お友達の
ナガヤス@RS-Ltdさんが、NAロードスター用のこだわりのマフラー製作を企てておられるようで、その記事から刺激を受けたので、エキマニに付いてチョット書いて見たいと思う。
皆さんはどんなエキマニが高性能なエキマニだと思いますか?
「そりゃ、装着時に排気ポートとの段差が無くスムーズなカーブで緩やかに集合部分に導かれ、熔接のバリなどが内部に無く、薄くて軽くて、しかも振動で割れたりしないのがイイに決まってるやん!」
きっとこんな返事が返って来ると思います。
じゃ集合部までの形状は、4-2-1タイプと4-1タイプではどちらが良いの?
「4-2-1タイプはどちらかというと低中回転に有利で、4-1タイプは高回転時に有利だから走り方によるな。」
と、雑誌の記事か何かで仕入れた知識で、さも知ったような顔して答えるかな。(^o^)b
実際のところはどうなんだろう?
期待してして読んで下さった方には申し訳けないが、私はハッキリとは説明出来ない。
なぜなら、そんな簡単にスパッと言えるならメーカーさんもチューナーさん達も苦労はしない。
何故なら個々の走行状況や仕様などの様々な要因が複雑に絡み合って、排気の流れを決めるからだ。
極端な話、エアクリーナを社外品の物に変えただけでも吸気抵抗が変化し、吸気マニホールド内の流速が変化する。
そうすると混合気の充填効率も変化するし、排気の流速にも影響してくる。
そして回転数によって各シリンダから排出される排気ガスの量も圧力も変化するので、排気管内の排気の脈動 (排気管内の排気は一定圧力ではなく、排気バルブの開閉によって粗密を繰り返している) も変化する。
まぁ、文章で書いてもあまりイメージ出来ないと思うのでちょっとマンガで説明しよう。
上の図は、1番の排気バルブが開いた時のイメージ図です。
一番シリンダの排気バルブから排出された排気ガスは、圧力を徐々に緩めながら集合部分を通ってエキゾーストパイプに導かれて行くのですが、同時に他の2番、3番、4番シリンダのエキゾーストマニホールド内にも圧力は入って行こうとします。
しかし、各シリンダの排気バルブは閉じているために、排気の圧力は跳ね返り集合部分に流れて行きます。
そして1番シリンダの排気バルブが閉じ、次に3番シリンダの排気バルブが開くと、エキゾーストマニホールド内に排気が出始めて、今度はその排気圧力が同じように各シリンダの方に向かって圧力を伝えます。
排気の脈動は、うまく設計することで粗密を繰り返す圧力が他のシリンダに排気を吸い出す作用をするので排気の効率が上がります。
逆に排気が干渉し合った場合、出ようとした排気を押し戻すような形になり排気がスムーズに排出されずシリンダ内の圧力が下がり切らず、吸気も十分に入って行かないという場合も考えられます。
4サイクルエンジンの場合、吸気抵抗、排気抵抗などでシリンダ内への混合気の流入に遅れが出るので、その分を見越して排気バルブが完全に閉じてから吸気バルブが開き始めるのではなく、まだ排気バルブが完全に閉じ切らないうちに吸気バルブが開く設計になっています。(これをバルブオーバーラップと呼びます)
「マフラーを太いのに変えたら低速トルクが無くなって街中で乗り難くなった。」
という話をよく耳にすると思いますが、これはオーバーラップの時に排気側の抵抗が減少したために、吸気が吹き抜けてしまい充填効率が低下してしまうからだと考えられます。
しかし、高回転になると逆に充填効率が良くなり高回転の吹けが良くなったりということも有ります。
ですから一概にどの形状、太さのエキマニが優れているとは言い難く、それぞれに個性が有り、エンジンの仕様などでその性能を発揮出来るモノも有れば、逆にスポイルしてしまう場合も有るということなのです。
そして、それらはある程度の理論で計算上は設計出来る部分も有るのですが、やはり実際に作って試してみないと判らないというのがホントのところだと思います。
ついでに言うと、排気の脈動が干渉すると粗密の波が重なって増幅されるので、音の強さが変ると思います。
これらの説明は、私が思っているだけで、必ずしも正解かどうかは判らないのでそのつもりで読んで下さいね。
(^o^)b
Posted at 2009/11/04 06:32:23 | |
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