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頑固一徹カズですのブログ一覧

2008年12月12日 イイね!

Breaking News

 ビッグ3救済のための支援修正案が認められなかったというニュースが入ってきました。いよいよビッグ3の運命が決まる時かもしれません。でも、これは決して対岸の火事ではないのです。ホンダの福井社長はGMが破綻すると部品メーカーも連鎖倒産する可能性があるので「支援を考えなければならない」と発言しています。もともと数年前くらいからビッグ3は販売が低迷してましたが、金融を使ったレバレッジでなんとか生き延びてきました。問題を整理しましょう。

レガシィ・コスト
正規社員の時給の高さ
金融危機によるリース&ローン販売の破綻
円安(いままでは)によるジャパンカーの優位

 ざっと問題を列記しても実に多くの課題があります。
環境技術の遅れがビッグ3の衰退と分析するのは正しくありません
ハイブリッドがないからビッグ3が経営危機となったという発言も正しくありません。だってハイブリッドで売れているのはプリウスだけなので、ハイブリッドは世界中で売れているというのは間違った認識です。

 ホンダはアコードHEVは07年に生産中止、レクサスやカムリのHEVも売れてませんね。フォードのエスケープSUVはNYのタクシーでしか見たことがありません。つまりHEVは決して成功してないのです。
売れているのはあくまでもプリウスだけです。
Posted at 2008/12/12 23:07:51 | トラックバック(0) | 持続可能なモビリティ | 日記
2008年12月04日 イイね!

Case of Chrysler

 クライスラーのことはあまりよく分からないのですが、リー・アイアコッカがクライスラーを奇跡的に再生させたことがありましたね。ミニバンやチェロキーを大ヒットさせたのですが、品質問題で再び苦境に立ち、経営責任をとってアイアイアコッカ氏の逆襲買収を恐れてダイムラー・ベンツ社と対応合併したのでした。
 再生のもう一つの秘話はエアバッグでした。悪法と言われるFMVSSの一項では「ベルトをしなくても乗員の安全性を規定する」という法律がありました。80年代のエアバッグはまだ信頼性が乏しく、各自動車メーカーはドアを閉めると自動的にベルトが締まるシステムで対応していましたが、アイアコッカは未成熟なエアバッグで勝負しました。その甲斐あってクライスラーは売れに売れました。でも、その後エアバッグのPL裁判で法廷に立たされたことは言うまでもありませんが。
 社名変更を考えるドイツ側の会議では「ダイムラーの<ダイム>とクライスラーの<ラー>を足して<ダイムラー>ではだめなのか」と冗談も囁かれてました。
 いずれにしても無事ビッグ3の一員となったシュレンプは次ぎに日産自動車を買収することを考えてました。日産の社員はドイツ語のNOVAに行くことも考えたくらいですから。でも、クライスラー側のイートンが大反対したのです。理由は「アメリカでクライスラーの発言力がなくなる」というのが大きな理由でしょう。このときイートンは「日産自動車を買うのは大西洋に金塊を捨てるようなもの」とシュレンプを脅かしたのです。そのクライスラーは日産のカルロスゴーンに頭を下げて提携話しを持ちかけているのですから昨日の敵は今日の友なんですね。
 でも、ビッグ3への資金援助ですが、ビッグ3が要求した370億ドル(3.7兆円!!!!)は拒否され、150億ドル(1.5兆円)で当面のクリスマスを過ごすことになりそうです。来年のデトロイトショーがますます怖くなってきました。

Posted at 2008/12/07 00:16:07 | トラックバック(0) | 持続可能なモビリティ | 日記
2008年12月03日 イイね!

Case of Ford~2

 フォードの話をもう少し続けましょう。フォード社の本社があるのはデトロイトの国際空港に近くのデアボーンという街。ここはヘンリー・フォードが初めて量産型自動車T型フォードを作った場所なのです。で、ここにはフォードミュージアムがあるのですが、ただ自動車だけが展示されているのではなく、20世紀のアメリカの自動車がどのように発展してきたの、航空機や鉄道と一緒に展示されており、広大な土地を持つアメリカのモビリティの真の姿を知ることができます。

 ところでビッグ3の本拠地であるデトロイトは20世紀のアメリカの自動車産業にとってとても重要な役割を演じてきました。この街がモータウンと呼ばれたことは当然かもしれません。デトロイトの語源はフランス語の地峡(パナマ運河やスエズ運河~Détroit)を意味しており「デトゥア~」と発音する人もいるくらい。
 地図を見るとデトロイトが自動車の街として発展した理由がすぐに理解できるます。エリー湖とヒューロン湖に囲まれていて、ダウンタウンの目の前にある川向こうはカナダのウインザーなのです。つまり船を使って物資や資源を運ぶことができたので工業化には相応しかったのでしょう。
 ヘンリーフォードはトーマスエジソンが作ったGEの前身の電気会社で働いていたので、二人の関係は良好でした。そこにファイアストン(タイヤ)という人物も加わり、自動車産業が一気に華が咲きました。
 歴史的にはフォードが偉大な自動車メーカーであったことは疑いの余地がないのですが、最近のフォードはGMやクライスラーの足を引っ張り、自分だけが生き残るようなせこいことを考えているみたいです。そんなことやっていたら、ヘンリー・フォードの幽霊がムラーリCEOの枕元に化けてでてくるかもしれませんね。

