出量は
中国より50%多く、インドの7倍近い。
これらの国は今後、アメリカが気候変動に関する
国際的な目標に縛られないのだから、より貧しい
自国経済が化石燃料を手放す理由はないと主張
できる。
皮肉な話だが、「アメリカ第一主義」の名の下
に取られたこれらの措置は、アメリカの真の
長期的利益に真っ向から反している。
今後数十年の間に、アメリカ人はさらに暑い夏
に苦しみ、より激しい嵐や洪水に見舞われ、
先日ロサンゼルスの広い範囲を焼き尽くしたもの
より大規模な山火事と闘い、海面上昇によって
低地の沿岸地帯が水浸しになるため内陸へ移住
することになるだろう。
トランプの別荘マールアラーゴがある
フロリダ州南部の広い地域も、その沿岸地帯に
含まれる。
トランプがこれまで下した決定の中に、
アメリカを再び偉大にするものは一つもない。
むしろトランプの大統領返り咲きはアメリカの
国力を減退させ、ライバルの中国を世界の
リーダーに押し上げる強い追い風となっている。
【転載終了】
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″バカに権力を持たせてはいけない″と
安倍政権時に言った人がいましたね。
何しろ、安倍氏とトランプは気が合う
そうですから、似たもの同士なんでしょ
うね。
しかし、トランプリスクは中国の動き
をロシアやアフリカに向けさせてしまう
ような気がしますね。
また、欧州や中東諸国もアメリカには
いい感情を抱かないでしょう。
アメリカの孤立化・・・
こうなるとトランプ暗殺の可能性も無視
出来なくなりそうな気がします。
トランプとイーロン・マスクのコンビは
最悪かも。
Posted at 2025/02/11 21:00:20 | |
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