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2016年01月12日 イイね!

至福の一日・・XXⅢ 伊国車 後編

至福の一日・・XXⅢ 伊国車 後編
 「は? 今、何て言った?」

 「ですから、直噴エンジンは…」

と言い始めたので思いっきり遮り、逆に質問をした。

 「ちょっと待て! お前さん直噴の意味解って言ってる?」

 「それは…このクルマがダウンサイジングエンジンで…」

“赤耳のヒョロ夫”の目が一瞬泳いだのを見逃さなかった。

 「コイツは単なる知ったかの無知野郎だ!」

と、気付いたからに他ならない・・・。

 通常、ダウンサイジングコンセプトとは、自然吸気エンジンから小排気量の過給エンジンへの変更

することを指す事が一般的である。そのエンジンの小型化により、ポンピングロス低減による巡行時

の燃費低減・エンジン重量およびサイズの低減が図られているのだ。更に過給機付きエンジンの弊

害である、耐ノック性の悪化による燃費・出力低下であるが、ガソリン直噴エンジンを用いることによ

り、対策しているという事実がある。

 それはつまりアイドリング時にエンジンに大きな負荷が掛かるという事とは全く関係が無い!

 もしアイドリングに負荷が掛かってしまうのならば、そもそも走る事すら出来なくなるではないか!

 コイツの言っている事は、例えるなら、

 「立っていると、心臓に負担がかかるので、“寝たきり”になって下さい」

と言っている様なモノだ! 車は走る為の道具であり、走ってナンボの存在なのだ! それが走る事

はおろか、心臓も止まったままにして下さいと、クルマの死を宣告しているのと何ら変わらない無知

で愚かな発言なのだ!

 「だったら、後生大事に倉庫の奥にでも、しまっておけ!」

となるのが必然である。

 何度も言うが、このクルマは新車では無く、車検が残っているナンバー付の“中古車”なのだ!

 別にこれから、

 「ドリフト走行or最高速チャレンジをさせろ!」

と言っている訳では無い。ただエンジンが掛かるか、エアコンが効くかどうかだけを知りたかっただ

けなのだ! というか、新車でも無く、不動車でも無く、またビンテージカーでも無い車のエンジンを

かける事を拒否されたのは、長くクルマ社会に身を置いているワタクシでも初めての事だった!

 あの、コー〇ズや、ヤ〇セや、或いはミ〇ワのディーラーですら、その行為を、拒否された事は無

かったのだから…。


 ま、拒否する事自体は、其れほど大きな問題では無い。しかし今回の一番の問題は、その拒否

理由を“嘘”で解決しようという≪スタッフの姿勢≫なのである!

 「スイマセン、買いそうも無い客には、御遠慮して頂いております!」

とでも正直に言って貰えた方が、コチラとしては納得しやすい。または止むを得ず、どうしても嘘を

吐かなければならないなら、もう少し “マシな嘘” を吐くのが優秀な営業マンというモノであろう!

 これは、“浮気”についても同じ事が言える。

 普通、浮気をする場合、当たり前だが配偶者には嘘を吐く。勿論バレ無い様にする為だが、最近

は、開けっぴろげで戦術も立てず、愛人や配偶者へのアフターフォローも、雑になっている感がして

ならない!

 つまり、配偶者にバレない様に吐く嘘は、見方によっては良識な“マナー”とも言えるのだ…。


 と、世の良識ある家庭人の方々の顰蹙を買うと同時に、思いっきり話が逸れてしまったが、要する

に、“嘘も方便” な訳だ。

 納得のいく嘘なら、コチラとしても事を荒げる必要はそれ程感じないモノなのだ!

 然るに今回は、どう見ても相手を無能のモノと判断しての、御座なりの様な態度で対応した営業

スタッフなのだから、それ相応の報いは受けるべきである。

 と言う訳で、急遽 “赤耳のヒョロ夫” に対して、直噴ダウンサイジングエンジンのメリットの一つで

ある、“ポンピングロス低減技術”の講義を始める事にした…。


 講義に熱を帯び始めた頃、ふと“赤耳のヒョロ夫”を見ると、その目はこれでもかという位死んで

いた。恐らく彼の中で猛烈な後悔が湧き起こっていたのであろう。故にココは彼を楽にしてやろうと

私は大人になった。

 「で、まだ私の講義を聞きたい?」

 「いえ…もう…」

 「じゃあ、私に何か言う事が有るんじゃないの?」

 「…スイマセンでした」

 「ま、いいや…じゃ、帰るとするか!」

 「あ、あの、コレがキーですので、エンジンをかけて下さい!」

差し出されたキーを一目見たが、もう私の中でこのクルマに対しての熱は冷めきっていた。

勿論、クルマが悪い訳では無い。

 「いや、遠慮するよ!」

そう言って4Cから降り、フィットへと向かった。今度はオズオズと言った感じで付いて来た

“赤耳のヒョロ夫”が、

 「またの御越しをお待ちしております」

と、ため息が出る様なマニュアルトークをカマして来たので、コチラはマニュアルには無い

トークで返答した。

 「いや、もう二度と来ない」

と、ニッコリ笑って言って此の店を後にした…。


 何でも “試す” という事については、それが “試食” であろうが、“試聴” であろうが、“試乗” で

あろうが、最終的にモノを売る行為の一環である事には変わりがない。

 しかしココで、“モノを売る”という行為に於いて、とても重大なデーターが有るのだ。 それは…。

 “試食”や“試聴”した商品と、しなかった商品の販売数の差は、何と10倍に達している! 間違い

では無い、“10倍”なのだ! それはつまり裏を返せば、試食させなかった、視聴させなかった場合

売り上げの90%を失っているとも言える、非常に重大な事実なのだ!

 勿論 “冷やかし” もいるだろう。“基地外” もいるだろう。 しかし、それらはあくまでも少数であり、

そんな“少数派”の意見を前面に出しても何の意味も無い。というか、それを最重要顧客として経営

戦略を練ってはならないのだから…。


 ささくれ立った気持ちのまま帰路に向かうフィットを運転していると、ショボンと遠慮がちにコチラに

視線を向けている “坊(仮名)” の姿が目に入った。 流石動物と言うべきか、私の怒り具合を敏感に

察知している様だった。そんな表情を見ていると、みるみる心が洗われる様な感覚を憶えた。

 冬だが窓を全開にして車内の淀んだ空気を、ささくれ立った気持ちと一緒に一掃した。 すると、

“坊(仮名)” が、静々という態で、私の傍に寄り添って来た。

 私は“坊(仮名)”の頭を一つ撫でると、“坊(仮名)”が大好きな公園へ行くべく、ハンドルを切った…。



   おわり

  ※ 尚、この日の模様は、愛車紹介フェラーリ 328GTB/GTS の

         フォトギャラリー内にアップしておりますので、どうぞご覧下さい! 

               因みにスマホかPCであれば、→ “ココ” からでも御覧になれます!


                                                    でわでわ!
Posted at 2016/01/12 00:38:43 | コメント(7) | トラックバック(0) | スーパーカー | クルマ

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