車もバイクも大好きだけど思いで作りも大好き。
そうなんだと思う・・・。
何だ、かんだ、と言いながら、人間は思い出を作る為に生きている様なものだ・・・。
30歳前後の話なので・・・、今から、25年以上前の話だと思う・・・。
当時は・・・、いや、今も相変わらずなのだが、私は面白そうな事は何でもやってみたい性格なのだ。
その当時、タウン情報誌の編集長をしている友人とよく遊んでいた。
その友人に誘われ、ある会に出向いた。
その会、何と「インディアンの儀式。」を行うらしい・・・(笑)
しかも、鳥取の智頭町と言う山の中で・・・。
友人から詳しく話を聞くと・・・、東京在住のオジサンがアメリカに渡り、現地のネイティブインディアンの村で暫く暮らしていたらしい。
そこで、インディアンと一緒に生活するうちに、色々なインディアンの儀式にに参加する様になり、数年後にその部族の族長から正式に儀式を行う資格を与えられたと言う事だ。
・・・、でっ、何故かそのオジサン・・・、日本に帰国後、東京で仕事しながら鳥取の山の中が気に入り、土地を借りて、ティーピー(インディアンの三角錐のテント)を建て、月に2度程鳥取で儀式を行っているらしい・・・。
・・・、そして、その儀式は「肉体と精神の浄化の儀式」と言う。
・・・、ほら、気になるでしょ?
体験してみたいと思いませんか?
私は当然、してみたかった(笑)
肉体と精神の浄化ですよ!
心も身体も汚れ切った私、因幡屋には持って来いの儀式ではありませんか(笑)
・・・ハッキリとは覚えていないが時期はたぶん、11月の頃。
雪でも降りそうな位、寒い山中。
目的の場所まで夜道を車で向かう。
真っ暗な山道、ちょっと薄気味悪いが、楽しそうなイベントなのでウキウキである。
儀式の内容は教えてもらってはいない。
バスタオル2枚と水着を持って来る様にだけ言われていた。
暫く走ると、高さ4mは超えそうなティーピーと普通のテントが混在する中に大きな焚火が焚かれている様子が見える。
会場? に到着すると、人懐こい笑顔のネイチャー系のオジサンと、同じくネイチャー系とおぼしき奥様らしき方がフレンドリーな笑顔で迎えてくれた。
画像はもちろん、拾い物・・・(笑)
他にも、本日の参加者の、やはり、ネイチャー系の方や、ちょっと不思議ちゃん系の方もチラホラ・・・。
参加者全員、自己紹介をおこない、軽くレクチャーを受けて儀式の始まりである。
・・・まぁ、儀式と言っても、要はインディアン式の高温サウナに入るだけなのだが・・・。
とは言え、サウナと言っても2畳ほどの大きさの場所に木の枝でドーム型の骨を組み、その上から何枚も毛布を重ねて被せただけの代物。
ドームの直径は2m程度であろうか・・・。
天井高さ150cmも無いドームの真ん中に炉が掘ってある。
入り口代わりの毛布を一部開けて、皆が中に入る。
時計回りで入っていくのが決まりであった。
その時は確か8人くらいが入ったように記憶している。
・・・、とにかく狭い。
皆が膝を抱えて、真ん中の炉を囲むように、輪になって座る。
体育座りである。
全員が入ったらネイチャー奥様が焚火の中から真っ赤に焼けた溶岩石を炉の中に入れてくれる。
体育座りした足の指先、そのすぐ前に真っ赤に焼けた溶岩石である。
熱いと言うより、少し怖い(笑)
リーダーのオジサンが何やらブツブツと唱えながら溶岩石に香草を振りかける。
チリチリと一瞬で燃え上がる香草は良い香りだ。
スグに奥様が入り口の毛布を塞ぎ、更に、上からも毛布を重ねて掛ける気配がする。
ドームの中は完全な闇である。
微かに溶岩の赤がボンヤリと見えるが、辺りを照らす程では無い。
リーダーのオジサンから各自の持ってきたバスタオルを頭から被るように指示が出る。
