2008年12月04日
クライスラーのことはあまりよく分からないのですが、リー・アイアコッカがクライスラーを奇跡的に再生させたことがありましたね。ミニバンやチェロキーを大ヒットさせたのですが、品質問題で再び苦境に立ち、経営責任をとってアイアイアコッカ氏の逆襲買収を恐れてダイムラー・ベンツ社と対応合併したのでした。
再生のもう一つの秘話はエアバッグでした。悪法と言われるFMVSSの一項では「ベルトをしなくても乗員の安全性を規定する」という法律がありました。80年代のエアバッグはまだ信頼性が乏しく、各自動車メーカーはドアを閉めると自動的にベルトが締まるシステムで対応していましたが、アイアコッカは未成熟なエアバッグで勝負しました。その甲斐あってクライスラーは売れに売れました。でも、その後エアバッグのPL裁判で法廷に立たされたことは言うまでもありませんが。
社名変更を考えるドイツ側の会議では「ダイムラーの<ダイム>とクライスラーの<ラー>を足して<ダイムラー>ではだめなのか」と冗談も囁かれてました。
いずれにしても無事ビッグ3の一員となったシュレンプは次ぎに日産自動車を買収することを考えてました。日産の社員はドイツ語のNOVAに行くことも考えたくらいですから。でも、クライスラー側のイートンが大反対したのです。理由は「アメリカでクライスラーの発言力がなくなる」というのが大きな理由でしょう。このときイートンは「日産自動車を買うのは大西洋に金塊を捨てるようなもの」とシュレンプを脅かしたのです。そのクライスラーは日産のカルロスゴーンに頭を下げて提携話しを持ちかけているのですから昨日の敵は今日の友なんですね。
でも、ビッグ3への資金援助ですが、ビッグ3が要求した370億ドル(3.7兆円!!!!)は拒否され、150億ドル(1.5兆円)で当面のクリスマスを過ごすことになりそうです。来年のデトロイトショーがますます怖くなってきました。
Posted at 2008/12/07 00:16:07 |
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持続可能なモビリティ | 日記