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2013年08月18日

最高峰のF1マンガ「赤いペガサス」とモンスターターボマシンBMW3.5CSL

最高峰のF1マンガ「赤いペガサス」とモンスターターボマシンBMW3.5CSL 皆さんご存知のドラマ化され大ヒットしたマンガ「仁」(現代の医者が江戸時代末期にタイムスリップするマンガ)の作者、村上もとかのデビュー2作目が紹介するF1マンガ、赤いペガサスです。(右の画像をクリックするとAmazonの購入サイトへ飛びます)

1977年シーズンのF1をリアルに描いたF1マンガの最高峰なのですが、なぜかクルマ好きのお友達に話しても知らない人が多い。ボクだってガキンチョの頃ですが、当時F1が富士で開催が始まり、多分「いまだ!」ってことで始まった企画だったんでしょうが、村上もとかさんのモータスポーツの知識は素晴らしく、編集者に無理矢理入れられたであろうありえないドラマも多々ありますが、最高峰のF1マンガに仕上がっています。しかも当時のドライバーやチームが実名で出てくるところがスゴイ。ぜひ皆さんにも読んで欲しくてこのブログを書きました(^^)

物語の始まりはおそらく、1976年の世界メーカー選手権(World Championship for Makes)シルエットフォーミュラと言われたGroup5のカテゴリ。Porsche935 と BMW 3.5CSLがガチで戦ったシーズンです。主人公のケン・アカバが駆るマシンが当時ストレートシックスにツインターボで800psを絞り出したM49エンジンを搭載したモンスターマシンBMW 3.5CSLです。当時のF1の主力エンジンフォードDFVが520psだった時代ですからどれくらいスゴイかわかるでしょう。

Mモデルは無かったけど、当時からMカラーはありました。BMW 3.5CSL

話はズレますが、ボクのBMWの印象はこの3.5CSLです。軽量ボディにターボでとてつもないパフォーマンスを出すクルマがBMWだと思ってました。BMWって言うとNAのエンジンって皆さん思っているでしょうけど、実はNAは結構最近の話なんですよ。今後また先祖帰りでターボに戻っていきそうですが当時の凄さを感じさせるエンジンは出てくるのかな?
1970年半ば米国のIMSAなどではBMW 3.0CSLがダントツで強かった時代が続いていました。ポルシェはPorsche934を投入しても敵わず、この1976年はヨーロッパで世界メーカー選手権のテコ入れがあり、モンスターマシンGroup5のカテゴリでモノホンのモンスターPorsche935を投入します。935は1976年のルマンでGroup6カーを抑えて予選3番手、決勝4位でゴールします(優勝はGroupe6のPorsche936)。これほど気合の入ったポルシェ相手に1976年の世界メーカー選手権で一歩も引かなかったのがBMW 3.5CSLなんです。ポルシェはドライバーにJ.MassとJ.Ickx(ヨッヘン・マス、ジャッキーイクス)のF1ドライバーを配する盤石の体制で1,2戦を制します。ところが3戦目シルバーストン以降4,5戦をBMWが制する(ツインターボマシンはパワーありすぎでポールポジションは取ったりするんだけどギアボックスやドライブシャフトが壊れて完走出来ないので、たった320psのNA3.5CSLでモンスター935から勝利を掴み取る)というたまらない展開でしたが、それ以降はポルシェに敵わなくなってしまいました。

1976年のディジョン6時間でポールポジションを獲得したBMWアートカー カラーリングの3.5CSL ドライバーはF1ドライバーのロニーピーターソン。背後に迫る F1ドライバージャッキーイクス駆るPorshe935。(このあと3.5CSLはドライブシャフトのトラブルでリタイヤ。優勝はPorshe935です。この時の3.5CSLのポールタイムは1.05.23で1984年のF1でアランプロスト(マクラーレンMP4/2)が記録したレコードタイム1.05.257よりも速いタイムだった(^_^;)