いよいよ、儀式の始まり・・・。
まずは、このドームの中に、大地と空の精霊を降ろすらしい。
何やら呪文のような言葉を唱えて精霊を降ろすのだが、ここは何故か呪文も含めて日本語だ。
やはり、この地の精霊なので日本語なのだろう。
・・・、神道系の地鎮祭でも同じである。
しめ縄で結界を引き、同じように神様を降ろす。
信仰による儀式と言うモノは万国共通なのかとも思った。
・・・、そして、精霊を呼び出すと、やおら、焼けた溶岩石に水を掛け始める。
ジュワー! っと言う、激しい音と共に、ドーム内の温度と湿度が一気に上がる。
ドームの天井にまで上がった蒸気が対流して、皆の頭上から蒸気が降り注ぐ・・・。
なるほど・・・、バスタオルを被っていないと、火傷しそうである。
リーダーによると、ドームの中は瞬間で100度を超えるらしい・・・(笑)
あ、暑い・・・(;´Д`)
ここから、リーダーが何やら精霊にお礼を言い、ひとしきり呪文を唱える。
そして、今度は参加者の方々が時計回りで順番に、今現在の悩みであったり、想いを喋り始める。
ほのかに赤かった溶岩石は、熱は保ってはいるが、水を掛けられた事で光は失っている。
本当に一筋の光も無く、真の暗闇の中、参加者一人ひとりが、暗闇に向けて心の内を吐露する。
暑いです・・・(笑)
中にはベテランの参加者も居られ、一人で10分以上も暗闇に向けて喋っている。
あ・・・、あ、暑い。
早く、喋り終わってほしい・・・(;´Д`)
途中でリーダーが溶岩石の「お代わり。」をする。
私の気持ち的には「もう、勘弁して下さい。」なのだが・・・。
多少でも温度の下がったドーム内の温度が一気に上昇する。
あ、暑いです(笑)
これが、幾度か繰り返される・・・。
ホントに暑いよぅ~(;´Д`A ```
8人の参加者全員が、心の声を出し終えた頃には皆さんヘロヘロである。
全員が喋り終えたら、最後にリーダーが精霊を戻し、ドームの入り口が開かれる。
外から流れ込む、冬の冷たい外気が気持ち良い。
締めにリーダーがインディアンから授けられたと言う、長さ40cmほどのパイプに香草を詰め、順番に廻して吸う。
本来なら大麻を吸うのだろうが、ここは日本。
あくまで、香草の様なモノであった。
いちおう、私は深く吸い込み、肺に溜めてから吐き出したが、楽しくなってケラケラ笑う事も、お腹が減る事も無かった。
これが、インディアンが行うと言う「肉体と精神の浄化の儀式。」である。
100度近いサウナに約50分。
大量の汗を流し、身体の浄化を行ない、暗闇の中で自身の心の内を吐露する事により精神の浄化を行なう・・・。
ちょっとは、理に適ったセラピーの様にも感じる。
この後、すぐ傍に流れる小川に参加者全員で入り、汗を流す。
冬前とは言え山中の小川である。
尋常では無いくらいの、身の切れる様な冷たい水ではあるが、身体の芯まで熱せられた身には気持ちが良い・・・(笑)
その後・・・、儀式の内容は兎も角として、サウナと割り切れば非常に気持ちの良いサウナでもあったので、色々な友人知人に声掛けをして、幾度か訪れた。
最後には、青年会議所の青少年育成プログラムの一環として、20名程の高校生を連れて行った・・・(笑)
リーダーの方とはその後も年賀状のやり取りなどで、暫くは交流があったのだが、十数年前に、この地から退去されたらしい・・・。
今は、どうしておられるのか・・・?
世の中にはホント、変わった人が多い。
あの人・・・、ホントは何がしたかったのだろう?
ちなみに・・・、なにぶん25年以上前のお話ですので、儀式の名称であったり、内容に関しては記憶も曖昧な部分があります。
違っておりましたら・・・・スマン! ・・・、とっ、言う事で(笑)