
この、イギリスを中心に開催された、ロータス・エリーゼ
によるワンメイクレース用に、スポーツエリーゼをベース
として開発されたクーペを発端に世に誕生した、男子が
涙を流して喜びそうなプロポーションを身に纏ったクルマ。
それが、エキシージSである。
故に暫くは、この素晴らしいスタイリングを舐める様に見回した・・・。
勿論以前より此のクルマの事は知っていたし、
某みん友氏も、このクルマを購入する一連の模様
をブログにアップし、一躍みんカラを代表する人気ブロガーになった事も羨望の眼差しで観ていた
モノである。
そう、そんなヘンタ・・・いでは無く、“超”変態クルマに心惹かれる時が来るとは、考えもつかない
驚天動地、いや、青天の霹靂とも言える嗜好の変化が私の体内で起きたのだ!
※
因みに、過去のロータス試乗記は →
“ココ” からどうぞ!
一通りエクステリアを堪能した後、早速インテリアのチェックをするべく、超クビレた腰の様なドア
を開けた。
まず目に飛び込んで来たのは、その万里の長城の様な “サイドシル” である!
超幅広のサイドシルは、ランボやフェラーリで経験していたのでそれほど驚きはしなかったのだが
注目すべきは其の≪高さ≫である! 優に10センチ以上は有ろうかという高さの為、只でさえタイト
なドア開口面積が、更に狭くなっているのだ! これを例えるなら、≪ステンレスの淵が幅広のバス
タブに入る様な感覚≫だろうと容易に推察出来る代物であった。
さて、いよいよ車内チェックをするべく乗り込もうとドアに手をかけようとしたが、その刹那、私は
天井を見上げ、そっと息を吐き、そして自分に言い聞かせる様に呟いた。
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「言われなくても・・・」
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「判っている・・・」
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「でも・・・」
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「大丈夫・・・」
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「全て・・・」
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「上手く行く筈・・・」
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そして一つ頷くと、意を決してドアを開け、身体を突入させた!
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ウゥッ!( ̄ω ̄;)ノ ククク・・・(大核自爆)
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先に断わっておくが、これは、冬籠りする為、
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穴倉に潜り込もうとしている“熊”では無い!(追自爆)
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いわんや、蜂蜜を喰い過ぎて、
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穴から出られなくなった“プーさん”でも無い!(追々自爆)
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ただ、チョット小さいクルマに、ホンのチョット身体の大きなオッサンが、運転席に入り込もうとして
いるだけの、微笑ましい光景なのだ!!
「しかし、自分で言うのも何だが、オイラって≪いいケツ≫してんな~♪」
流石、少年野球をしていた時のワタクシの渾名“プリンケツ”の面目躍如といった所か!
等と、恥ずかしさを誤魔化す為に自虐ネタを自分自身に投げかけながら、しかしココは踏ん張り
どころだと、苦しみ悶えながらも、コックピットを目指した。何故なら、ソコに辿り着けないという事は、
あのオネーチャンに辿り着けないという事と同義語であるからだ!
「うう・・ゼッテー、あのオナゴ、モノにしたるっ!!」

此の露骨な下心を最大のモチベーションに変え、尚もドア入口でのた打ち回っているアラフィフの
オッサンであった・・・。
数分後、努力の甲斐あって無事にコックピットのシートに座る事が出来た。
噴き出す汗、一気に曇る四方の窓ガラスには目もくれず、早速車内のチェックを始めたのだが、
残念な事に、座って直ぐに異変を感じた。
まず、シートそのものに私の身体が入りきらないのだ。特に両肩は、肩甲骨の辺りから完全に
ハミ出している! 嫌な予感がするまま、まずはサイドブレーキレバーに手をかけた。と、やはり
嫌な予感が的中した。左腕が完全に助手席の真ん中辺りまで張って出てしまう! サイドですら
これなのだから、シフトチェンジに至っては、その都度助手席に座る人物の脇腹を攻撃する事に
なってしまうのは明白である!
「これじゃあ余程のドMでも無い限り、たとえ愛し合っている人でも、耐えられないであろう・・・」
細部に亘る吟味に辿り着く前に、私の心は、エキシージSから離れて行った・・・。
その後、余りにも意気消沈する私を慮ってか、担当の営業マンが明るく言い出した。
「し、しんげん様、で、ではコチラのクルマはどうでしょう?」
と言いながら白いクルマを指差した。未だショックから立ち直れない私であったが、徐に視線を向け
てみると、何の事は無い、“エヴォーラ”が展示されていた。一瞬、なんだよ!と思ったが、よく観て
みると、なんか違うオーラが放たれていた。
更に目を凝らしてみると、何とそれはエヴォーラはエヴォーラでも、“エヴォーラ400”ではないか!
一気にテンションが戻り、はやる気持ちを押さえながら、エヴォーラのドアを開け乗り込んだ。
基は同じシャーシのクルマとは思えない程、室内の空間に余裕を感じた。完全にエマージェン
シーの後席とはいえ、車検上は4人乗りでもあるので、更に広く感じた。これならほんの少し身体
が小さくは無いワタクシでも、無理なく操る事が出来そうだ。と満足げに「ブーン!」と言いながら
ハンドルを回していると、或る人物の声が頭の中に浮かんで来た・・・。
実は以前、エキシージオーナーの某みん友氏から、
「しんげんさんは、400を購入したらいいと思いますよ」
と何度か進言を受けていたのだ。
「流石、
≪どんなに走行してもオドメーターがマイナス1kmになる≫ スーパーエキシージ
乗りの言葉は違う! 此の事を見越してのサジェスチョンであったか!」
と、今更ながら感心したのだった。
と言う訳で、一気に購買意欲に駆られた私は、営業と商談を進めた。
そう、預金通帳を握り締めながら・・・。
十数分後、私の身体は、全く別のクルマの中に居た。
商談は、確かに途中まではスムースに運んでいた。ところが、私が、
「えーっと、〇〇を□□で御願いしたいのですが・・・」
と言った瞬間から、雰囲気が一変した! それは営業担当が
「御冗談を・・・」
と作り笑いを浮かべながら、しかしそそくさと資料を片付け始めたからだった。
そしてあっと言う間に破談となり、あっけなく商談が終わった・・・。
私は先程言った自分の言葉を頭の中で反芻した。
「えーっと、支払なんですが、頭金5万円で、35年ローンで御願い出来ますか?」
そんなに変な事を言ったかな・・・(A゚∇゚)ハテナ?
反省する事無く私は気持ちを切り換え、今ハンドルを握っているクルマの吟味に意識を移した・・・。
おわり
※尚、この日の模様は、愛車紹介ベントレーターボR フォトギャラリー
内の→
“ココ” にありますので暇な時にでも、どうぞご覧下さい!
でわでわ!