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BH型ファミリアの３ドアHBは、それまでのBG型とは打って変わって、リフトバックタイプに近い、寝たバックドアガラスを備えたルックスを備えて登場しました。
　なぜクーペルックにしたかったのかは定かではありません。サイノスやルキノのようなモデルにしたかったのか？ランティスの弟版としたかったのか？海外からの要望だったのか？（事実、海外ではNEOが継続販売されていました）
　
　フロントのデザインはいたって普通ですが、それまでのファミリアの印象が全く感じられなかったことが、販売にマイナスに作用したのではないかと思っています。あとは、クーペなのに異様に背の高いフォルム。２代目フェスティバもそうでしたが…好意的に解釈すると、後席乗員のヘッドクリアランスを真面目に確保しようとした、マツダの執念なのかもしれません。
　このデザインで、ラリーに出て活躍したりしたら、このクルマの評価も違うものになっていたのかもしれませんね。リヤの視界確保用ガラスをみて、ふとシトロエンC4　WRCを思い出してしまったものですから。

９０年位からでしょうか。乗用車をベースにして、車椅子をそのまま飲み込むような仕様のクルマが、各メーカーから発売されるようになりました。

　ハイエースやキャラバンのようなもともと大きなクルマに対して、車椅子昇降用のリフトを設けたクルマは以前からあったと思います。しかし、実際に送迎をするドライバーにとって大きすぎたり、お客さんの自宅まで入っていけなかったりと、いろいろ問題があったんだろうと思います。
　個人的には、９６年位に発売されたマツダ・キャロルi（６６０cc時代になってから２代目のキャロルをベースに、ボデー後部をハイルーフ化＆低床化したモデル）やデミオiが印象深いですね。運転しやすい車いす仕様車にする為に乗用車をベースに大改造を施すモデルが多く見られました。
　
　特に現行のラクティススロープ車は、専用のハイルーフボデーを工場ライン内で生産することにより、200万円を切る値付けがされています。かつては完成車を切った貼ったするような作り方だったので、出来栄え的にもコスト的にも、厳しいモデルが多かったと思います。
　
　しかし、２代目シャリオにも同じような仕様が存在するとは、全く知りませんでした。バックドアパネルは上下に延長されている他、バックドアダンパーは異様に長い専用品が奢られているようです。特にハイルーフボデーは、完成車を切断して専用ルーフを溶接してある物と想像できます。そして、スロープ使用時にはリヤが沈み込みます。これは、現行のスロープ車（トヨタ・ラクティス等）と同様の動きです。ラクティスは電動エアサスが組み込まれているのですが、この時代は何が使われているのでしょう？
　いくら５ナンバーの乗用車ベースとは言え、大柄なFFミニバンを選んでいるところから、決して使い勝手の良いモデルではなかったろうと思います。とは言え、当時の三菱のラインアップでは、他に良いベース車が無かったのでしょう。フレーム式のパジェロやデリカではスロープを成立させることは難しいですね。また、リヤ周りの改造が行いやすいFF車で、もともとの全高があるクルマって言うのが、シャリオ位しか見当たらなかったのでしょう（RVRはありましたが・・・）。

　走行13,000kmの5MT車です。室内長があるので、スロープを使ってモーターサイクル等を搭載して、トランポとして使ったら面白いかもしれませんね（＾＾