2021年最初のブログはこの車・・
トヨタのかぼちゃの馬車です。
トヨタのWill Vi
2000年1月から2001年12月まで約2年の間発売されました。
もっと昔かと思ったらずいぶん最近だな、、
、、と感じてよく考えてみたらもう20年も前の車でした。
斜め前から見るとかわいらしくて特徴があっていいスタイルです。
1999年8月から2004年7月まで行われた、Willプロジェクト。
トヨタ、花王、アサヒビール、松下電器産業(現パナソニック)、近畿日本ツーリスト、コクヨ、グリコが参画した、20代から30代を中心とする、「ニュージェネレーション層」向けの製品を各社が開発し、「WiLL」ブランド名、ロゴマークを付けて販売するプロジェクト。
かぼちゃの馬車をイメージしてデザインされた?車。
奇抜に見えるかもしれませんが、1990年前後に日産のBe-1、PAO、S-Cargo。90年代にマツダAZ-1、トヨタセラ、後半にトヨタのファンカーゴが発売されていたので、デザインコンシャスの車としては、個人的には大きな違和感は感じませんでした。
むしろ、ユニークなデザインの車を出したトヨタの勇気に拍手といった感じでした。
1960年代のアメリカ車のような極端なクリフカット。
リアシートのヘッドルームも確保されてこの角度からも、なかなか悪くないデザインです。
かわいらしいパンプキンカラーのインパネ。
デザイン的に問題ないですね。
真横から見たらこんな感じ。
前後ともオーバーフェンダーが出ています。
リアシートの背もたれはリアガラスに引っ付いています。
初代ビッツのシャシと1.3Lエンジンを使用したWill Vi。
ベンチシートを採用するために4速コラムAT。
ダイハツオプティーのドアミラーと、系列外のマツダユーノスロードスターのウインカーライトを使用しています。
90万円前後のビッツに対して、140万円前後の価格でした。
2000年の1月から2001年12月まで販売されたWill Vi。
2年間で1万6000台余りしか売れませんでした。月販1000台未満ですね。
Will Viが売れなかった原因は、ビッツに比べて価格が高かったからだという記事がありますが、私はそうは思えません。
現在の軽自動車のなんとかカスタム仕様や、ホンダのNシリーズなど、普通小型車に比べてとんでもなく高いですが、ものすごく売れています。
若いユーザーや女性でも、価格が割高でも気に入ったデザインなら購入すると思います。
そもそもWillというブランドやプロジェクトが失敗だった。ブランド力がない商品は売れない、という評論家や記者の方もいましたが、若い女性や若者は特にブランド名になんか拘らないと思います。
「Will」に魅力を感じなくて、「トヨタ」や「マツダ」に魅力を感じる若い女性が格別にいるとも思えません。
私が思うこの車がそれほど売れなかった理由は時代です。
おそらくBe-1やPAO、エスカルゴが売れていた1980年代後半から1990年前後だったらこのデザインでももっと売れていたと思います。
あのイケイケのバブル末期の風潮。肩パッドスーツにワンレン太眉毛、赤口紅、ブランドダブルソフトスーツの時代。社会全体が高揚していて狂乱アドレナリンが舞っていた時代、そんな時代ならこのデザインは受けたでしょうね。
そうでなければ、このデザインの車を買うのは勇気が要ります。
MINIそっくりのミラジーノを買うのとは違います。
敗因はデザイン、というよりも時代を読み切れなかったデザイナーとディレクターでしょう。この後に出た、Will VS、そして訳のわからないデザインのWill サイファ。Willプロジェクトはどんどん迷走していったのでしょうね。
結局大手企業7社が参加したWillプロジェクトで印象に残ったのは、このWill Viのみ。
誰かさんが勘違いして無理やり立ち上げた他業種合同デザインプロジェクト。
政府主導の企業再生と同じようになかなかうまく行きませんね。
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街角の名車たち | 日記
Posted at
2021/01/03 14:48:28