ちょっと横道に話が逸れすぎましたが、主人公ケン・アカバが1976年シーズンの世界メーカー選手権を戦って、数年のブランクがあってF1にデビューする設定で、F1のシーズンは1977年ですから設定上ここには矛盾がありますね。

さて1970年台後半のF1は毎レース様々なマシンとドライバーが優勝するエキサイティングなものでした。ティレルの6輪車あり、ロータスが名車78と79のグランドエフェクトカーでかつてないほどのダウンフォースを生み出し、それに対抗してブラバムのゴードン・マーレイが表面冷却マシンBT46や、エンジン後部に空力ファンを設置してマシン下部に真空状態を生み出しダウンフォースを得るファンカーBT46Bを出したり、1977年ミシュランがF1のタイヤをラジアルタイヤ化したとか、もう毎月何かが起こる何でもありの面白い時代でした。

デザイナーのゴードン・マーレイがなにかやらかしてくれる
大好きだったブラバムBT46 これはBT46Bファンカー


ドライバーもニキ・ラウダ、ジェームス・ハント、マリオ・アンドレッティ他、ジョン・ワトソン、ロニーピータソン、カルロス・ロイテマン、ジル・ビルニューブ、ジョディ・シェクター、ジャック・ラフィーと名ドライバー揃いです。特に1976シーズンでは9戦5勝していたニキ・ラウダがニュルブルクリンクノルドシュライフェでクラッシュ炎上、大やけどを負ったにも関わらず、一ヶ月後のモンツァで復帰、最終戦(日本)までマクラーレンのジェームス・ハントとタイトル争い(実際には雨中のレースを危険と判断し自分でリタイヤ)をした稀有のシーズンでもあります。当時F1は死亡事故も珍しくないまさに命をかけたレースだったと思います。

ニキ・ラウダ駆る、F1 フェラーリ312T2 1977

この最高に面白いF1の時代、架空のサンダーボルトエンジニアリングがF1に参戦し、ドライバーには日系英国人のケン・アカバ。どんな物語が語られるのでしょうか?
物語のエピソードは実話がベースになってるものも多く、例えばクラッシュ炎上した同僚をマシンから助けようとするエピソードは1973年のWアメリカGPでマーチのウィリアムソンが焼死した実話から書かれています。
このマンガ、1シーズンにマシンが4回フルモデルチェンジするとかちょっとおかしなとこもありますけどそれは目をつぶるとして...そしてちょっと今からすると古すぎる話かもしれませんけど、これほど物語性のあるF1マンガは他に無く、お金が全てを決める今のF1ではなく、メカニックのアイディアと熱かったドライバーのF1時代を知るためにもぜひ読んでいただきたいマンガです。
コミックスは文庫版も絶版になっており古本で購入するしかありませんが、AmazonではKindle版など電子版が出ておりこれで読むのもオススメです。

なんかF1マンガの話なのに、導入部のBMWの話が多すぎますね(^-^;
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Posted at 2013/08/18 15:28:40

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この記事へのコメント

2013年8月18日 16:00
赤いペガサス、暗くて好きでした。
先日、続編があるのに気付きましたが、F1ブームにあやかってのものだったようで購入を見送りました。
あまり森高千里にTVに出て欲しくないのと同じです。←同じか?
コメントへの返答
2013年8月18日 16:10
暗いのが好きなんですか(^-^;
続編と言うか、赤いペガサスII 翔はまったく違う人のマンガですよね。村上もとか原作になってるけど、本人はまったく関わって無いんじゃないかなぁ。
森高千里がTVに出てほしくないのはまったく同意ですが、全然違う理由と思います(@_@。
2013年8月18日 16:30
こんにちは。

少年サンデーで掲載時に読んでいました。
とても面白かったと記憶しています。
ボンベイブラッドとか言う特殊な血液型で事故を起こすと大変な目に遭ったような。
他のチームのパイロットが自分のマシンを使って空港から病院まで一般道を血液を運んでたすけるとか・・・
妹がいて、チームメートのペペと結婚して生まれた子供が翔だったかと思います。
コメントへの返答
2013年8月18日 16:39
IIの話はどうでもイイですね。原作の良さが全く無いもの。

