今回は、現代版不幸の手紙の紹介
最近の状況は知らないが、私の会社員現役時代の終盤に「含有化学物質管理」の様な世界的な動きが、欧州の電化製品・自動車の様な「組み立て製品製造業」から広まった
あたりが良くまとまっている
「RoHS指令」という縛りもその一つ
あたりがわかりやすい
不法投棄された廃家電・廃車が朽ちて使用されている部材が漏出し環境汚染を引き起こしていた時代があり、家電・車が不法投棄されても深刻な環境汚染を引き起こさない様な素材だけで製品を作らせれば安全な世界が来ると考えた人々の声?で成長してきたモンスターである
決して悪のモンスターではなく理念は立派なのだが、、、
製造関連業種だけに負荷が掛かる不公平税制みたいなイメージで見ている
ざっくりいうと、車やパソコン・スマホなどの工業製品に含まれている(化学)物質の種類と量を把握しなさい
というシステム
この時、大物部材はもちろんだが、小さなネジを締めるのに潤滑剤が使われて居たら潤滑剤の内容物も把握する必要がある
組み立て型工業製品の完成品メーカー(たとえば車で言えばトヨタ・スマホで言えばApple)は、自社製品に含まれる化学物質の種類と量を把握するために「グリーン調達指針」を作成し、けしからぬ物質が使われていないか、どんな物質がどれだけ使用されているかの報告を供給メーカーに要求する「データー出せなきゃ買わねーよ」たとえば
で、例えば部材として納入するエンジンオイルのメーカーだったら、オイル本体だけでなく添加している安定剤やオイルを入れる缶まで含めて調べ上げる必要が出て来る
安定剤メーカーやドラム缶メーカーに、同じリストを見せて点検させる
こうして、現代版不幸の手紙ゲームが始まる
元勤務先の様な川上メーカーだと、様々な業種のあちこちのお客様から、様々な調査書が回って来る
ガイドラインのリストの出典が1つの企業でも、途中の伝言ゲームの都合か、違うバージョンのリストが回って来ることもあった(笑)
それぞれの企業独自に、禁止物質が追加される場合もある
この「含有調査」で始まった調査ゲームに「由来調査」という概念が加わった
今までの含有調査なら、最終製品の分析を行えばよかったのが、由来調査ではサプライヤーに問い合わせる必要が出て来る
酷い時には、「ブタ由来物質が無いか(ユダヤ教の関係?)」とか「遺伝子組み換え植物由来」が含まれ無いかなどと言う便乗調査も加わる
医薬関係のお客様出発の調査だと「ウシ・ヒト由来物質」の有無を聞かれたりする(笑)
これh、BSE TSEがあるからしょうがないと理解できる
由来調査の中で最悪なのが、3TGと呼ばれる金属群「紛争鉱物」
錫(Tin)、タンタル(Tantalum)、タングステン(Tungsten)、金(Gold)
金属そのものを禁止てくれれば簡単だったのに、金属の産地を問題にしているので、新規購入品で無いと追跡困難
タンタルなんて、耐蝕材料の王様であり、ガラスやテフロンと同様の耐蝕性を持ち、何十年でも使えてしまう
アフリカのコンゴ周辺の武装勢力の資金源を断つという理念は素晴らしいが、含有の有無による判定ではなく利用の有無を問われる
これはオバマの代表的な、いや唯一の失策
この法をぶっ潰すと言って居たトランプに期待して居たが、さすがのトランプでも無理だった見たい(笑)
法規制に定義が無いので、各社好き勝手に判定基準を設ける
ユーザーによっては、触媒としての使用はOKとか、NGとかバラバラ
製品含有化学物質の情報伝達⽅式に関する調査研究
あたりが、よくまとめられて居るので、暇な人はどうぞ(笑)
Posted at 2021/09/05 08:08:02 | |
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