
私は昨今のガソリン価格高騰や、新型コロナへの感染リスク、それに花粉症など様々な問題により外出を控えるようになった。ここ1ヶ月は遠出せず自宅で料理したり、仕事で必要な勉強をしたり、それなりに過ごして来た。ただ雪の期間は一度も手洗い洗車していなかったので、今朝は4ヶ月振りに愛車と戯れた。

私が洗車やメンテナンス等、モノを大切にしようと思うようになったのは今から36年前、まだ私が幼稚園児の頃だ。当時、消防の分署長を定年退職した祖父が、おそらく退職金で新車のBF型ファミリア・1500S-XEというイイヤツを買った。何故なら時代は昭和、私の両親や従兄弟など口裏を合わせたかのように赤いBDファミリアのハッチバックに乗っており、親戚が祖父宅に集まるとマツダのディーラーみたいになった。それをみてた祖父が「俺もファミリア欲しい」となり、流石に赤では無く白のセダンを選んだ。記憶ではコーナーガイドやレースのハーフシートカバーが付いてた。そのファミリアを祖父は車庫に仕舞い、暇があると洗車し、甘〜い香りのワックスを掛けていた。今になって思うとソフト99のハンネリだったのかもしれない。戦争を経験した祖父にとってクルマは高級品だったのだろう。本当に愛情を注いでいた。その頃から私も「常にキレイな状態」とか、「モノを大切にする気持ち」が芽生え始めていた。

今は簡単なガラス系コーティングがあり、祖父が使っていたようなハンネリのワックスが懐かしいとも言える時代だ。それでも私の経年した愛車が美しく維持されている姿を見たら、今は亡き祖父も「俺の背中を見て育った孫だ」と喜んでいるかもしれない。

CX-7のクリスタルホワイトパールは光の陰影こそ乏しいが、それでも景色の映り込みが実現すれば嬉しいものだ。気に入っで買った色だから尚更。

お次はデミオ。このベロシティレッドマイカが発表されたのは2003年頃に初代アテンザ中期の23Zが始まりだったな。あの時、なんて素晴らしい赤なんだと感動した事を思い出す。それに今のようなソウルレッドなんて無かった時代のわりに深みがあり、退色しにくい粒子が好印象だった。いつかベロ赤のクルマに乗りたいと思っていたが、まさかDE型デミオの限定車で私の願いが叶うとは思ってもいなかった。

未だに妻は現行のソウルレッドを推しているが、私はこのベロ赤デミオを大切にしたい。ソウルレッドのような奥ゆかしさでは無く、まるでトマトのような明るさや瑞々しさがある。ちょっと前に設定されていたトゥルーレッドのようなパリッとした赤も眩しくて魅力的だが、やはりベロシティレッドの上品さに惚れ直す。

結局のところ、私は祖父の教えや両親の影響をモロに受けていたんだと感じた。マツダが好きになったというより、幼少期から私の周りはマツダだらけだった。先にも述べたが私の両親も従兄弟もファミリアで、その後はカペラやボンゴに乗っていたし、気付けば白や赤のクルマが多かった。そして今、私は白のクルマと赤のマツダ車を一台ずつ所有している。それも大切に大切に。こないだCX-7はターボからのオイル漏れで次回の車検費用は高額になる見積が試算されたが、やはり今回は直そうと思う。あんなイイヤツ今後も二度と出回らないかもしれないし、それにCX-7の前期最終でサンドベージュ内装かつBOSEサウンド+4WDの組合せは今のところ日本に一台も無い。またCX−7特有の希少性やターボの爽快感、それにワイルドでは無く、あくまで都会的でスペシャルなSUVというジャンルは今のマツダに無い。故に、古くなっても未だに所有する喜びを感じさせてくれるCX-7は大切にしていきたい。そしてデミオもセカンドカーにしては拘り抜いた一台を購入した為、こちらも同じように大切な存在だ。今日は洗車後の心地好い疲労感と、約2年前に旅立った祖父を想う、そんな日曜日。
Posted at 2022/04/10 10:28:53 | |
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