【エルサレム=酒井圭吾】イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザから1日、外国籍保有者300人以上がエジプトに退避した。日本人10人が含まれている。ガザにとどまっている外国籍保有者は計7500人とみられ、今後も退避が進む見通しだ。上川外相は2日午前の衆院安全保障委員会で、ガザに滞在して退避を希望していた日本人10人、パレスチナ人家族8人の計18人が現地時間の1日、ガザからエジプトに陸路で退避したと明らかにした。外務省によると、現時点でガザには退避を希望していない日本人1人が残っているが、緊密に連絡を取り合っているという。
外国籍保有者の避難に先立ち、パレスチナ人ら約80人の負傷者がガザとエジプトとの境界の「ラファ検問所」を通過した。10月7日の戦闘開始以降、イスラエルはガザを封鎖し、同月21日に人道支援物資の搬入が始まって以降も民間人の往来を認めていなかった。米CNNは検問所の当局者の話として、第1弾となる退避リストに外国籍保有者が491人おり、11月1日夜までに少なくとも361人が退避したと伝えた。イスラエル軍の空爆が激化する中、各国は退避ルートの設置を求めていた。ハマスとの関係が深いカタールが仲介し、ハマスとイスラエル、エジプト側が合意して実現した。(写真:読売新聞)
一方、ガザ北部で地上作戦を続けるイスラエル軍は1日、空爆を中心としたこれまでの攻撃について「1万1000か所以上のハマスの軍事拠点などを標的にした」と発表した。地元紙タイムズ・オブ・イスラエルは1日、軍司令官の話として、地上作戦を行っている部隊がガザの中心都市であるガザ市の入り口にいると伝えた。ガザ市を陸上と海上から包囲し、空爆も含めてハマスの拠点への攻撃を続けているという。イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は1日、ハマスに対し、「死ぬか、無条件降伏しかない。第三の選択肢はない」とする声明を発表し、攻撃をさらに強める考えを示した。イスラエルの隣国ヨルダン政府は1日、駐イスラエル大使を召還すると発表した。ガザでのイスラエルの軍事行動拡大への抗議を理由としており、イスラエルに対する中東各国の反発が広がっている。
日本の識者は「人命優先、停戦、停戦」と言うが、ハマスにとってもイスラエルにとっても停戦はあり得ないだろう。ハマスにすればここで停戦を受け入れれば戦力を温存して再起を期せるが、イスラエルはそれだけはどれほど国際社会から非難されようと絶対に認めないだろう。双方にとって同じ世界で共存は不可能な相手同士なのだから。今回イスラエルは情報戦の不備から奇襲を受けて多数の死傷者を出した。ここで中途半端に停戦したらまた同じことが繰り返されるという認識だろう。非対称戦と言うのは敵なのか無抵抗の民間人なのかその区別がつき難い。過去にも宗氏ら状況で虐殺と言われる事態が頻発している。ハマスにとってはそれが強力な武器になるし、イスラエルにとっては非難されても自存自衛のためにはやらざるを得ない。こうして相互に憎悪が積み重なってさらに殺戮が続く。悲惨で愚かなことと言うのは容易だが、双方にとって民族の存立をかけた戦いなのだろう。憎悪の連鎖の圏外にいるものはただそれを傍観するしかない、・・(-_-メ)。
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2023/11/02 15:05:29