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2014年09月02日

しっかし “ポルシェ” は良いクルマだのぉ~ 番外編 過去への回帰 どん底 篇

しっかし “ポルシェ” は良いクルマだのぉ~ 番外編 過去への回帰 どん底 篇
 “西洋文化” の中心たるF1レースに敢然と立ち向かい、

そして数々の勝利によって黄金時代を築いたホンダとは

対照的に、ポルシェの惨状は目を覆うばかりであった。

 そう、驕りのツケ、若しくは傲慢の “しっぺ返し” とも言うべき事態に陥ったが故の、“ポルシェの

混迷”が始まったのだ…。


 勿論、そうなった原因は一つでは無い。

 この、傲慢・驕りの原因は大きく3つ存在した…。

 一つは、クルマだけに囚われない最先端の総合技術研究所が本業であった事(プライド)

 二つ目は、実際当時の自動車技術が突出していた事(ライバル不在)

 そして三つ目が、“無借金経営”だった事による危機感の希薄(マネーゲームへの参入)

と言った所が挙げられるであろう・・・。


 まず、一つ目の(プライド)の件だが、コレは前にも述べたが、ポルシェと言う会社が、純粋な自

動車メーカーでは無く、その主なスタンスが“研究所”という形態によって起こるものだった。そう、

別にクルマが売れなくても、技術研究開発の方が本業であるという、逃げ道とも取れる捻じれた

プライド故に、本腰を入れてクルマに対する姿勢を正すという行為を疎かにしてしまった。勿論こ

れはポルシェだけの罪では無い。このポルシェの技術力を恐れ、排除する側に廻った当時の欧

州モータースポーツ界にも、大きな罪はあると思う。が、その同じ時期に、更に厳しい条件下で戦

い、そして勝ち抜いて黄金時代を築いたホンダや、WRCでのトヨタやスバルや三菱といった存在が

有る以上、やはり後ろ向きな言い訳にしか感じられないのは、私だけではないであろう…。


 次に(ライバル不在)の件だが、その名の通り、1960年代後半から1985年頃までのポルシェは、

常勝であり、絶対王者であり、そして、孤独であった。当時のポルシェと真っ向勝負のガップリ四つ

で戦う事が出来たクルマは皆無なのである。故にポルシェはいつも孤高の存在であった!

 そう、結果的にポリティカルな部分を使わない限り、ポルシェに立ち向かう事が出来なかったの

である。つまりライバルがいない以上、これにより当然の様にポルシェのイノベーション力が停滞

する事になるのだ!

 やはりというか、その頃の市販車に目を向けてみると…。

 顕著な例は、ターボモデルである。この稀有なクルマは、その余りに突出した性能を誇っていた

が故に、その後の性能向上に多くの時間を要する事になる。

 皆さんご存知の事と思うが、この911(930)ターボ、その最終モデルとなる1989年まで、4速のMTし

かなかったのである! アメ車や英国の某超高級車ではないのである! 仮にも世界の頂点に立

つスーパースポーツが、クロスもしていない4速のみとはオカシイのだ! 因みにこの時の技術者

はこう言っていた。

 「このクルマの性能は凄く高いので、4速あれば十分なのです!」

と…。

 余りにも典型的な、“サボりたい奴の言い訳” ではないか! 実際、≪5速MT≫は技術的に困難

はあったにせよ、ポルシェの技術陣が本気でやっていれば、そう難しい問題では無かったのは明ら

かである。更に細かいトコロを見ても、雨漏り、Kジェトロ不調、燃料計不調、直進安定性の不安、

ターボラグの増大、パワステ不採用と、この当時の技術の停滞の例を挙げるのに開渠の暇がな

いのであった(苦笑)

