
シマシタ君のブログで高速道路無料化の是非の議論が熱く語られていますね。彼は問題提起として取り上げたわけですが、民主党の無料化はちょっと極論だと思います。さて、この問題に関して日本の自動車メーカーと官学の専門家の間で議論するワーキンググループに参加してきましたが、暫定税率や道路特定財源の問題と絡みあいなかなか難しい問題が背景にあります。もちろん道路公団民営化で大きな流れが作られたわけですが。
論点は:
・道路利用者の受益者負担の是非
・道路保有機構に支払う40兆円の債務
・50年が寿命と言われる道路構造物の補修費
・3200万台普及したETCの今後の利用
・ITS社会のビジョン
民主党が主張する従来の高コスト体質や談合などは言語同断ですが、料金無料化だけの議論が一人歩きしてもいけません。道路行政や交通社会全体で捉えないとね。例えば、高速道路だけではなく時速80Km/h制限の専用道路はローコストで造れるのでもっと話題になってもいいかもしれないですね。
ところで、民営化した高速道路会社は道路保有機構(大家さん)に約40年で年間一兆円づつ借金を返すことになってます。大ざっぱに言うと、年間1.8兆円の売り上げがあるのですが、1兆円は返済に8千億は管理維持に使われてます。無料化するとこの1.8兆円がなくなるのですが、料金徴収管理費が不要となるので、年間の維持管理費は5千億に圧縮されます。そこで、民主党は1.5兆円の財源を用意し、借金返済と管理維持費に充当するわけです。つまり、自民党も民主党も40年後に借金を完済することに変わりはなく、有料なら利用者が、無料なら高速道路利用者でない人の税金も充当されます。
で、そのワーキンググループではある案が提案されてました。40年後の償還を半減に留めるのです。すると、どうなるのか。道路代を安くしながらも、借金返済と補修費確保が可能となるのですね。でも、これを実現するにはいくつかの法律を通さなくてはならないのですが、そんな矢先に高速道路の千円案がでてきて、みんなでずっこけたのです。
つづく
Posted at 2009/07/29 00:33:18 |
トラックバック(1) |
持続可能なモビリティ | 日記