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しんげん神奈川のブログ一覧

2012年11月18日 イイね!

振り向く暗闇の中にソレは居た・・・ “青い女”編 幕間狂言⑯

振り向く暗闇の中にソレは居た・・・ “青い女”編 幕間狂言⑯ 「…ま…ぇ…、まってぇ…、待ってぇ~!、マッテェ~!」

闇夜の中から伝ってくる声が、段々と大きくなってきた。自然と震え

はじめていた膝小僧を宥めすかしながらゆっくりと立ち上がり、その

声のする暗闇を見つめた。すると、声だけでなく薄く白っぽいシル

エットが見えて来た。その姿が何であるかを認識した瞬間、俺はひき

つけを起こしそうになった。闇夜の中を、涙と鼻水を垂れ流しながら

“彼女”が全裸のまま、こちらに駆けて来ていたのだ! そして“彼女”のその目は、瞬きもせず

俺の眼一点を睨み続けている。足がすくむ俺の胸に、ドンッ!と“彼女”が飛び込んで来た。

 「ゴメンナサイ!ごめんなさい!」

“彼女”は必死に哀願した。

俺は文字通り凍り付いた。実際に氷の様に冷えきっていた“彼女”の身体と、氷柱に寄りかかっ

ている様な冷たさに満ちた、俺の精神の支柱そのものがまるで共鳴するように、俺の肉体と心の

両方をこれでもかと凍りつかせる。いつの間にか俺の震えは全身に広がって行った。“彼女”の

哀願の言葉とは裏腹に…。

 「もう、馬鹿な事はしませんから、どうか私を見捨てないで!」

言っている事は殊勝だが、俺の震えが止まる事も無く、寒さもより一層強くなった気がした。俺は

ただ突っ立っていただけで“彼女”の方に目を向ける事もしなかった。

 「これからは、あなたの言う事を聞きます。だから、だから私を許して…」

冷たい涙を俺のYシャツに滴らせ、さらに俺の心を冷やす。しかしそれでも尚、俺の中に“彼女”を

受け入れる意思は芽生えなかった。

 「何でもするから、なんでもするから、お願い…」

それでも黙る俺だったが、そんな俺の態度に、微妙に“彼女”の態度も変化してきた。

 「これだけ頼んでいるのだから…」

 「……」

 「貴方も、いい加減、許してもいいんじゃない…貴方の為に一週間の休みを取ったのよ!」

“彼女”の眼が怪しい光を発し始めた。

 「それに…」

“彼女”の声のトーンが突然下がった。

 「アナタにレイプされたって、ココで大声で叫ぶわよ」

まるで腹に響くような重低音の声がの口から漏れだした。

 「な、何だと…」

俺は、精一杯の強がりを、辛うじて見せた。

 「もう一度言う。いい加減にしないと、私は…貴方を…ゆるさない!」

耳元でそう言って俺を恫喝した時、暗闇に光る“彼女”の瞳は、まるで青い炎が燃えている様

だった。俺は段々思考能力が落ちて来るのを感じ始めた。そう、あの、俺が俺でなくなる感覚。

全身から力が抜け、膝が落ちて行く。俺は“彼女”の前に跪き、いつの間にか俺が彼女に対して

許しを請う光景となっていた……。


 それから三日間、俺は会社を休んだ。いや、会社に行く事が出来なかった。それどころか、部屋

から一歩も出る事は無かった。厳密に言えば、ベッドから全く動く事が出来なかった。何故なら俺

の手足は、ベッドの四隅に括り付けられ、拘束されていたからだ。 酷寒の公園での一件の後、俺

の記憶は曖昧になり、気が付いた時、俺は自分の部屋で身動きの取れない状態に縛り上げられ

ていた。ボンヤリとしていた目の焦点がようやく合って来ると、無表情の“彼女”がベッド脇に全裸

