昨日の夕方、久しぶりにB3に乗った。
記録を見ると、昨年10月中旬以来だ。
リモコンキーのボタンを押しても、ドアロックが反応しなくなっている。
2ヶ月半動かしてないなら、それも仕方ないなぁ。
そんなB3を動かす気になったのは、TypeRと比較してみたくなったからだ。年末からの数日間TypeRに乗り続けている。今、B3に乗ったらどう感じるのだろう。

このところ、TypeRにすっかりやられている。惚れ込んでいるという訳ではないと思うが、まぁハマっているかなぁ。
パワーはB3とほぼ互角の320ps、トルクは4kgm程大きい40.8kgmだが、ボディは100kgも軽い1390kg、更に飛び道具トルクベクタリングとターボで武装している。
しかも、ワイドトレッド&低重心(多分)で強力な接地能力を備えている。
エンジンは4気筒だから鼻先が軽いし、ターボは昔のそれとは違い、低回転域からリニアに効くので、アクセルへの反応が鋭く、踏んだ分だけきっちり加速していく。
レカロ物と思われるシートの収まり具合も、ワタシにはドンピシャだ。腰や肩甲骨廻りのフィット感が言葉にならないほど心地好い。TypeRの気に入っている部分の大半をこのシートが占めているのではないかと思う程だ。
ブツそのものはもちろん、設計にしろエンジンにしろ、何から何まで20年は新しい。しかも、FF同クラスでのニュル最速という称号まで獲得している。
どう考えても、アルピナB3Sに付け入る隙は無さそうだ。
実際、今B3に乗ったら、TypeRの新しさ、良さと、B3の古さやヤレを見せつけられることになるだろう。
最近、あまり乗らなくなっていることだし、今回乗り比べて、本当にそのような印象を抱いたら、潮時と受け止めて潔くB3を降りてしまおう。
まだ明るい16時過ぎ、B3のカーカバーを外して運転席に乗り込む。
TypeRの方が何となく広くスッキリとした印象だ。TypeRはダッシュボード上端が低いうえ、グラスエリアが左右に広いからだろう。ヒップポイントは結構低いはずなのに、ボンネットを上から見下ろす感覚さえある。これが新しい設計なのか?
キーを捻ってエンジンをかける。
ファーストアイドルの爆音が小さい?不調なのか?
もともと、ウインドウを締め切っていれば、車内は至極静かなクルマだ。
運転席側のウインドウを開けてみるが、やはり排気音が小さい様な…。
様子見のために、暫くアイドリングを続ける。久しぶりのエンジン・オンなのだ。最初くらいは慎重にいこう。
水温計の針が真上を指すまで待って、ソロリとアクセルを踏んで走り出す。
か、軽いッ!?
TypeRを気に入っている理由のひとつに、ボディの軽さを実感できることがあると考えていた。だから、B3に乗って軽さを感じるとは思ってもいなかった。正直、驚いた。
エンジンの回転上昇が驚くほど軽い!
ボディを軽々と加速させていく。
全ての動きが軽やかだ。
エンジンそのものが、ボディが、B3を構成している全てがTypeRより遥かに軽い印象を放っている。

TypeRは、エンジンからパワーをゴリゴリゴリ~ッ!と搾り出しながら加速していく印象だが、アルピナのエンジンは、スキップでもしているかのような軽やかさを感じさせてくれるのだ。
エンジン内部でパーツが動いている様が脳裏に浮かぶ。内部構造なんぞほとんど知らないのだが…。
ふと気付くと、ステアリングの太さが丁度良く、皮の質感もしっとりと握り易い。
車内には、軽やかなエンジン音だけが聴こえてくる。のべつ幕なしに排気音が侵入してくるようなことはない。
身体に伝わる振動さえ軽やかだ。ほぼ同等のトルクやパワー、動力性能を持ちながらこれだけ乗り心地が良いのも驚かされる。ソフィスティケーション。

も~、参っちゃうなぁ、アルピナさんてば。
人間の感覚って、ワタシの様な凡人でも意外に鋭くて、微妙なものをかぎ分ける。同じクルマに乗り続けていると、鼻につく部分というのが何がしか出てくるものだ。アルピナも例外ではなく、もういいかな、なんて思うこともあったりする。特に暫く乗っていないと、ほんの少しマイナスに感じる部分が頭の中だけで増幅されてしまい、乗りたいという意欲がなかなか湧かなかったりするのだ。
しかし、こんな風に他のクルマと直接乗り比べてみると、必ずと言っていいほどアルピナの良さばかりが印象付けられる結果になる。アルピナってこんなに良かったか~!?と再認識させられるのだ。

何年も前、メガーヌRSに試乗した際も、帰りにB3で高速道路のランプを駆け登った瞬間、その軽やかさに衝撃を受け、有頂天になって、自宅最寄りインターまでの100km程を、そうとは気付かず、とんでもないスピードで走り続けた記憶がある。エンジンがあまりに軽やかに回り、軽々と飛ぶように走るので、スピード感が大きく狂ってしまったのだろう。
そんな訳で、1時間にも満たない久しぶりのショートドライブで、事前の想像をあっさり覆されてしまった。つらつら考えるに、たぶん、アルピナは総合力が高いのだろう。ドライバーの官能に訴える様に作り込まれているのだと思う。
TypeRも日常使いの乗用車としても普通に使用できる懐の深さを持っているが、出自通り、基本的にはサーキットでの速さを極めることを目的としたクルマなのだ。そして、その強烈な個性の余禄でワタシも楽しませて頂いている訳だ。そこんとこが好きなんだよな~、TypeR(^-^)

結局、両方ともお気に入りなのだ。3台持ちはキツイだろうなぁ←ムリだ(^^;
Posted at 2019/01/03 19:45:18 | |
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