2010年01月15日
今年はディーゼル勝負の年
2010年は色々な意味で自動車産業にとって大きな転換期を迎えるだろう。ここ数年、いやここ数ヶ月の間に決定する戦略がきわめて重要であり、将来に大きな影響を与えるかもしれない。日本にいると世界がどのくらいのスピードで動いているのか実感しにくいが、一歩海外にでてみると「市場はポルシェ並の速度」で変化している。
今年の日本の自動車市場の変化を予測すると、多くの人はEV(電気自動車)と答えるだろうが、私の予測ではEVの過大評価が明らかになり、次第に自動車メーカーの本質が見えてくる年ではないだろうか、と思っている。何ができて、どいうやって利益をだし、どのようにクルマを変化させるのか。
まず、はっきりしていることは2010年は日本にとってディーゼルの勝負の年となること。EVで盛り上がる日産だが、セレナにディーゼルを投入したり、150馬力のディーゼルATも仲間入させる。もちろんいままでのエクストレールも併売だ。ガソリンエンジンはダウンサイジングした直噴ターボも登場するらしい。
クリーンディーゼルで先陣を切ったメルセデスは新型EクラスにBluetecディーゼル「E350CDI」を「ポスト新長期規制」に対応して2月に発表する。このエンジンは日米の厳しい排ガス規制をクリアするために尿素SCRを搭載している。3リッターV6でも540Nmを発生するというパフォーマンスだ。メルセデスの高級SUV・MLクラスにも同ディーゼルが搭載されそうだ。
さらに秋ごろにはアウディがQ7ディーゼルを国内の投入する。しかも面白いことに、Q7とプラットフォームを共用するポルシェ・カイエンやVW・トアレグは3リッターV6ガソリン・スーパーチャージャー(アウディ製)TSIエンジンと「アイシン製8速トルコンAT+モーター」のハイブリッドを国内に投入するのだ。つまり、VWグループからはハイブリッドとディーゼルのSUVが選択できる。
2011年になるとPSAグループからはディーゼル・ハイブリッドが満を期して登場する。そいこうしているうちにマツダも日産と同じ低圧縮技術を使ったクリーン・ディーゼルを国内でも市販するだろう。この頃にはエンジン開発では腰の重いトヨタからも、ダウンサイジング化したガソリン・エンジンやディーゼルも登場するかもしれない(個人的な期待)。
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Posted at
2010/01/16 02:29:31
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