
日産からいよいよ秋にエクストレール・ディーゼルが市販されている。しかも世界一厳しいと言われる日本の「ポスト新長期規制(USATier2Bin5)」をクリアしてデビューする。日産はディーゼル開発では長い歴史があり、特に最近のクリーン・ディーゼルは注目されている。今回のエクストレールには170PS(6MT)と150PS(6AT)のディーゼルが欧州で市販されているが今回日本ではMT車が販売される。その理由はパワーとトルクをみると一目瞭然。トルコンATがディーゼルの大きなトルクに耐えらないのでATはパワーダウンを余儀なくされていることだ。
そのことに気がついた私は昨年から日産の関係者に日本で最初に出すディーゼルはMTにするべきと進言してきた。最新ディーゼルを知らない人にはまずMTに乗ってディーゼルの実力を味わってもらいたいと思ったのだ。だから排気ガスの関係でMT車となったとの報道は間違っている。ただ、今後の課題はディーゼルの大トルクの耐える2ペダルやトルコンATがないことが問題。これは日本の自動車メーカーの共通した課題である。
ところで日産のディーゼル技術の特徴は圧縮比が15.6と低いことだ。自己着火するディーゼルエンジンは圧縮比を下げるほうが技術的には難しい。圧縮比が低いと燃焼温度を下げることが可能となり、その結果、窒素酸化物の排出を抑えることができる。圧縮比が低いと、ディーゼル特有の音や振動も低減できるというメリットがある。そしてまだ実験段階であるが、日産はガソリン車でも難しいカリフォルニアのSLEV(スーパーウルトラローエミッション)とUSATier2Bin2をクリアするウルトラクリーンディーゼルを進めている。この日産独自の技術が実用化すると、ディーゼルは始めてガソリン車と同等のクリーンなエンジンになれるのだ。もちろん燃費ではガソリンを上まわるから、ディーゼルの優位性は揺るがない。
この次世代クリーンエンジンはドイツメーカーも驚くほどの先進性。2.8LV6のディーゼルが日産GTRに搭載され「日産GDR」として販売される日を待ち遠しく思うのは私だけかしら?
Posted at 2008/06/10 11:49:54 |
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