呆然と立ち尽くす私の姿を見たえりかが、
「ふ~ん」
という表情で話しかけて来た。
「その顔を見ると、どうやら御存知の様で・・・」
悪戯っ子の様な表情で私をチラリと見みながら、えりかが彼女の紹介を
始めた。
「ここみはね……」
えりかの話によると心美は、彼女の幼馴染という事だった。小さい頃はよく遊んでいたという…。
未だ固まっている私をよそに、私への紹介を一段落させると、彼女達は楽しそうに語らい始めた。
しかも時折最近の若いオナゴ達がよくする、イチャつく行為を見せながら…。
私は猛烈に羨ましかった、否! 私に向けてえりかのドヤ顔を見せられるにつけ、ジェラシー
すら感じ始めた。
「オイラも仲間に入れて欲しい! そして、あの美乳を揉ませてほしい!」
と本気で、切に思った(自爆) ふと見ると、心美のツレも私と同じ様な心境の様に見えた。この
ツレは、私を二廻り程大きくした正に大男だった。私と同じ様なジャージに身を包んでいたが、
その首は太く、また、僧帽筋はかなり発達しており、一目で何かやっているのが解った。故に
先入観も手伝ってか、なんとなく、“キラー・カーン”に似ていると感じた(笑) 手の指がすべて
揃っている事と、その目付きから筋者では無い事は何となく解ったが、しかし “カレ” なのか、
“ボディーガード” なのか、“パパ” なのか、はたまた本当の、“パパ” なのかは判断がつかな
かった(苦笑) と、私なりに推察していると、相手も同じように私を値踏みしている様だった(爆)
そして私と相手の目が合うと、「ふん!」というような表情で、お互いそっぽを向いた(苦笑)
長くなるかと思われた二人の再会だったが、数分後、えりかが強引に話を終わらせ感動の
再会は突然終わった。しかも、終わった途端、私の所に飛んできて、私の脇腹を、思いっきり
つねった!
「いててててって!! なーにすんの!」
突然の攻撃に思わず訛ってしまったが、えりかの眼は笑っていなかった。
「ず―――っと心美をイヤらしい目で見てたでしょ!!」
厳しい追及が、寧ろ私に反抗の態度をとらせる事になった。
「何言ってんだ!!・・・・・そ、そんなの、あ、あたりまえだろ!!」(自爆)
途端に、プー!っと膨れっ面になったえりかと暫く睨み合っていたが、その時、私の耳が、或る
語句が飛び交っている事に気がついた。
「おい! …シタ、…チ」
「え? 本当か! シタチチが…」
「な、なんだって! 下乳が見えるって!!」
私は眼光鋭く、声の方を向いた!
「し、下乳だと?!」
見ると視線の先に、今まで見た事の無い物凄い人だかりと、フラッシュの嵐が吹き荒れている
ブースが有った。
「何だ何だ?」
私はえりかそっちのけで、その人だかりに向かった。そしてその先に見たものは…。
というか、余りの人だかりで何が何だか解らないという、今まで経験した事の無い密度と熱気
とパワーが、この場を支配していた為、近寄る事すら出来なかった!
「コノ俺様が、割り込めない程の人混みって、一体!」
兎に角、腕を攣るぐらい高く一杯に伸ばし、闇雲にカメラのシャッターを切り続けた。そして撮った
画像を見て見ると…。
「こ、コレは、し、下乳なのか?!」
そこには、この様な公の場で見られる事の出来ない状態の娘が写っていた!
「し、下乳だ! 間違いなく下乳だ!!!」
私は俄然やる気が出て来た。脳内からアドレナリンが放出され、全身にパワーが漲る!!
「うおぉぉぉぉ!!」
既に怒号が飛び交う、正に真っただ中に突入した! カメラを掻き分け、腕を避け、体を入れて
迫りくる敵を突き飛ばし、何とか最前列へと躍り出る事が出来た! そこにはオートサロンの歴
史に残るであろう、素晴らしい光景が広がっていた!
「ウッヒョー!! う~ん、いいねぇぇ~!!」
無我夢中でシャッターを切りまくっている時、私はとても幸せな気分になっていた。
「グラビアのカメラマンや、AVのカメラマンって、こんな感じなんだろうな…」
一通り撮り終えると、私はそそくさと場所を譲り、人の輪の後ろへと下がって行った。直ぐにモニ
ターでチェックした。イイ画が撮れていた(笑) 私は思わずニンマリとしていたが、次の瞬間、股
間に強烈な一撃を感じた!
「うっ! ぐぐぐぐ…」
下を見ると、私の一物がムンズと何者かに掴まれていた! 恐る恐るその手の方を見て見ると、
そこには嫉妬で阿修羅と化したえりかの姿があった!
「もう! コン兄ィ! 許さないからぁ!!」
と、叫ぶと、増々その手に力を込めて来た!
「イッ! いててて……イ、イィィ?!」
私は不覚にも先程撮ったセクシー画像で、既に興奮状態になっていた(自爆) そこへ来て、正に
その興奮の中心部を若いオナゴに掴まれたのだから、更に大きく硬く元気になるのは自然の理
であった。と言う訳で寧ろ快感の部類に入り始めていたのだ!(核自爆)
「?……キャ!!」
ムクムクと手の中で大きくなる “一物” に気がついたえりかは、みるみる顔を赤く染め、思わず
握っていた一物を離した……。
数十分後、会場を後にした二人は、公園に停めていたフィットの中に居た…。
あれから思いっきり気拙くなった二人ではあったが、よく考えれば他愛無い嫉妬から来る、単なる
バカップルの営みだという事に気がつき、今は恥ずかしくもオカシナ笑い話へと昇華していた…。
「もー、コン兄ィったら、エッチなんだから!」
「お前、エッチじゃない男の方が変だろうが!」
「それはそうだけど…」
「じゃ、お前さん、エッチな俺が嫌いか?」
「…もー! コン兄ィの意地悪!!」
暫く睨み合いが続いたが…。
「うふふ!」
「あはは!」
車内は、あっと言う間に耳が痒くなるような軽い会話に包まれた(爆)
「うふふ! でも、コン兄ィ。 とても楽しかった! 今日は、ありがとね!」
「どう致しまして!」
二人は見つめ合い、軽い接吻をした。が、当然の様にその行為が、二人のハートを熱くさせ、更
にディープな接吻へと誘った。 が、その時!・・・。
ヌっ! っと、黒い物体が二人の顔の間に割り込んで来た!
「ふんふんふんふんふん!!!」
二人を引き離す事に成功した愚弟は、満足気に今度は二人の顔をゆっくりと舐め回し始めた(爆)
今日は、どうやら “ジェラシーの日” の様である…。
おわり!
※尚、オートサロンの模様は、愛車紹介ポルシェのフォトギャラリー内の
→ “
ココ” と、“
ココ” に、アップしておりますので、どうぞご覧下さい!
でわでわ!