ボンベイブラッドの設定とか引きずってるだけで、新作の意味は出版社の単なる金儲け企画って感じでした。

書きたいのなら村上もとか自身が書いたはずなんです(-_-;)
2013年8月18日 16:34
自分の時代ですと赤いペガサス2・・・90年代のF1の話になるんですよね。
90年代のターボエンジンと言えば、BMWはフットワーク・アロウズに4気筒ターボを供給したりしてましたし、アルピナもターボ全盛だったと思います。

個人的には2002turbo が好きですね。
コメントへの返答
2013年8月18日 16:45
2はダメです。セナプロ時代に儲けたかった出版社の企画ですからね。

確かにF1のターボ時代には良いエンジンもBMWから出てましたが、エンジンだけってのはつまらないです。

2002もいいですけど、ボクはやっぱり3.0CSLですね。ストレートシックス信者じゃないけどやっぱりその後のBMW作ったのは3.0Ci CSLだと思ってます。

でも時代は再びBMWを4気筒ターボに戻してきてますよね。
2013年8月18日 17:47
うゎー懐かしい。
持ってますよ。どこかのダンボウルの中に。(汗)
ケン・アカバ、ボンベイブラッドの持ち主でしたね。
ブラバムのファンカー、すごいこと考えた車でした。
コースオフした時の砂煙は、すごかったです。(笑)
AVONタイヤも懐かしい。
コメントへの返答
2013年8月18日 18:37
オリジナルのコミックスあるんですか?素晴らしい。ボクは実家にはあると思うんだけど捨てられてるかも(^-^;

AVONは今でも過去のレーシングカー用のタイヤを作ってくれるメーカーとして貴重な存在ですよ。このBT46Bの写真は比較的最近の写真なんじゃないでしょうか?レースしてた時ならグッドイヤーを履いてるはずですしね。
2013年8月18日 22:44
めっちゃ懐かしいです。
中学生の時にコミック買ってました。
ちなみにBMWって1巻の始めにチョコッと出ただけだった記憶があります。
これで事故して、フラットボンベ(・・でしたっけ?)だからレースをいったんはなれたと記憶しています。

初めてF1にブリジストンタイヤが導入されたのも「赤いペガサス」だったかと・・・(笑)

雨が降ったら後のスタビライザーを外すんだ!・・・でスタビライザーって何?
そんな事に中学生で関心を持ち、この年になってもその事を覚えているつとやんてやっぱりヘンですよね(^_^;)

実家にコミック残ってないかな?
一回探してみよう(^O^)

で、さりげなく入っている次車のティーザー(^_^)v
イイ出会いがありますよに!(祈)
コメントへの返答
2013年8月18日 23:25
つとやんさん、こんばんは(^-^)ゝ

スゴく良く覚えてらっしゃいますね。ほぼその通りです。

ブリヂストン「ヂ」ですよ。
F1タイヤの件は実際のF1のほうが早くて、1976年日本初のF1グランプリ(富士スピードウェイ)で使われました。クルマはティレル007フォード。 ドライバーは星野一義。開発期間3ヶ月で作った、初めてのF1用タイヤでした。
http://mshistory.bridgestone.co.jp/prologue/1960-1970/#1976

さりげなく入っている次車のティーザーって何です?(._.?)
2013年8月18日 23:54
ブリジストン
・・・・・またやっちまいました(^_^;)
誤植申し訳ないです。

でその、ブリヂストン
あの第1回大会で雨が降って星野が頑張ったヤツですね!
あのときってBSタイヤだったのですか!(シラナカナッタ)
たしか小学生の時、同級生の家でLPレコードで聞きました。
(当時ビデオもなく、同級生が勝ってもらったF1日本グランプリの解説のLPレコードがありました)
ヘンな小学生でした(笑)

