F1の行く末に暗雲が立ち混み始めている…。
ケータハムとマルシャが破産手続きに入った事により、
今週末のF1アメリカGP(11月2日決勝)と、その1週間後
に行われるブラジルGP(11月9日決勝)に全車が揃って
出場出来なくなったのは伝えられている通りだ。
これにより、これまでの22台から一気に約20パーセントにあたる4台が減ってしまい、結果18台で
レースを行う事になる…。
まあ昔から資金難に苦しむチームや、元々の出自が怪しいチーム等のシーズン中の撤退は数多
くあったが、それにも増してこのような事態に陥った最大の原因は、現行のF1全体のシステム以外
にはありえないであろう!
特に技術関連に関しては、こうなる事はミエミエだったと言わざるを得ない。勿論或る程度の規制
は必要だが、今の規制は不必要と言える程雁字搦めの状態であり、そんな狭い中での技術競争な
ど、直ぐに頭打ちになるのは自明の理である。つまり新参者や資金の乏しいプライベータ―には逆
立ちしても勝てない、喰い込んで行けない環境が出来上がっているという事だ!
確かにこのようになる事は既にFIA側も解っていた事であろう。故に常日頃から≪コストダウン≫
を口酸っぱく言っていたのだから…。
ではどうすればいいのか?
それは歴史を振り返ってみればよいのだ。単純にエントリーチームが多い年の制度を参考にして、
現在に当て嵌めればよいのだ。すると色々見えて来るモノが幾つも出てくる…。
まず参戦自体のハードルが低い事や、運営にかかる費用負担が比較的少なかった事や、規制
そのものが緩いのは当然だが、それ以外に言える一番大きな事は、まだGPそのものが小規模で
あったという事に尽きると思う。今でこそ世界選手権としての地位を誇るF1GPだが、当時は世界と
は名ばかりの、所詮ヨーロッパのローカル選手権であり、本当の“世界”とはかけ離れている規模
だった。 まあ、これと同じ様な事は、米国メジャーリーグのワールドシリーズにも言えるが(苦笑)
兎に角、殆どのGPが陸続きのヨーロッパ内で行われる為、その移動時間や費用等の負担が非常
に少なくて済んだのだ。故に小金持ち程度であれば、40チーム近くがエントリーした1950年代の様
にプライベータ―として参戦出来た頃は、牧歌的な時代であったといえる。
しかし既に、メーカーやビッグスポンサーが付き、ビジネスとしても大きな存在になり、実質的にも
本当の世界規模になった1980年代になっても、30台以上がエントリーしていた位、隆盛を誇った年
もあったのだ! そして同時にその時の模様は、今なお語り草になっている位、古き良き時代と皆
の心を奮い立たせている・・・。
何が言いたいかと言うと、金が無いチームは、昔から存在していたという事だ!そして、金が無い
からと言って、常に最後尾に甘んじる訳でも無かった。
何故か?
それは単純にして明快な解答及び行動が有ったのだ。
即ち、
「金が無いなら、頭を使え!」
である(苦笑)
エンジン開発が出来無いなら、安いエンジンを買ってくればいい。タイヤを供給してくれないなら、
そのライバルメーカーを焚き付けてGPに引きずり込めばいい。チームスタッフは全てレース期間中
のみのパートタイマーにすればいい。移動が大変なら、移動費用を浮かす為に、運送会社をスポ
ンサーに付ければいい。同じ様に、燃料代が嵩むなら、燃料費を浮かせる為に、石油会社にスポ
ンサーになって貰えばよいetc…。
と、今では全て出来無くなった以上の様な事項を、各チームが比較的容易に出来たのが、エント
リーチームが多く存在した要因だと思う。
それが今や、エントリーするだけで巨額の保証金を納めねばならず、車両(シャシー)の規定も
重箱の隅々まで決められ、エンジンの排気量や気筒数、回転数まで決められ、燃料補給装置や
タイヤを1機種に統一されている。これでは、同じ車で戦っているのと遜色無いではないか!(怒)
それなら資金にも制限を設け、クルマも最初から全てをワンメイクにして、単純にドライバー選手
権にすればよい。
全て平等、すべて公平!という考えは、よくよく考えれば≪共産主義≫そのものではないか!
資本主義の象徴とも言える≪贅沢≫の頂点に立つ、“F1コミュニティー” が、実は≪アカ≫に
覆われていたなんて、冗談にも程が有る!(苦爆)
元々F1という一般社会とはかけ離れた≪モータースポーツの頂点≫に君臨する、稀有な別世界
の場に於いて、同一、或いは公平という概念そのものが、傲慢で偽善に満ちた思想だという事に、
何故、白人達は気が付かないのか…。
そもそも何故、競争が起こるのかを考えれば、おのずと解る事になるにも拘らずにもだ。
簡単に言えば、それはそれぞれに≪格差≫というモノが有るからに他ならない!
同じモノなら、同じ様な結果になるのは当然である。しかし皆が見たいのは、そんな幼稚園児達
が一列になって手を繋いでテクテク歩く、“集団登下校” では無いのだ!
速いドライバーが居るチームに勝つ為に、速いクルマを造るのであるし、ピット作業が早いチーム
に勝つ為に、より速い給油装置を造るのであるし、同じタイヤでは埒が明かないから、別のメーカー
のタイヤを履かせるのだし、エンジンパワーが劣っていれば、その分燃費の良いエンジンを造れば
イイのであるし、そんなエンジンが造れなければ、シャシーの空力に力を入れればいいのだし…。
と、要するにエントリーチーム数を増やし、且つ複合的で複雑な勝負ポイントを沢山散りばめれば、
各チームにもそれぞれ
「ウチでも勝てるかもしれない!」
という気持ちにさせる、所謂、“勝機ポイント” というモノが見えて来て、所謂≪チームカラー≫が構
築され、ソコに激しい競争が生まれるのだ! そうすれば自ずとあらゆる階層の人々の関心が増し、
チームの収入が増え、ひいては技術開発の向上にも繋がるのは言うまでもないであろう!
つまりそれは≪原点回帰すべし!≫ という事を指し、全盛期と言われたあの時代の頃の様に、
≪勝利因数≫の増加という方法しかないのだ!
兎に角、贅沢の極みである筈の≪モーターレースの最高峰≫で、≪ワンメーク≫等と言う愚行は
一刻も早く撤廃して、まずは大前提として車幅と燃料の総量を規制し、そしてレース中にドライバー
やチームメンバーが怪我をしたら、その時点で即、出場停止にするというルールにするだけで、あと
は自由にさせれば、本当の最高峰≪F1≫のレースが見られる事になるであろうと確信している!
と、未だ吉牛を口に出来ないイライラが募ったオッサンの呟きでした…って、なげーな!(自爆)
でわでわ!