で立っていた。キュンと胃の上辺りが縮み、自分の置かれた状態に、只々恐怖した。そんな俺の

表情を全く無視するように、“彼女”の無表情が変わる事も無かった。ただ拘束された俺を冷たい

目で見下ろしていた。俺の鼓動が段々と速くなる。が、視線を下にズラしていくと、今度は俺の脊髄

に氷が刺さった! 一気に全身から冷や汗が噴き出る。“彼女”の右手にヌラリと鈍く光る剃刀が見

えたからだ。思わず叫ぼうとしたが声が出ない! その時初めて自分の口に猿轡がかまされている

事に気が付いた。

 「う゛ー! う゛ー!」

声にならない俺の叫び声で“彼女”の顔に精気が戻って来るのが分かる。“彼女”はゆっくりと身を

屈め、俺の頬に鈍く光る剃刀をヒタヒタとなぞり始めた。ドット額から汗が噴き出す。

 「…君、怖いの?」

“彼女”は氷の様な瞳で俺の眼を覗き込むようにして囁く。

コクコクと猿轡された俺の顔が上下に振られた。

 「あら!…君でも怖い事が有るの!」

ホホホ!と“彼女”が楽しげに笑った。

 「そーねー…。もう二度と、私に対してあんな事言わないって約束する?」

俺は壊れたブリキのおもちゃの様にコクコクと頷くだけだった。

 「いいわよ、許してあげる……」

その言葉にホッとしたのも束の間、“彼女”の口から恐ろしい言葉が漏れた。

 「でも、でも、…君にも、私が味わった恐怖の少しくらいは味わってもらうわ!

     そう、貴方を失うという、これ以上ない位恐ろしかった事の半分は味あわせてあげる!」

そう言うと、剃刀を握る“彼女”の右手が、ゆっくりと俺の喉元へと向かって来た…。


  つづく
Posted at 2012/11/18 02:18:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | 私小説 | その他
2012年11月17日 イイね!

今日は大雨。されど心は・・・

今日は大雨。されど心は・・・  ただ今、青い女シリーズを執筆中です。

 もうしばらくお待ちくださいm(_)m

 という訳で、今回はお詫びの意味を込め

 サービスショットをお送りします!(爆)



  でわでわ!(追爆)
Posted at 2012/11/17 23:50:32 | コメント(4) | トラックバック(0) | | グルメ/料理
2012年11月16日 イイね!

今日はちょっくら買い物に・・・ 完結編

今日はちょっくら買い物に・・・ 完結編 “彼”は、その外観からは想像出来ないが、とても真面

目な男だ。誠実でもある。しかし、“彼”を慕うのは、オカ

マと動物くらいのものだった。如何せん、その風貌が、き

つ過ぎた。身長は180㎝以上あり、無精髭を生やし、体重

に至っては3桁を割った事が無いという体型だから致し方ないともいえる。しかも本人の思いとは

裏腹に、実際、武闘派ともいえる行動を衆人環視の中で度々披露もしていた。これでは人も余り

寄ってこなくなるのは当たり前の事だ。しかもそれが“うら若い女”ともなれば、寄って来るのは皆

無に等しかった…。


 そんな“彼”に春が訪れようとしていた。しかも相手はその滅多に寄りついてこない、“うら若い

乙女”と来ていた。“まゆ”と言うらしい若い女を、「俺のハニー」と言って私に紹介もしてきた。その

ように舞い上がろうとする心を、“彼”は懸命に抑えながら、大人の対応を続けていた。そんな“彼”

