高気圧の効果もあって
無事自己ベストを更新出来たTC2000でしたが,
昨年11月の走行結果を踏まえて,色々ドライビングを変更して臨んだので,その効果がどうだったのか? 振返っておこうと思います.
まずはいつもの通り基礎的なデータから.
前回 ・・・ 1'07.963 (Sec1:27.803 Sec2:28.083 Sec3:12.077)
今回 ・・・ 1'07.454 (Sec1:27.606 Sec2:27.719 Sec3:12.129)
Sec1で0.2秒,Sec2で0.23秒縮められたようですが,Sec3は既報の通りしくじって0.05秒落としてますね.
続けてコンディション.
前回 ・・・ 気圧:1027.0hPa 気温:16.2℃ 路面温度:21.2℃
今回 ・・・ 気圧:1025.2hPa 気温:12.4℃ 路面温度:21.9℃
今回気圧が高かったと言っても,前回の方が更に上だったようです.路面温度はほぼイーブンなので,パワー差が出るとすれば気温4℃分の効果ですかね.
ではロガーデータを見ていきます(青:前回 赤:今回).
変更①:アタックラインを意識
前回,なぜかアタックに入る前の周の最終コーナーでアクセルの踏み始めが遅く,ホームストレートでの車速を伸ばせないという反省点があったので,今回は最終コーナーを外側からアプローチするアタックラインをきっちり取りました(↓).
台数が少ないからこそ出来るラインな訳なのですが,やっぱり効果てきめんで,1コーナー進入時の速度を3km/h上げる事ができ(↓),
たったこれだけで0.14秒稼げました.
変更②:1コーナーは外から進入
1コーナーのブレーキングは,ブレーキバランスの変更により制動力の絶対値が上がってしまったようで,今回(赤)はターンインでクルマを止め過ぎてしまいました(↓).
これで,先程稼いだ0.14秒の貯金を一瞬にして全て吐き出してしまうのですが,ボトムスピードは稼ぎつつ(↓),
立ち上がりで今回(赤)の方が0.1秒速い結果となりました.1本目を走った時の感触では,1コーナーの立ち上がりでフロントが踏ん張ってくれず,タイヤをコース外に落としそうになる事が何度かあったのですが,この原因は恐らく
アライメント変更のせいかと.左フロントの美味しいところ(1コーナーに合っていたところ)がこの変更でなくなってしまったせいだと思われます.このため,走行中は
taka@黒インテ(元)さんのデータ(↓)を思い浮かべながら,
より外側から1コーナーにアプローチするようにドライビングを修正しました.その甲斐あって立ち上がりでコースアウトし掛かるような事はなくなったのですが,今度はアクセルを踏めない時間が長くなってしまったので,乗っていた時はその分だけ遅い印象もありました.ロガーデータを見るとそれほど立ち上がりで遅れている訳でもないようなので,このままでも良いのかもしれませんが,制動力とのバランスを考慮すると,もう少しV字状のラインにした方が良かったのかなぁ~?とも思います.アライメントを再調整するか? ドライビングでカバーするか?はちょっと悩ましい問題となりそうです.
変更③:1ヘアは突っ込む
今回のベストを出した2本目は手持ちの武器がなくなり,「気合」と「根性」でタイムを削るしかなかったので(笑),第1ヘアピンはとにかく突っ込む事を意識しました.具体的にはレブまできっちり引っ張ってからブレーキングを開始する,というもので(↓),
400rpm分くらいアクセルペダルから足を離すのを遅らせられました.これにより瞬間的には0.19秒くらい稼ぎ出したのですが,前後・左右にクルマが振られた状態でブレーキングするので,クルマの姿勢が不安定で左手をなかなかステアリングから離せませんでした.ヒール&トゥの操作もギリギリ間に合う感じで余裕がないドライビングとなってしまったのですが,前回の反省から,V字のラインを意識し過ぎず,最短距離を進むべし!と予め肝に銘じていたおかげで(↓),
帳尻は何とか合わせられました.ただ,ロガーデータを見てみると(↓),
立ち上がりでタイヤを横に使い過ぎて0.05秒くらい失っているので,A052の特性に頼って遠慮なくアクセルを踏むのではなく,しっかりとクルマの向きが変わるまで我慢してアクセルをコントロールすべきだったな・・・と反省もしています.
