みな様こんにちは&こんばんは。
無線ネタが続いていますが(笑)、今回は今後車社会における情報通信器機がアマチュア無線の周波数帯を使う事になり障害が発生しそうなのでココで報告します。
電波の使用区分(利用する目的と許可された放送局や無線局が使用する割り当てられた周波数帯のこと)は法律で定められており、国際的にも統一した規格や、周波数が定められています。(例えば携帯電話の割当周波数、テレビラジオの放送局の電波も)
この度、自動車のタイヤ空気圧モニタシステム(以下TPMSと表記)及びリモートキーレスエントリ(以下RKEと表記)について総務省情報通信審議会が技術専門家も含め検討を重ね意見を取りまとめたので、国民に意見募集をおこなうとのこと。
概要は下記の通り(総務省の報告案)
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総務省情報通信審議会情報通信技術分科会陸上無線通信委員会
小電力無線システムの高度化に必要な技術的条件に関する報告(案)
情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会は、平成14年9月30日付け諮問第2009号「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリに係る技術的条件」について検討を行っており、令和6年9月5日(木)に開催された情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会(第87回)において、これまでの検討結果を委員会報告(案)として取りまとめましたので、令和6年9月7日(土)から10月7日(月)までの間、当該報告(案)について意見募集を行います。
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無線を利用するTPMSとRKEを図で説明しますと
このようになります。(ハムライフドットコムから拝借)
現在もこのシステムは既存していますが、周波数が違うバンドで行われています。今後、その周波数が混雑、他業務への混信、国際周波数取り決めによる変更等々と思われ(私見)、
433.92MHZが新たに設定されることになりそうです。
アマチュア無線の割当周波数は国際無線通信会議が行われるITU(国際電気通信連合)が定めており、アジアや北米、欧州それぞれの状況に合わせるなどして定められています。
(アマチュア無線では日本で割り当てされていない5MHz帯などあります。)
そして日本に割り当てされた周波数(帯)においては、その範囲内の周波数の電波型式による利用区分を法律で規定しています。
このようになります。(144MHz帯、430MHz帯及び1200MHz帯を抜粋)
「TPMS」と「RKE」が使用する周波数は433.92MHZなので、430MHz帯の中に設定されています。
ココで重要なのが、例えば持ち運び出来るポケットルーターのWi-Fiで2.4GHzではなく5GHzを選択したときに「屋外では利用できません」と表示されます。これは第一次業務割り当ての「無線通信の業務」と第二次割り当てされた「Wi-Fiルーター」であるからです。
第二次業務とされている器機は「第一次業務の無線局に妨害を与えてはならない、妨害を与える恐れがある場合は停止(停波)しなければならない、第一次業務に対して妨害を除去(停波)するよう要求してはならない」となっています。
因みにアマチュア無線が第二次業務となっている周波数があります。
1200MHz帯では放送局ラジオマイクやテレメータ(データ送受信)などがあり、アマチュア無線電波は妨害を与えてはならないとされており、屋外で使用する際は1Wまでとなっています。アマチュア無線全免許者の局でも家からは10Wまでとされている。(他の周波数では上位免許を受けた場合最高1KWまで可能)。
さて、話しは戻りますが、TPMSとRKEの器機が発射する電波は、第○次業務になるでしょうか。
正解は、第二次業務として割り当てられ、アマチュア無線は第一次業務です。
以下、報告の内容抜粋です(総務省のページより)。
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公表された報告(案)では「433MHz帯TPMS/RKEの技術的基準を次のようにすることが適当である」としている(一部抜粋)。
<一般的条件>
(1)通信方式:利用形態を踏まえ、単向通信方式、単信方式及び複信方式とする。
(2)変調方式:規定しない。
(3)使用周波数帯:諸外国の技術基準との整合を図り、周波数を共用するアマチュア局等への干渉を軽減する観点から、次表のとおり、中央の周波数を433.92MHzとする指定周波数帯とする。
・周波数:433.92MHz
・指定周波数帯:433.795MHzから434.045MHzまで
なお、当該周波数帯の使用に当たっては、一次的基礎として分配されているアマチュア局に有害な混信を生じさせてはならない。また、一次的基礎として分配されているアマチュア局からの有害な混信に対して保護を要求してはならない。
(4)空中線電力:諸外国の技術基準との整合を図り、かつ、諸外国において使用されている無線設備の実態及び周波数を共用するアマチュア局等への干渉を軽減するため、次表のとおりとする。
・空中線電力:等価等方輻射電力において、1mW以下とする。
(5) 空中線系:規定しない。なお、送信空中線が無線設備の一の筐体に収められており、給電線及び接地装置を有しないものであること。
(6)送信時間制限:送信時間は、諸外国の技術基準との整合を図り、周波数を共用するアマチュア局等への干渉を軽減する観点から、1時間当たりの総和を360秒以下とする。また、周期的な送信を行う場合にあっては、電波を発射してから1秒以内にその電波の発射を停止し、かつ、休止時間を1ミリ秒以上とすること。
(7)混信防止機能:通信の相手方を識別するための符号(識別符号)を自動的に送信し、又は受信するものであること。
(8)違法改造への対策:無線設備においては、一の筐体に収められており、かつ、空中線系を除く高周波部及び変調部は、容易に開けることができない構造であること。
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器機の電波出力が1mWとしてもね~。近くにいたらアマチュア無線の業務(趣味の遊びの無線通信でも法律で許可されているので「業務」とします)に混信を与えてしまうおそれが高いですね。混信されても、停止しろと言っても
タイヤ空気圧の監視は「走行中」ですからね(笑)。
そしてこれからドアを解錠する操作に対して混信するからやめてと第一次業務として注意しても、その人は永遠にクルマに乗れなくなってしまいます(笑)。
どうしたらいいのでしょうね。
周波数を削られるおそれもあります(趣味の世界は肩身が狭い(>_<))
そんなことになったら430MHz専用機がゴミになってしまう日も近い?
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Posted at
2024/09/15 00:58:06