車もバイクも大好きだけどカメラも大好き。
・・・んな訳が無い。
美しい写真を観るのは好きだが、カメラは苦手だ。
先回のブログにも書いている様に私のカメラは古~い、コンパクトデジカメ。
その上、知識も無ければ技術も無い。
古いデジカメが悪い訳では無く、その機能を使いこなせない、私が悪いのだ。
・・・とは、言え、こんな私も一度はカメラを勉強しようと思った事がある(笑)
15年前のその当時、真面目に、と言うか、一生懸命、建築屋をしていた。
住宅展示会もしていたし、当然、チラシも撒いて集客していた。
ただ、その、チラシのデザインはデザイン会社に任せていたのだが、物件写真が気に入らなかった。
もちろん、そこのデザイン会社の専属のカメラマンが来るのだが、イマイチ、写真の出来が納得いかない。
何と言うのか、こちらの造った物件の「ここを美しく撮って欲しい。」とか「この部分を強調して欲しい。」等のこちらの想いが写真で表せていない。
作った立場のコダワリが表現しきれないのだ。
何か、ちょっとイライラしたりもして・・・、結果、自分で撮ってみようと考えた。
・・・でっ、当然、カメラを購入。
パッと見、一眼レフに見えるが、レンズは固定式。
15年くらい前のデジカメ。
当時としては結構高かったと思う。
・・・、でっ、知識も経験も無いし、カメラに詳しい人が廻りにも居なかったので、写真教室にでも通おうかと・・・。
・・・まっ、写真教室っても、絵画教室やヨガ教室と同等のレベルの教室。
よく、社会保険事務所かなんかで、安い受講料で地元の方が教えてくれる様な教室だ。
早速申し込みを済ませ、いざ当日。
時間少し前に教室に入ったのだが既に満席。
50席程の教室は全て埋まっている。
「皆さん何でこんなに早くから来てるの?」
そして、変な匂い・・・。
「何の匂いだろう。 ・・・、あっ、加齢臭。」
加えて、おしろいだとか、香水の匂い。
ちょっと気持ち悪くなったのだが、よくよく見れば参加者は全て、高齢者。
そりゃそうだ。
平日の日中、写真教室に来れる人なんて、こんなもんだ。
そりゃ、皆さん早くから来ていて当然だわ、っと、納得。
まぁ、廻りの参加者はどうでも良い。
私はカメラの技術さえ、マスター出来れば良いのだから・・・。
定時になり、教室の先生、登場。
何やら、参加者の方々がどよめき立つ。
私、写真教室の先生って、てっきり髭面の芸術家っぽいオッサンかと思っていたのだが、何と、現れた先生は和服を着こなす、女性であった。
しかも、他の高齢の参加者はどうも、この先生のファンの様子。
お世辞にも美しいとは言い難いが、年の頃なら40歳くらいのおばちゃん先生。
当時は私も40歳頃だったのでたぶん、同年代。
講義が始まり、先生の挨拶の後、出席を取り始める。
私の番になった時、その先生が私に向かって馴れ馴れしく手を振ってくる。
「何? 知り合い? 何で私に手を振るの?」
そして、何故か、クスクスと笑う廻りの参加者。
続けて、「はじめ君~。 久し振り~。」
誰だ? まったく、知らない人なのに。
廻りの高齢者共は更に嬉し気に、今度は声を出して笑い始める。
まったく、どこの誰なのか解らず、廻りの年寄りに何で笑われているのか、状況の掴めぬまま、固まる。
前から何度も言っているが、私は人を笑わすのは好きだ。
・・・、だけどね、人に笑われるのは嫌いだ。
似ているようで全く別の話しだ。
間を置いて「私、同級生、○○。」
・・・、やっと、状況が理解できた。
○○さんは、一年ほど前、地元の日本海新聞に連載投稿していた。
内容は、ジェンダーフリーに関する事。
そう、男子であった○○君は、今、女子の○○さんと成り、私とは先生と生徒と言う立場でここに出会ったのだ。
・・・、もちろん、こんな処で恋の花など咲く訳は無い(笑)
廻りの年寄りはそれを知っていて笑っていたのだ。
ちょっと、・・・いやいや、だいぶ悔しい。
・・・まぁ、良いです。
私はカメラの技術を習いに来たのだ。
初志貫徹。
今はおばさんの○○さんが、小学生の頃、仲良く遊んだ○○君だろうが、何だろうが、カメラの知識と技術さえ教えて頂ければ何の問題もない。
気を取り直し、レクチャーを聞く。
まずは、年間スケジュールの説明。
この一年間の授業の流れがレクチャーされる。
その後、「時間が余ったので○○先生の撮った写真のスライドを見てみましょう」と言う事に。
○○さん、いや、○○先生の作品が正面のスクリーンに次々と映し出される。
風景であったり、接写であったり。
まぁ、何と言うか、綺麗な写真を撮る人だと思った。
特に、色の表現が上手いと感じた。
ホント、プロの写真家って感じだ。
やっぱ、こう言う仕事している人は流石だなぁ、とっ、感心。
しばらくすると本人のセルフポートレイトになる。
なぜか廻りの高齢者どもがソワソワし始める。
なんと、本人のヌード写真が連続で流れ始める。
・・・、正直、これはキツい。
私自身ジェンターフリーと言うか、ニューハーフの方であったり、レズビアンの方に偏見は無い方だとは思ってはいる。
たぶんに、私の友人たちはそれをよく理解して居てくれている筈だ。
だけどねぇ、流石に・・・、これはキツい。
薄暗くした、室内。
そこのスクリーンに映し出される、元同級生、○○君のヌード写真。
しかも、既におばさんの域に達している。
何より、それを身を乗り出して食い入るように見つめ、尚且つ、呻き声を発する高齢者の群れ。
その様子を楽し気に、優越感を感じながら観ている○○君。(○○さんスイマセン、私にはそんな風に見えたのだ。)
いやいや、私の様な常人には付いて行けない世界だ。
カメラの知識も技術も習いたい。
1年分の月謝も払い込んである。
・・・、私は楽しいことが大好きだ。
しかし・・・、どうにも、この状況は楽しくは無い。
いやいや、こんな状況を楽しめてこその傾奇者なのだろうが。
私は本来、そんなケツの穴の小さい漢では無い。
しかし、今だけはケツの穴はきつく締めておきたい。
こんな場所でケツの穴を緩めていたら・・・。
たぶん、部屋の電気を消して、膝を抱えてシクシク泣かなくてはならない(笑)
・・・、結局、私は初回のレクチャーだけ聞いて2回目からは出席していない。
その後、○○君から、出席するよう、数度電話を貰った。
彼、いや、彼女も気を使ってくれていた様だ。
いや、逆に彼女を傷つけていたのかも知れない。
まぁ、どちらにしても、これ以降、私はカメラに関して勉強はしていない。
漠然と、上手な写真を撮りたいと思っているだけで、上手くなれる訳も無く。
・・・、とっ、また、いつもの様に、グダグタと長文になる。
写真と一緒で、この癖が治らない。
やっぱ、当面、皆様には下手糞な画像付き絵日記にお付き合い頂く事となりまする。