
一昨日の日曜と月曜に鈴鹿サーキットでNSXのオーナー同士が一年に一回集まるイベント・フェスタが行われました。すでに18年くらいの歴史がありますが、もはやNSXは売っていないのでクラシックカーイベントになりつつあるのです。
フルコースで二時間フリー走行しましたが、マナー・テクニックともNSXオーナーはとても「よゐこちゃん」でした。18年間も番犬として吠えてきたので、何が大切なのかちゃんとわかっているのです。まるでラブラドールみたいに従順でした。だってクラッシュしたら売ってないからですね。
前夜祭では「スポーツカーとエコ」というテーマでフォーーラムを行いました。スポーツカーはエゴと言われそうなのですが、実はホンダの場合、NSXを掘り下げると「グリーン」だった、という事実がたくさん発掘されるのです。
例えば、ターボF1時代、1000馬力のターボエンジンの燃費に必死だった時がありましたね。「このときF1エンジンが馬力あたり使っていた燃料は最新のインサイトと変わらないよ」とホンダの安全環境室の篠原さんは公言してました。彼はもともとエンジン屋なので説得力がありました。
つまりNSXはホンダの原理主義で開発されたのですが、ホンダの哲学に逆らうことなく実行されたのです。アルミボディ(リサイクル性・軽量化・寿命の長さ)、高効率のエンジン、軽量化、空力など「速く走ることは効率を求めること」とNSXの産みの親である上原繁さんはいつも言ってましたから。でも、その上原さんにそのような思想を植えつけたのは、本田宗一郎さんのMM思想かもしれませんね。
そうか、もうMM思想を知らない世代になったのですね。
「MM思想」とはドMのことではなく、マンマキシマム、メカミニマム。どでかいミニバンが売れている現実とは正反対の思想でした。このようにホンダの原理主義を思い出すと、V10エンジンを積んで、四駆スポーツカーを開発していた幻のスーパーカーの開発が休止したことは、むしろ健全で、天国から見守っていた宗一郎さんの仕業かもと思ったりしました。
Posted at 2009/09/15 12:36:49 |
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スーパーカー | 日記