>さりげなく入っている
申し訳ない!つとやんの文章読み間違いです。

>今後また先祖帰りでターボに戻っていきそうです
をthreetroyさんの事と勘違いしてました。
ご勘弁ください。


コメントへの返答
2013年8月19日 0:05
あはは、ボクはS2000以降ブリ痔ストンタイヤは履いたこと無いアンチです(^-^;

そうそうあの雨の3位走行はブリヂストンタイヤによる走行だったのですよ。

昔のF1ってTVだとTBSが不定期で番組やってたんですよ。1976年の初開催から、1986年くらいまでですが...

えっ?4気筒のBMWで欲しいの無いなぁ。E89のZ4が4気筒ターボだけど...
2013年8月19日 1:55
初コメントを失礼致します。

御指摘の1970年後半から80年前半にかけては成功したものやうまくいかなかったもの合わせデザイナーのアイデア が実際の形になって登場する大変夢が有り デザイナー 冥利につきる時代だったと思います 。

1976 年のラウダ と ハント のタイトル争いを描く 「 RUSH 」 という映画が今後公開 ( 日本では2014 年予定)
され 、 フェラーリ312T2 、 マクラーレンM23 、 タイレル P34 といった実車も登場しますのでこちらも楽しみに感じています。
コメントへの返答
2013年8月19日 9:52
sulusumi-jpsさん、コメントありがとうございます。

RUSHはボクも楽しみにしている映画です。日本の公開は遅くなってしまうので、秋に出張があれば見てこようと思ってます。
1976年のシーズンはハントは2回優勝失格でスペインGPはその後認められたが、UKではラウダに優勝を取られる。そしてラウダはドイツGPでクラッシュ炎上、そして奇跡の復帰と波瀾万丈なシーズンでしたし、二人が意外に仲良かった人間模様も含めて期待の映画ですね。
タイレルP34当時ティレルはタイレルでしたね。日本GPでは実写にひらがなでたいれるって書いてあって笑いました(^-^;
2013年8月19日 17:04
こんにちは。

私もこの漫画は好きで、
このコミックだけは処分せずに持ってます。
久しぶりに読み返したくなりました〜
コメントへの返答
2013年8月19日 20:39
daisan.さん、こんばんは
コメントありがとうございます。

そうですか~
ぜひ探して読み直してみてください。
ボクは結構感動しました(^-^;
2013年8月19日 21:17
これ読んだことない
ブックオフで探してみよう(^-^
最近「F」を読み返しましたが、こっちのほうが面白そう。
コメントへの返答
2013年8月19日 21:33
赤いペガサスは 孤高の名作です。
ぜひ探して読んでみて下さい。
「F」ですか~F1マンガとしては比較にならないと思いますよ。
2013年8月21日 22:52
いつか電子版で読んでみますね。(車に興味を持ち始めたのが最近なもんでして、あとレースには今でもそれほど強い関心は無いんです)
私は森高千里、ぜひ今テレビに出てほしい人です。
コメントへの返答
2013年8月21日 22:57
森高大好きですけど、hirofooさん同様今の森高千里をTVで見たくないです(^-^;
ハイビジョンの大画面では、やっぱり泣けてきます。とってもキレイなんですけどね。でもね...(+_+)
2016年5月17日 8:45
ちょうど、スーパーカーとか漫画「サーキットの狼」とかが流行り、タミヤが電動ラジコンのポルシェ934を出した頃ですね。 僕も中学生ながらスーパーカーの雑誌や電動ラジコンを買ってハマっていました。 もちろん赤いペガサスのコミックも。 村上もとか氏の「熱風の虎」というコミックも秀逸でした。
コメントへの返答
2016年5月17日 10:14
bmw4395さん、コメントありがとうございます。
ボクも電動ラジコンにハマってましたよ。レース用のポリカボディもこだわり塗装したりして。
モータースポーツもまだまだおおらかでいい時代だったと思います。

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