 今年の1月にデトロイトショーに行ってましたが、その時のことを思い出します。 GMのボブ・ラッツは「トヨタに抜かれてどう巻き返すのか?」というプレスの質問に「Happy to be NO.2」と言い返してまし、元気なGMをアピールしてました。「誰が販売台数で一番になったかではなく俺たちが考えた次世代技術をもっとよく見てくれ」というGMのスピーチが始まったのです。でも、フォードに何があったのか、なかなか思い出せないのです。せいぜい記憶に残るフォードのネタはBMWの首脳陣が「環境のイメージが良い四番目のブランドが欲しい」と述べた時、フォードがボルボをBMWに売るのか?と思いました。
 ヘンリーフォードミュージアムは是非見てほしいと思います。アメリカで最初に生産された日本車・ホンダアコードの1号車が展示されてます。このミュージアムのとなりにグリーンフィールド・ビレッジがあり、ここでは1800年代のアメリカの文化を知ることがでます。でもグリーンフィールド・ビレッジは屋外なので冬は閉鎖されてます。
 尊敬されるフォード。あまり醜い醜態はみたくありませんぜ、ムラーリさん。

Posted at 2008/12/04 23:41:15 | トラックバック(0) | 持続可能なモビリティ | 日記
2008年12月02日 イイね!

Case of Ford~1

 ところでビッグスリーのクルマが売れなくなったのはリーマン・ショックからではなく、それ以前からじょじょに販売は勢いを失っていました。それでもアメリカのユーザーは自動車ローンを使いながら、高級車を買いまくりました。その結果、本来の自動車のニーズとはかけ離れた販売が増加していたのです。こうした高級車ブームがいつ頃から起きたのか、90年代までさかのぼって考えてみましょう。
 原価1万ドルのSUVを2万ドルで売る美味しいビジネスは終わりました。日本やドイツメーカーがSUVをアメリカで販売するようになったからです。乗用車と小型車が日本と欧州メーカー、SUVトラックはアメリカ、という棲み分けが崩壊したのです。

 そこで商売の限界を感じたフォードはまるでお年玉をもらった子供のように高級車メーカーを会社ごと買いました。ボルボ、ジャガー、アストン、ランドローバーなどなど。
 「良いクルマをどうやって作る?」なんて会議よりも、どうやってお金も儲ける?と考えたMBA出身のボードメンバーやコンサル会社が肩で風を切ってましたからね。このころ、ボードメンバー主宰の晩餐会に招かれると、主賓席は証券や金融アナリスト達で占拠されてました。自動車専門のジャーナリストよりも、株価に影響力を持つアナリストの発言を気にしていたのです。
 でも、当時凄腕で知られたフォードのジャックナッサー元CEOはそんな保守的で変化を嫌うフォードを根本から変えたかった改革者として登場したのです。ところが、不運にもタイヤが原因したエクスプローラーSUVの横転事故で、フォードを追われてしまいました。「ジャックこそ、フォードを変えることができる最後の切り札だった」と関係者は残念がっていました。BMWを追われたライツレー氏をフォードのプレミアムオートグループ(PAG)の指揮官に据え、欧州フォードのパリージョーンズ氏と連係をとりながら、フォード改革に乗り出した矢先の失脚でした。この三人はまるで三銃士と同じで、フォード改革の騎士達でした。
 でも、ナッサーCEOとライツレー氏がフォードから去ると、一人残されたパリージョーンズ氏は一人で孤軍奮闘しながら欧州フォードを牽引してました。でも、最近定年となりフォードを去りました。今、誰がフォードを、、と思うのです。

Posted at 2008/12/02 19:01:46 | トラックバック(0) | 持続可能なモビリティ | 日記
2008年12月01日 イイね!

Case of GM~3

 いよいよビッグ3の運命が決まるかもしれない。ニュースで言われている「チャプター11」とは連邦法で規定された倒産する権利みたいな法律だそうだ。アメリカの会社は倒産する権利が企業側にあり、最後の宝刀と言われている。みずから破産宣告することで、色々な問題から一旦は解放される。だが、ひとたび倒産した会社が再生してもエアラインと違って、二度とそのメーカーのクルマは買わないだろうと考えられている。結局、進むも地獄、さがるも地獄。まさに八方ふさがりの状態なのだ。

 ところでブッシュ大統領はあと数週間の任期を無難にまっとうしたいので資金援助を決めてから、オバマ氏にバトンタッチしたいと考えているかもしれない。これが現実となるなら、オバマ政権はビッグ3を国有化することになる。そこからどうやってアメリカの自動車産業が復活するのだろうか。
 ここに環境問題とエネルギー問題、さらに道路インフラ問題を折り重ねるとどうなるのだろうか。

 答えは一つだ。
 
 T型フォードの時と同じように、新規にモビリティ社会を構築することができるかもしれない。例えば、全米水素燃料電池車フリーウェイ&EV&自転車シティとか。つまり、20世紀のパラダイムを一切持ち込ます、20世紀の成功体験を忘れ、まったく新しい都市計画と社会整備を国を実行する。国有化したビッグ3は新しいアメリカの建国に協力することで、再生が図れるのではないだろうか。

 この問題については12/15売りの「東洋経済」で対談したので読んでみてください。対談相手は金融&経済アナリストの中西さんです。

Posted at 2008/12/02 16:32:32 | トラックバック(0) | 持続可能なモビリティ | 日記
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