群馬マツダ・新車中古車研究所のブログ一覧

愛車のCX−7は中古車だが、幸い1年間の保証付で購入できた。そりゃトラブルなど何も無い方が良いに決まってるが、私の場合「保証期間内に悪い箇所が見付かって、できるだけ早期に直しちまおう」という考えなので、どちらかと言えば不具合が見付かってくれると嬉しくなる。

購入して3週間で2千Km走り、細かい箇所の点検を含めディーラーへ預けた。シビアコンディションまで診て頂き、結果的に4日間の入院となった。そして密かに楽しみにしてる代車の話。今から20年前のマツダDと言えば車検が残ってる下取車や、中古車にもなれないボロ車を利用していた。その代わり往年の名車に巡り合う事もあって楽しかった。関東マツダの場合、たまにランティスやGCカペラ、BHファミリア等に当たれば懐かしくて嬉しかった。

ところが今は外車Dのような代車でゴリゴリの新車が来る。今回も4千Kmしか走ってないCX−30、20SのAWD・プロアクティブが充てられた。愛車より13年も新しく、コンパクトだから小回りが利いて、静かで、燃費が良くて、それに後ろ姿が格好良い。まるでエリート若手社員に秒速で追い抜かれた中年サラリーマンのようだった。でもね、愛車の名誉を守る為、そしてCX−7の魅力を正当化する為にハッキリ言わせて頂く。

CX−7のほうが遥かに楽しい。かつて「zoom-zoom」の世代に生まれた車種は経済性よりもスポーツ色が強く、RX−8や初代アテンザは軽くてキビキビしてて非常に楽しかった。ところがマツダは第7世代に入り世界的な安全基準に対応すべく電子デバイスや燃費対策で「重い車を気持ちよく走らせるパフォーマンス」にシフトした気がした。これは20年間マツダしか乗ってこなかった私だから気付ける。昔よりモッサリしたエンジンは静かすぎてパンチに欠ける。ハンドリングはマツダらしく機敏だが穏やかなエンジンとのバランスは微妙。そしてマツダの内装は昔からシンプルで直感的な動作が可能だから安心する。ただ優等生に成りすぎた。もっとマツダ車はクセが強くて、足りない所もあって、古臭さも残ってて、ちょっとヤンチャな位が好きだ。

確かに今のマツダ車なら万人受けする。走りが良くて、安全で、経済的で、質感が良い。だから他社から乗り換える客が少なくないのは理解できる。でも今までのマツダと比べ明らかに違うのは「面白味に欠ける事」だ。この優等生が冗談の一つも言ってくれれば良いのだが、クソ真面目っつ〜のか、固すぎるっつ〜のか、もっとラフで良いような気がする。靭やかなサスは更に硬めで良いし、もっとエンジンサウンドが聴きたいし、何か一つくらい不足のアイテムが有っても良いと思う。寡黙で完璧な優等生って付き合い方が難しいよなぁ。

我が家のCX−7はデカイ図体で大飯食らい、その代わり高速でもワインディングでもバカみたいに楽しい。エンジンと足回りのレスポンスは第7世代より俊敏。最先端の装備こそ無いが世界で通用する自動車としての基本は完璧だ。しかし直噴ターボなもんでハメ外すのも簡単だ。だから普段は冗談しか言わないようなヤツが実は凄いみたいなCX−7に惚れ惚れしてる。でも妻は「次は絶対CX−30買うんだ」と今から興奮してる。優等生を代車に充てたマツダDの戦略に劣等生の私は簡単にヤラレタ。