 そう、明らかに技術の停滞は、市販車と言う末端にまで及んでいたのだ…。


 そして三つ目の(マネーゲームへの参入)だが、とは言えレースではともかく、市販車の性能は相

変わらず相対的には高く、自社のクルマを使った“ワンメイク・レース”というビジネスモデルを発明

した事等もあり、故に市販車はソコソコ売れており、更に技術開発依頼費やそれに関わるパテント

料の収入等もあって、ポルシェ本社は当時では珍しく、“無借金経営” を誇る、≪超≫優良企業で

あった。

 しかし、この状況故に、ポルシェは経営上2つのミスを犯す事になる。

 一つは、アメリカに目を向けた販売戦略をとったという事。今では常識だが、1国に販売先を集中

すれば、リスクも発生するのだ。つまりその国の経済が傾いたら、道連れになるのである! その

典型が80年代の膨大な貿易赤字に苦しむアメリカであった。空洞化と言う名の、国内の製造業の

減少。多発する労働争議による生産効率の低下etc・・・。

 この国内製造業の衰退は、すなわち豊かであった購買層の減少を意味する…。


 1990年代前半、当然ポルシェは、この最大のマーケットでもある米国での販売不振により、赤字

が拡大し、経営難をささやかれる事になる。しかしこの時は、起死回生とも言える低価格のロード

スター、“ボクスター” を投入、翌年にはデザインと設計を全面的に一新した911(タイプ996)を投入

した効果により販売が好転。2003年にはポルシェ初の5ドアSUVである “カイエン” を投入する事に

より業績はV字復活する。が、この時の手法が、突出した技術力によるモノでは無く、徹底した “コ

スト削減” によるものであった事は、今でも痛恨事として私の小さな胸の中に棘を残している。所謂

“日本車化”の始まりである。それはつまり、なるべく安い材料で加工工程を減らして造って、物凄く

高く売るという、“普通”の製造業の姿勢である。普通のメーカーならイイのである。しかし、ポルシェ

がソレをしてはいけなかったのだ!

 結局、会社を大いに潤させたこの日本式手法に味をしめたポルシェは、更にコスト削減を追求し

利益を上げたその資金を、自社の設備投資に回す事なく、2つ目のミスである、≪マネーゲーム≫

や、≪パワーゲーム≫に投じてしまう事となる…。


 この頃を前後して、ポルシェに“ちょっかい”を出してきたVWに対し、天狗状態のポルシェ社は、

逆にVW社の株式の20%を取得した。更に2008年11月時点で持ち株比率は約43%となり、事実上

同社を傘下に収めたのだ。その後も、金融機関から必要に応じて株式を追加取得出来る権利も

含め、約75%まで買い増す方針であったが、やはり前出と同じ国から発生した、あのサブプライム

ローン不況によって資金繰りに行き詰まり、逆にVWがポルシェを買収する形で、2011年半ばを

メドに経営統合される事になる。そして2012年8月1日に、VWが全てのポルシェ株式を取得し、長

らく独立独歩で栄光の道を歩んでいたポルシェが、VWの “完全子会社” となったのは、周知の

事実である…。


   つづく
ブログ一覧 | ポルシェ | クルマ
Posted at 2014/09/02 06:00:30

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この記事へのコメント

2014年9月2日 7:34
問題は、其処なんですよね。

Fもそんな路線を走っておりますし
まさかのLまで・・・
アウデイもなるべく介入せずを願いますが、どうなんでしょう?
コメントへの返答
2015年7月23日 20:02
壊れないのに越した事はないのですが、
スーパーな部分が、スーパーでは無くなって
しまった瞬間から、只の高性能車となり
下がってしまう寂しさは、何とも言えません…
ムルシーまでは、アウディと言えども征服
出来なかったようですが、流石にアヴェに
なってからは、あのLの毒が薄まった様に
感じております(><)

でも個人的に、ウラカンは欲しい!(自爆)
2014年9月2日 18:44
うーむ、いつもながら良くご存知ですね。
読んでいてつくづく感心します。

だってだってだって〜お魚屋さんだったのですよね〜Σ(゚д゚lll)マジ?
コメントへの返答
2014年9月3日 12:22
いえいえ、お茶屋ですよ!(^^)

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犬、クルマ、バイク、食べ歩き等で常に忙しい休日を送っている、渋谷生まれの代々木育ち。でも今は川崎(笑) 遊びの資格を、結構持っているので(スキューバ、ボート、ス...
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