の表情は、しかし明るく輝いていたようにも見えた。恐らく“彼”は幸せなのであろうし、余りにも遅

すぎた春を満喫しようと必死に楽しんでいるようにも見えた…。


 そんな“彼”の表情が、或る日を境に突然曇り出した。聞けば、散々貢がされた挙句に、どうやら

連絡が取れなくなったらしい。“彼”が若い女に色々買ってあげていた事は、私も知っていた。勿論、

下心も有ったではあろうが、“彼”に関してはそれだけでなく、混じりっけの無い、純粋な相手を想う

思いやりが有った事も私は知っていた。しかし、ごく稀にではあるが“彼”に近づいてくる女性に、

“彼”の誠実さを吟味するつもりは最初から無い事は、周りから見れば明白でも有った。それでも

“彼”は相手に対し誠実な態度をとり続けた。これは仕事でも一緒だった。人の好い彼に、次々と

仕事を押し付けてくる同僚や上司。しかし、嫌な顔をせずに、実直に真面目に仕事をこなす“彼”。

さらに“彼”が徹夜続きで完成させた、その成果の殆ど全てを他人が横取りし、しかも“彼”に対し

て無能の烙印を押し続けるという不条理な環境の中でも、“彼”は仕事の質を落とす事も無く、常

に黙々と業務をこなしていった。“彼”とは、そんなヤツなのである。

 「自分が傷つくだけで済むなら…それでいいじゃないか」

或る時、私が“彼”にぶつけた疑問に対する、それが“彼”の返答だった。

“彼”は、たとえどんな相手でも、その相手を傷付かせる事は決して無い。まるで心優しいヒグマの

様な男だった…。


 そんな“彼”であったが、今回の落ち込み様は、今までになかった。メルセデスを買ってあげる等、

“彼”は貯金のほぼ全てをはたき、本当に結婚の約束までしていた事を後になって聞いた…。

 そんなどん底の状態であっても、“彼”はしかし、自分の性格を改めようとはしなかった。


 ある日、残業を終え帰路に着いた“彼”が、繁華街の或る角に差し掛かると、辺り一面にゴミが

散乱していた。どうやら酒に酔った若者達が暴れ回っていたらしい。眉間に皺を寄せる“彼”の視

線の先に、一人の老婆がヨロヨロと歩いて来た。恐らく足の弱いであろう老婆が、その散らかった

空き缶の一つに躓いて転びそうになった。“彼”は慌てて老婆を支えた。

 「ああ! ありがとうございます」

老婆は“彼”に心からの感謝の意を伝えた。“彼”は何も言わず、ただ優しい笑顔で老婆を見送った。

そして振り返り散らかったゴミをみて、徐にそのゴミを片付け始めた。またこのゴミで弱者が傷付

くのが、“彼”は耐えられなかったのであろう。

 「この酔っ払いが、ごみを散らかして人に迷惑かけてんじゃねーよ!」

しかし、進んでゴミを片付けている“彼”に対して、ひっきりなしに通りすがる心無い野次馬達が、

ロクに考える事も無く“彼”に罵詈雑言を浴びせる。中にはここぞとばかりに“彼”にゴミを投げつ

ける者もいた。そんな中でも“彼”は散乱したゴミを、黙々と片付けていた。

 「自分だけが傷つくので済むなら…それでいいじゃないか」

そう“彼”の背中は語っている様だった。そして綺麗になったゴミ箱を見ると、“彼”はようやく帰宅

の途に着く事が出来た。その様子を遠くから見つめる“影”が有る事に気が付かずに…。


 自宅近くのコンビニで、ささやかな夕食を買って店を出ると、外はにわか雨が降っていた。慌てて

近くに有る公営の地下駐車場に逃げ込んだ。

 しばらく雨宿りをしていると、全身ずぶ濡れになって震えている仔猫が現れた。その仔猫は“彼”

の足元にヨタヨタと近づいて、ゴロゴロと顔を擦り付けて来た。よく見ると体はガリガリに痩せていた。

 「腹が減っているのか?」

“彼”は、そう仔猫に聞くと、ガサガサとコンビニの袋の中をまさぐった。今や“彼”の財産は無く、毎

日の食べ物にも窮する状態ではあるが、今夜のメインの食べ物になる筈だった魚肉ソーセージを

取り出し、震える仔猫に与えた。一心不乱に食べる仔猫の姿を、優しい目で見守りながら、ズボン

に突っ込んでいたハンカチで雨に濡れた仔猫を拭き始めた。魚肉ソーセージで腹を満たした仔猫

は、しかし、礼を言う事も無く、“彼”の足元から走り去って行った。

 「お前さんまで、去って行くのか…」



“彼”は、ふと淋しそうに笑った後、さて帰るかと立ち上がった。そして、ぼんやりと猫が走り去るさ

まを見ていると、車から降り、その猫を拾い上げる姿が目に飛び込んで来た。


 ―――視線をあげると、そこに柔らかな笑みをこちらに向けている、ハニーが佇んでいた―――


 数日後、紅葉を観に、柔らかな小春日和の中、“彼”の姿は箱根にあった。その見事な紅葉の

景色を堪能した後、さる山の上のレストランで、ランチを楽しむ。そして、その美味しい料理の先

には、母の様に彼を見守るハニーの姿が有った…。



 明日は今年一番の寒さらしい。しかし今年の冬は、ようやく遅い、しかし本当の春が訪れようと

している“彼”には、どうやら関係ない事になりそうだ・・・・・・。




 おわり
Posted at 2012/11/16 18:31:38 | コメント(4) | トラックバック(0) | | 日記
2012年11月15日 イイね!

ちょっくら・・・③

ちょっくら・・・③
 ちょっくら今から、


    行ってきやす!(笑)


          あー楽しみ!(謎爆)


                   でわでわ!
Posted at 2012/11/15 08:50:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | | 旅行/地域
2012年11月14日 イイね!

忙しい・・・

忙しい・・・ 急に仕事が立て込んで来ておりまして、

 少しですが、ブログアップが遅れます・・・。

 スイマセンm(_)m



 しかし、スタミナ付けて、明日は・・・

 どうやら、“今日はちょっくら完結篇”は、

 1話では終わりそうにありません(謎笑)


  でわでわ!
Posted at 2012/11/14 23:47:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | 身近な事 | 日記

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犬、クルマ、バイク、食べ歩き等で常に忙しい休日を送っている、渋谷生まれの代々木育ち。でも今は川崎(笑) 遊びの資格を、結構持っているので(スキューバ、ボート、ス...
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