猫の居る風景・・・ 76　御転婆娘の帰宅・・・

　　確かに前兆はあった・・・。

　　“クロ”が出奔する前日も、やはり

　いつもと違う面を私に見せていた。


　　そして、“ミーコ”も・・・。


　猫族が突然ワタクシに甘えだす時には何かが起こる。それは色々な結果を齎してはいたが、

その大半は余り良い事では無かった。

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　先月の或る日の朝、ふと目を覚ますとミーコが腹の上で喉を鳴らし私を見つめていた。



　余りにも、ジーッと私を見ていたので、流石に嫌な予感がした・・・

　案の定と言うか、この日からミーコの姿が消えた・・・


　しかし、勿論心配ではあったが、犬と違い保健所に捕まる事も無いだろうし、ミーコは

飼猫とは思えない程、ハンターとしてのスキルも高いので、キチガイや交通事故にだけ

気を付けて貰えば、1匹でも生きて行けるであろうと、自分の心を落ち着かせていた・・・。

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　　そして約一月半後にミーコは戻って来た。クロとは違い然程汚れてもおらず疲労感も

余り感じられなかった。　しかし、腹は減っていた様で、普段はあまり食べない“カリカリ”を

貪るように食べていた。


　でもよく見れば、何か違和感を感じた。特に左頬・・・

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　　改めて今度はミーコの好きな生タイプの餌をあげると、やはり貪る様に食べ始めた。

　その時、ミーコの左頬が目に入った。



　やっぱりと言うか、怪我をしていた・・・。

　　慌てて、いつもの動物病院へ行った・・・。

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　院長：「あっ、コレ、もう治り始めているから、このままでイイよ！」

　あっさり診断された・・・。

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　とは言え、やはりしんげん家で生まれた最初の御令嬢の帰宅は嬉しかった。


　もう兄弟達は皆居なくなったのだから、今や我が家の一人娘。余り心配かけるでないぞ！



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　取り急ぎ御連絡まで！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でわでわ！