変更④:ダンロップは抑え気味に
takaさんのデータから,ダンロップは進入を抑えて出口側で踏めるようにするアプローチを取ってみたのですが,やっぱりレート不足に起因してステアリングレスポンスが悪いので,むしろ逆効果だったようです.
ダンロップは0.05秒くらい前回(青)の方が速かったので,ここはアプローチを変えずに進入から限界までタイヤを使った方が良かったですね・・・.
変更⑤:2ヘアは突っ込む
ここはダウンシフト時の1個飛ばし(4→2速)のおかげで操作の負担が減ったので,その分進入で躊躇なく突っ込む事が出来るようになりました(↓).
ただ,突っ込んだ割にあまりブレーキングポイントが変わっていないようにも見えるのですが,これはライン取りが違う事に起因していると思われます(↓).
1コーナーと同様に,第2ヘアピンの立ち上がりでも左フロントが踏ん張ってくれず,何度かコース外にタイヤを落としそうになったので,今回(赤)はやや回り込むラインに途中で変更したのですが,これによって距離的なロスは増えてしまい,走っている時は遅いかなぁ~?とも思いました.ただ,大回りによってボトムスピードを3km/h上げる事が出来ていたので(↓),
この差をそっくりそのまま2ヘアの脱出速度として活かす事ができ,これが先々で効いてバックストレートで0.3秒稼ぎ出す事に成功しました.当日のドラミでもプロが繰返し仰っていましたが,「如何に直線を長くするか?」「ストレートを速く走るか?」がホントに大事ですね.
変更⑥:最終はペダルの踏み替えを早く
これも前回の反省で,最終コーナー進入時に速度を落とし過ぎないよう努力しました.今回武器としてもってきた「4速キープ」は途中で止めてしまったので,もう1つ用意しておいた「ペダルを踏まない時間を作らない(ブレーキペダルを離したら即アクセルペダルを踏む!)」を実行しました.これによりボトムを7km/h上げられたのですが(↓),
クルマの姿勢を作らないで即アクセルを踏むので,旋回中のラインコントロールに自由度がなく,それが立ち上がりの縁石に寄り過ぎを生んで(↓),
途中でアクセルを戻さざるを得なくなり,失速して0.2秒を失いました・・・.
これさえなければ!と悔やんでも悔やみきれないのですが,ひとえに自分が下手くそなのが悪いのでしょうがありません.一応このミスを肝に銘じておくためにロガーデータも確認してみたのですが,違いが分からないくらいの差なんですよねぇ・・・(↓).
GPSの値を信じるならズレは50cm分(≒タイヤ2本分)ってトコでしょうか.確かにタイヤ2本分もラインを外せば致命的である事は間違いないのですが,120km/hオーバーで旋回している状態で,1G以上の横Gが掛かった状態で,タイヤのグリップと相談しながら踏んでいる状態で,この50cmの差を見極めて合わせ込むのは,ホント難しい・・・.逆算の能力をもっと鍛えないとダメですね.
以上,11月の走行結果から3ヵ月越しに行ったフィードバックでした.纏めると,
変更① :アタックラインを意識 ⇒ ○
変更② :1コーナーは外から進入 ⇒ △
変更③ :1ヘアで突っ込む ⇒ ○
変更④ :ダンロップは抑え気味に ⇒ ×
変更⑤ :2ヘアで突っ込む ⇒ ○
変更⑥ :最終はペダルの踏み替えを早く ⇒ ○
という感じでした.こんだけ改善点があれば0.5秒は削れますわな.TC2000はまだまだ経験値不足である事がはっきりと分かる,そんな結果でした.