
本日藤岡JCTで起きたバス事故の現場に行ってきました。亡くなられた方にはご冥福をお祈りいたしますが、今回の事故から多くのことを学び、すぐに実践することが大切だと思います。
運転手の居眠り運転が事故の直接原因ですが道路構造の加害性や車線逸脱防止の段付き白線などが設置されていたかどうかを調べました。数年前よりNEXCO東日本の懇談会委員を務めているのでなおさら義務感を感じています。
警察の事故調査がどこまで行われているのか不明ですが、シートベルトの装着も気になります。TVでは前方の左側に座ったベルト装着者が助かったとも報道していました。
まずバスは金属製のガードレールに緩やかな角度で当たったので、ガードレールが外側に曲がってました。しかし、その先には一般道路が下に通る橋があり、そのコンクリート製の欄干にバスの正面からほぼ直角に激突してます。欄干の高さからみて、まずバスの堅いフレーム部分とコンクリートがぶつかったと思います。その衝撃は想像を超えています。
その直後に欄干の上に設置された防音壁が、バスのキャビンをえぐりとっています。この事故から学ぶべきことはどんなものがあるでしょうか。
・居眠り運転という業務上の過失責任ですが、富山方面からディズニーランドまで一人のドライバーでは無理があったと思います。たとえば東京大阪間の高速路線バスでは二名の運転手が原則です。
・車線逸脱防止装置があれば、白線を検知して警報と車線維持も可能だったかもしれません。でも夜間ではカメラで白線を認識することはむずかしく、そのロバスト性も充分ではないと思います。さらなる技術革新が必要でしょう。
・白線にギザギザをつけ、タイヤの音で知らせる白い車線は有効ですが、この現場では使われていませんでした。
・バスの構造が軽量化のために....という専門家のコメントもありましたが、それはないと思います。バスは1990年頃の三菱ふそうU-MS729SのエアロクイーンMV
所感:バスの構造や道路構造の加害性が話題となっていますが、カタストロフィー(大惨事)になったのは、時速100Km/h近い速度でコンクリートの欄干に激突した時のエネルギーが計り知れないほど大きかったということです。防音壁がバスのキャビンを剔っているのが、ビジュアル的にはインパクトがありますが、実際はコンクリリートの欄干とぶつかった時の衝突エネルギーが問題だったと思います。そのことを思うと高速バスの乗員はベルトは不可欠ではないでしょうか。バスのベルト義務化を訴えましょう。
また重量車の高速道路でも事故は被害が大きいので大型トラックにプリクラッシュの義務化が決まった矢先の事故でした。長距離のバスでは二名の運転手必須でしょう。また道路構造も見直し金属製のガードレールとコンクリートの欄干のつなぎ目に対策が必要かもしれません。また車線逸脱防止のギザギザ車線も必要でしょう。
6/1売りの「カーグラフィック」にレポートしますが、5/23の
自動車技術会でも自動車技術会の先生方と一緒に緊急提言したいと思います。仮題「今の自動車技術で事故は防げたのか」
清水和夫のフェイスブックでも安全問題を取りあげております。
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Posted at 2012/05/02 01:06:01 |
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クルマの安全 | 日記