VWのパワートレーンの責任者のハルダー博士と懇談した。話が終わるとニコニコしながら「電気自動車の質問がなかったのはあなたが始めて。エンジンの話しができて嬉しいです」と言われた。たぶん、多くのプレスが電気自動車の質問をいやというほど浴びせたのだろう。
俺が聞きたかったのは内燃エンジンの原理原則だ。多くの自動車メーカーがダウンサイジングと言っているがどこまで小さくできるのだろうか。ホンダF1はターボ時代に1500ccで1500馬力だしていた。1ccで馬力だ(実際は4バールくらいで過給していたので吸った空気の量は5リッター以上だったはずだし、燃料はノッキングしないトルエンだったよね)。ディーゼルもガソリンの過給だから1ccで1馬力は夢ではない。
BMWは次期3シリーズ用に3気筒ディーゼルを開発しているし、メルセデスは次期Cクラスに3気筒のガソリンを開発しているらしい。日本では軽自動車やリッターカーには3気筒エンジンは当たり前だがプレミアムメーカーが3気筒を使う、これが欧州の骨太戦略。
日本メーカーもそろそろ本気で2気筒を考えるべきだ。例えば、スバルが持っている1.5Lのフラット4を二つに切って、一機のエンジンから二機のフラット2(750cc)ができる。これが本当のエコボクサーなのだ。もちろんその前に直噴ターボにすることが先決だが。
で、VWのエンジニアにガソリンとディーゼルの気筒当たりの最小排気量を聞いてみた。かれはエンジン内部のフリクションなどを考慮するとディーゼルは400cc、ガソリンは300ccくらいだと述べた。つまりすでにゴルフで実用化されている1.6LTDI(ディーゼル)と、ポロに乗せた1.2LTSI(ガソリン)エンジンを半分にカットするモジュール戦略がなんとなく明らかになったのだ。
結論を述べるとTDIは2気筒800cc(すでに1Lカーのコンセプトカーに搭載)、TSIは2気筒600ccがハイブリッドと組み合わされて実現する。2020年には95g/Kmという厳しい規制が実施されてもVWは生き残れる戦略を持っているのだ。
Posted at 2009/09/26 03:11:21 |
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自動車技術 | 日記