
チャンチャチャーチャーチャーチャーチャーチャ~♪
チャチャチャチャ~チャ チャチャチャチャ~チャ…♪
それは台風により折角の練りに練ったバカンスの中止を
余儀なくされ、意気消沈している私の携帯から鳴り響いた
ドラクエの序章曲である“ロトのテーマ”だった。
「ん? ナンダ? 今日、何かあったっけ?」
全身が億劫になってはいたが、携帯を開き画面を覗くと、そこには“ドラクエ”の文字が躍っていた。
暫く、その文字を凝視していた私の体毛は、みるみる逆立って行った。
「イケネッ! 今日だったかぁ~!!」
私は文字通り飛び起きると、急いで身支度を整えフィットに駆け込んだ!
時を、3か月程前に遡る・・・。
気怠い午後の一時、何御気無に観ていたTV番組に、ドラクエの舞台を興行するに当たり、その
主人公たる“勇者”のオーディションの模様が映し出されていた。それは中々興味深い内容だった
ので段々観に行きたくなり、画面に映し出されていたチケット販売に喰い付き、その場で購入して
しまったのだ・・・。
それから3か月弱の時が過ぎた頃には、当然の様にワタクシの頭の中から≪その事≫は宇宙の
彼方へと消え去っていたのだ(自爆)
「そうか、“ビッグジャーニー”の日程を組む時、何故か
8月最後の日を空けていたのは此の事が有ったからだったな」
と、当日になって、ようやく思い出したのだ!
と言う訳で早速会場の横浜アリーナへとフィットを走らせた・・・。
過去にAKBの選抜総選挙が行われた日産スタジアムは、御存知の様に日本最大の“箱モノ”だ
が、その時は当然の様に少し離れた場所である新横浜駅周辺の駐車場すら全てが埋まっており、
とても大変な思いをしたのだが、今回はすんなりと会場近くの駐車場へクルマを停める事が出来た。
まあ、横浜アリーナのキャパを考えれば当然なのだが、チョット得した気分になったのは否めない。
と言う訳で、スグに会場へ向かうと、しかし人混みは流石に凄かった。
実はワタクシ、新横浜界隈はテリトリー内と言って良い程、比較的近い場所に有るのだが、横浜
アリーナの中に入るのはコレが初めてであった。しかしこの歳になって未知の体験をするのは中々
心地良い事だと感じ、チケットを握り締め入口へ向かった。
これまた当たり前だが、AKB関連のイベントとは違い、持ち物検査や身体チェックはそれほど厳し
くは無かった。が、場内は撮影禁止なのだ。その撮影禁止のプラカードを掲げたスタッフが場内の
アチコチをうろついていたが、これまたピリピリとした戒厳状態のAKB関連のイベントとは違い、何か
牧歌的な薫りすら感じた・・・。
さて、今回は奮発してアリーナ席を確保したのだが、結果的にはこれが大失敗だった。何せ奇を
衒った舞台設定と装置の為、メインの舞台上での演技がほとんど見えなかったのだ。これなら安い
スタンド席の方が遥かに見晴らしが良く、またメインステージも良く観えた事だろう。ならば音響だけ
でもと耳を凝らすと、これまた役者のセリフが同じスピーカーから流れ出る為、セリフを言っている
役者が今どこに居るのか判らないのと、ハッキリ言って個々のセリフが被った場合非常に聴き取り
辛く、また音楽も単調な感じは否めなかった。今やデジタル機器が非常に発達しているのだから、
その辺りの事は役者毎にスピーカーと声質を変えるかして、ハッキリと区別化をして欲しかった。
詰めが甘いとはこの事だろう。安い席ならそれも許容範囲だろうが、私の購入した席はアリーナの
結構良い席なのだから! しかし、それを上回る程の一番の失敗は…。
舞台を見るのに欠かせない必需品は、言わずもがな、“オペラグラス”であろう!
見かけによらず、結構舞台観劇が多いワタクシは、当然の様に観難い席だった事も計算内に入
っていたので、満を持して準備をして来た・・・筈だった・・・。
周りに迷惑が掛からない様に鞄の中をゴソゴソと弄ると、指先にオペラグラスケースが当たった。
よしよし! とばかりにソレをムンズと引き出すと・・・それは・・・折り畳み傘、であった・・・(核自爆)
「く、くそぉぉぉぉぉ!!」
舞台役者に負けないエネルギーを発し私は心の中でそう叫んだ!と同時に、
≪あの悪夢≫
が頭をよぎった!
これではアノ時から何ら成長していない自分に対し、自己嫌悪のみが頭の中でムクムクと成長
して来るだけだった・・・。
とは言え、勿論楽しむ事が出来た所も有る。それはモンスターの被り物をした、いわば実物大モン
スター達の姿である! 中でも“どろにんぎょう”は秀逸と言えるクオリティーの高さと愛嬌を辺りに
撒き散らしていた。故に、今回最大の盛り上がりを見せた、堀井雄二氏の登壇と同じくらいの盛り
上がりを見せたのは、運営に対する皮肉とも言えたであろう。更にはアリーナ席の端に位置してい
た為、スグ横が役者達の捌け口だったので、非常に間近で有名な役者やスタッフ達による次の出し
物の準備等が見えて、所謂“舞台裏”の光景は堪能出来たのが、せめてものメリットであったろう。
あとは、最後のカーテンコールが終わった後、捌け口に来た役者達とハイタッチを交わす事が出
来たのも、まあこの席のメリットであったと言えるかもしれない。まあワタクシは周りの熱狂とは裏腹
に少し冷めた眼差しを送っていただけであるが・・・。
ま、マリーナ姫に扮した“しょこたん”こと“中川翔子”へだけは自らハイタッチを求め、それに応じて
くれた事は付け加えておこう!うむうむ( ー_ー(_ _ (ー_ー(_ _ウムウム www
さて観劇も終わり、サッサと帰路に着いた・・・。
30分足らずで自宅に戻ると、しんげん家の姉弟ドモと戯れようと、興奮マックスの“坊(仮名)”を抱え
上げてモフモフし、クールに装ってる“お嬢(仮名)”を無理やり抱き締め其の超美形の顔にワタクシの
頬をスリスリさせ、そしてメインディッシュとばかりに、いつもの場所で寝ている一番きゃわゆいミーコ
の姿を見つけ、そしてこれでもかとスリスリしようとした時、私の手が止まった。
「・・・お前さん、そろそろ・・・目を閉じて・・・寝る・・・習慣を・・・憶えろよ」
相変わらず、“恐ろしい形相で”寝ているミーコの姿を見た私は、残暑が厳しい中、しかし背筋に
冷たい氷柱が立ち上がる感覚に襲われていた・・・。
さて、仕事仕事!
こうして私の短い夏休みは終わった・・・。
※尚、この日の模様は、愛車紹介ヤマハ PC28 フォトギャラリー
内の→
“ココ” にありますので暇な時にでも、どうぞご覧下さい!
でわでわ!