

突然何の前触れもなく
VANOSの故障からエンジン故障、オーバーホール修理が必要となっているボクのZ4Mですが今日ヤナセBMWのサービスセンターでバラしたエンジンを確認してきました。正確に言えばVANOSユニットの故障ではありませんでした(すいませんアイシン精機さん<(_ _)>)原因は下記に書いていきますが、ほとんどの車両が2006年の同時期に作られているZ4Mのユーザには結構怖いものです(^-^;
Z4Mの価値はこのS54B32エンジンにあり、ボクもS54エンジンを買ったようなものとわかったようなことを言っていましたが、いざ壊れてみるとすげー高い。確かにボクの経済力で無理矢理やっと買える(新車購入です)車両価格。多分ボクが所有できる最高のエンジン。なんとか直したいのですが、出てきた見積が...
シリンダーヘッドAssy交換+追加損傷部等交換¥4,150,000-(部品代:¥3,660,000 工賃:¥490,000)
キビシィーてか、もうムリ?
本日、ヤナセBMW池上サービスセンターに、分解されたエンジンの損傷を確認するため行って来ました。ここは自宅からはヤナセBMW太田支店より近いのですが、交通の便が良くなくて結構歩くんです。暑かったなぁ...(^-^;

このサービスセンターはかなりの規模の工場です。最新の設備を備えています。
さて、バラした部品を並べてもらいました。

写真の一番上がVANOSユニットです。ここは壊れていません。壊れたのは写真中央のインテーク側のカムギアとVANOSとインテークカムシャフトを固定する部品のボルトでした。
S54ユーザは下の写真を見て泣かないように!ボクは泣いた(T_T)
上記の部品を裏返すとこうなります。 なんじゃコリャ~

ボルトが... 6本とも破損しています。こんなことって...あるの?
あったんですねよね。ボクのS54に トホホ...(T_T)

全てのボルトが壊れています。せん断と言って、挟み切るように、物体や流体の内部の任意の面に関して面に平行方向に力が作用してネジが切れてしまう現象です。実際にはこのボルトってもっと長いものなんですよ。

ネジ山も無くなっていますね。ネジの軸が無くなっても頭部はインテーク側カムギアとVANOSユニットにサンドイッチされた状態で固定されているので残っているのです。

カムシャフト側にネジの破片が挟まって残っていました。

今回のエンジン故障の直前にディーラーでオイル交換した時は、オイルは正常で鉄粉などは確認されていません。なのでこのボルトの破断は東京から福島まで走った300Kmで一気に6本のボルトに不具合が起こったと考えられます。
また、ネジがこうなるのは強度設計が悪いか、製造上の不具合としか考えられません。Z4Mってのは2006年のある時期にほぼ全てを作っているので同じロットのネジを使っている可能性が高いのでかなりヤバイですね。
BMW Japanは新車保証が切れると全く対応してくれない(まぁ他も一緒でしょうが)そうですが、一応クレーム入れてくれって言ってあります。ダメもとでBMW Japanのカスタマーセンターにも高速道路走行中のエンジン停止と言うクレームを入れたんですが、「お気の毒でございますが」の連発で受け付けようとしませんね。これも基本どこの自動車メーカーも一緒なんですけどね。

ヘッドを外しただけではここまでしか見えませんからこのボルトの状態は、VANOSを取り外さないと確認できないのです。

この辺の構造はSACLAMのWebに詳しいです
写真をクリックするとSACLAMのS54組み立てのページが開きます。
http://www.saclam.com/bmw_kakou/04m3_construction/01m3_kakou_construction.html

ここがVANOSが装着されるスペースとなります。

VANOSの構造です。右上のインテークカムシャフトとを繋ぐボルトが折れたということです。

カムシャフトが回らなくなったため、インテークバルブがピストンに衝突し、曲がったインテークバルブ。そしてそれに伴う部位も損傷。
結果、まとめるとS54エンジンが壊れた原因は下記になります。
タイミングチェーンによって駆動される“インテークVANOSギアユニット”を、カムシャフトに接続する為の6本のボルトが破損し、インテークカムシャフトが回らなくなった。
エンジン内部には、VANOS部の飛散した破損部品の破片や、鉄粉なども多く確認。
VANOS部の破損による二次的な影響として、インテークカムシャフトが回転出来ない事で、インテークバルブがピストンに衝突し、インテークバルブの曲がりや、それに伴う部位が損傷。
これを修理するために、損傷部品単位で積み上げていくと下記の見積もりになるわけです。
シリンダーヘッドAssy交換+追加損傷部等交換¥4,150,000-(部品代:¥3,660,000 工賃:¥490,000)
しかもブレーキローターやパッドも交換時期ですし、オルタネータや燃料ホース、O2センサーなども換えたほうがいいので500万コースです。
エンジン換装も考えて、いろんなショップに聞いてみましたが、S54をしっかり直す自信があるショップはなく、海外からの中古エンジン取り寄せも「責任取れない」と言うことでオススメできないと言われました。
RealOEMのZ4Mのエンジンを見ていると、コンプリートエンジンは生産終了ですが、ショートエンジンというのが書いてあります。ヤナセのメカの方からもショートエンジンなら安くなると言われてましたが、このショートエンジンってのは上の絵の1の部分なのだと思っていたのですが、今日ヤナセで聞いてみたら「補機類を含まないエンジン全て」とのこと。
「え?じゃぁエンジンはまったくの新品になるってこと?」
「ハイ、そーですね」「M社で組み立ててそのまま送ってきます」
「じゃぁ、それ買います!」
決定です。再びS54を慣らしから乗れるんです。
価格はショートエンジンそのものは、¥2,334,150-ですが、その他もろもろ必要なので300万円近くにはなるでしょうが、S54が新品になるなら価値あるなぁと思っています。ケチった修理をしても元通りになる保証はありませんしね。
あとは、S54はM社による完全注文生産でバックオーダー多数と言う状況ですね。
いつZ4Mに乗れるようになるのやら。BMWのN系のノーマルのエンジンなら一ヶ月くらいでショートエンジンは入るそうなんですが、Mのエンジンはちょっといつまで掛るのか...とヤナセのメカも言葉を濁します...
これで方針は決まりました。やっとZ4M復活に向けてスタートです。
S54はオーバーホール修理はせず、新しいエンジンに換装することにしました。
明日からカップラーメンで生活する予定ですがね...(^-^;
エリーゼCRも魅力的だったんですが...(今でも欲しい)エリーゼ買うよりは半額以下で済むわけで、甲斐性無しはアカンねぇ~(^-^;
VANOSユニットとカムシャフトを接続するボルト破損について詳しく書かれているタイオガさんのブログは下記URL
マフラー交換をすると(VANOS)バノスが壊れる? 続編! (z4mクーペ)
http://blogs.yahoo.co.jp/tioga24ft/34301023.html
続きはこちら(^-^)ゝ
Z4M S54エンジン故障原因のM6X16フィリスターヘッドスクリューについて(たった一個231円のボルトだけど...)