以前に他のブログで書いた
「インターナショナル クロス・カルチャーマネージメント」というイギリスの本を紹介しよう。この本はあるビジネス・スクールで教材として使われていたものだ。正式名は
「International & Cross-Cultural Management Research」。この本は、見事に世界各国の文化の違いを数値化して説明している。その一部を紹介しよう。
ここでは4つのパラメーターで文化の違いを説明している。第一項は「Power Distance」。これは権力や、地位のある人間に対する自分の距離感を指している。この数字が高ければ「上の人」に従順。実際に最も高い国は、マレーシアの104、逆に低いのがデンマーク18。欧米各国はスウェーデン31、ドイツ35、イギリス35、アメリカ40となり、日本は54ポイントで平均的。本当は日本はもっと高いのではと思うのだが。
次に「Individualism」。これは個人主義のランキングだ。最も高いのはアメリカの91。次にイギリスの89,カナダ80、イタリア76,。低いのはパキスタン14、韓国18で、日本は46とアジアでは個人主義が強いが、欧米と比べると全体主義となっている。
次が「Masculinity」。男性社会と理解することもできるが、男らしさという意味もある。これは予想通り日本は95点で世界でトップである。意外なことはイタリア70、イギリス66、ドイツ66、アメリカ62と、欧米先進国は男性優位社会であることが分かった。女王陛下の国でも男性優位なのには驚いた。逆に低いのが国王がいる北欧諸国だ。スウェーデン5、オランダ14、デンマーク16といったところ。
最後は「Uncertainty avoidance」。不確実なことを避けたいという意味。事を進める前に何でもはっきりさせておきたい気持ちの度合い。勿論トップは日本人で92。根回しの文化が色濃い。スペイン人86。低いのが北欧のデンマーク23、スウェーデン29。
結局、日本人の特徴は男性優位社会で、不確実なことを嫌い(根回し~オレ聞いていないぞ症候群)、権力志向が強く(オレの個人的な見解)、人と違うことを嫌う文化なのだ。これを自動車に当てはめると、日本の代表する高級車クラウンは「Uncertainty avoidance 不確実性を避けたい」という気持ちの表れだろう。みんなと同じものをもつ安堵感。個性を嫌う。その反面、エルグランドが売れているのは、「Masculinity」男らしさのたまものなのだ。オヤジが家族のために買う車。オヤジの威厳だし、自己満足に満ちあふれている。何年か前にオレはこの本を元三菱自動車のエクルート社長に薦めたことある。昼ご飯をご馳走になっている時、ふと「どうしても日本人を理解できない」と本音を漏らしたからだ。同社のリコール隠し発覚の1年前のことだ。
Posted at 2008/03/04 18:37:31 |
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