ペットを飼われている方はご存じかも知れませんが
「虹の橋」というお話をご存じでしょうか。
----<虹の橋>------
天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
この地上にいる誰かと愛しあっていた動物たちは、
死ぬと『虹の橋』へ行くのです。
そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
たっぷりの食べ物と水、そして日の光に恵まれ、
彼らは暖かく快適に過ごしているのです。
病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、
傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、
元のからだを取り戻すのです。まるで過ぎた日の夢のように。
みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。
それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんが
ここにいない寂しさを感じているのです。
動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。
でも、ある日その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに小刻みに震えはじめます。
突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
速く、それは速く、飛ぶように。あなたを見つけたのです。
あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。
そしてもう二度と離れたりはしないのです。
幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、
あなたの両手は愛する動物を優しく愛撫します。
そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
あなたの人生から長い間失われていたけれど、
その心からは一日たりとも消えたことのなかったその瞳を。
それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです。
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約14年前。
奥さんが家にこもりっぱなしにならないようにと、犬を飼うことを決め
胴長短足な容姿が可愛らしいからということで、コーギーが候補に挙がりました。
いろいろ勉強していくと、実は一般的なコーギー(ペンブローク)は
生まれてすぐに、シッポを切られてしまうということを知りました。
そうしないと「血統書」が発行される「スタンダード」ではなくなってしまうからです。
生まれた時に元々あったシッポを切られてしまうなんて可愛そう・・・
ということで、シッポを切っていないペンブロークを探しました。
今では動物愛護の観点から「シッポを切らなかったペンブローク」も見かけますが
当時はそんなことをしたらペットショップでは売れないため、当然見つかりません。
私は「血統書」とか「スタンダード」なんて関係ない、と思っているんですが
ペットショップで探すとなると、「スタンダード」を探さないといけません・・・
そこで「シッポ有りがスタンダード」なコーギー「カーディガン」を探すことにしました。
しかし調べていくウチに、日本ではカーディガンは割と希少種ということが判り
そんなのが我が田舎街のペットショップなんかに居るはずがありません。
まだそのころはブリーダーから直接迎え入れる、なんていう知識も考えもなく
家族会議で違う犬種にしようか・・・なんて言っていたところ
まるでタイミングを合わせたように近所のショッピングセンターのペットコーナーに
茶色と白のカーディガンの子犬が、入舎してきたのでした。
それを見つけた奥さんは翌日には予約を入れ
3日後にはもうウチに迎え入れていました。(笑)
ある日、那由他くんと奥さんを連れて広場でボール遊びをしていたところ
たまたまディスクドックの講師をしている市内の方と出会い
「那由他と一緒に遊べる!」と奥さんもちょっとやる気を見せたので
それなら・・・ということで、ディスクを習うことにしました。
クルマに乗せて千葉までセミナーを受けに行ったりして
奥さんはいつの間にか、ディスクの大会に出るようになったのでした。
元々犬に触ることすら出来ず
「虫が出るようなところで外遊びなんて無理!」
「テントやクルマで寝るなんて考えられないし、簡易トイレなんて使えない!」
「雨に濡れるキャンプとか、ましてや泥んこまみれなんて絶対にイヤ!」
なんて言ってた奥さんはいつしかすっかりアウトドアで遊べるようになり
自分から「遊びに行きたい」と言うようになりました。
ディスクの大会やネットを通じて、全国にたくさんのお友達も出来ました。
そんな那由他くんも歳を重ね、12歳7か月を迎えた昨年4月に
長野での大会を最後に、ディスクドッグとしての現役を引退しました。
老犬の域に来て、ケガなどをして不自由な体になってもかわいそうだし
この先も長く一緒にいて欲しいとの願いから、引退させることを決めました。
以降、ワンワン係隊長として一緒に出掛け、あちこち遠征もしていました。
先々週は水戸、先週は現役引退後1年振りで長野へも遊びに行きました。
歳とともに気管支に少し不具合が出て、呼吸がゼロゼロするようになっていました。
実は我が家に迎え入れた時に病気に掛かっていて
3ヶ月くらい病院に通っていたんですが、それがまさに呼吸器系の病気でした。
近年、視力も聴力も落ちて来てはいましたが、毎日しっかりお散歩をし
大会があれば一緒に出掛けて、ワンワン係として元気に過ごしていました。
昨日もいつもと変わらず元気いっぱいで、晩ご飯もシッカリ食べ
私が仕事から帰ると、いつも通りにワンワカと騒いでいました。
今日15日は金曜日ですが、明日土曜日に取材のお話を頂いていたので
その準備をしようと思って有休を取り、家に居ました。
午前中は2階で写真のデジタル現像などをし、午後から準備をしようと思っていたら
お昼をちょっと回ったところで、1階から奥さんが私を呼ぶ声がしました。
急いでリビングに降りて行くと、那由他くんの呼吸がおかしい。
すぐに奥さんが病院へ連絡を入れ、私は那由他くんに人口呼吸を施しましたが
乱れていた呼吸のリズムは戻ることなく、そのまま私の腕の中で逝ってしまいました。
諦めきれず「もしかしたら」という僅かな望みにすがる思いで
急いで那由他くんを流星号に乗せ、病院へ連れて行きました。
先生は休診時間にも関わらず、すぐに診てくれましたが
那由他くんはもう帰って来ることはありませんでした。
これから先、足腰が弱って歩けなくなっても良いように色々考えていたのに。
そのためにハイエースに乗り換えたのに、ちょっと急ぎ過ぎじゃないか?
大阪、兵庫、奈良、三重、愛知、岐阜、群馬、静岡、千葉、栃木、茨城。
一緒にいっぱい遊びに行ったね。
北海道にも2回行ったし、北の端っこも制覇したよね。
四万十川を一緒にカヌーで下りたかったな。
流星号で走って行ける南の端っこも制覇したかったよ。
まだまだいっぱい、遊びに行きたかったなぁ・・・
奥さんを元気にしてくれて、ありがとう。
子供たちの友達でいてくれて、ありがとう。
全国にたくさんのお友達を作ってくれて、ありがとう。
そして・・・我が家に来てくれて、ありがとう。
2016年4月15日 午後0時30分。 享年13歳7ヶ月、那由他永眠。
那由他へ。
虹の橋にはジョンとサチコ姐さんが待っているはずだから
おやぢがそこに行くまで、ちゃんと一緒に待ってるんだぞ。
サチコ姐さんにちょっかい出すと、ネコパンチされるからな。
ママさんが来る前に、先に橋を渡っちゃおうな。(笑)
※お越し頂いたみなさまへ※
気持ちが落ち着くまで時間が掛かり、ブログ投稿が遅くなりました。
お知らせが遅くなり、申し訳ありませんでした。
なお、この投稿にコメントを頂いても返信はいたしません。
どうかご無礼をおゆるしください。
頂いたお言葉はありがたく、私の心の中に書き留めておきたいと思います。