馬力だけじゃ分からない加速性能の指標 パワーウェイトレシオとは何か?
クルマの加速力の差は、エンジンの最高出力や最大トルクの大きさ、それを発生するエンジン回転数、そしてトランスミッションのギアレシオや駆動方式などにも左右され、ハッキリとした加速性能を数字で示すことはできない。そこで、そのクルマのおおまかな加速力の目安となるのが「パワーウェイトレシオ」という数値だ。
最近はすっかり聞くことが減った「パワーウェイトレシオ」というワードだが、シルビアやスープラを代表するスポーツカーブームが起こった1990年代から2000年代初頭には良く聞いたワードで、その辺りに青春を謳歌したクルマ好きには懐かしいのではないだろうか。
「パワーウェイトレシオ」とは、1馬力(PS)当たりが負担する車重(kg)のこと。算出方法はとても簡単で、クルマの「車重」÷「最高出力」で算出することができ、その数字が小さいほど加速に有利ということになる。
上記でも触れたが、「パワーウェイトレシオ」は速さの目安でしかないが、おおよその加速力であればこれで測ることができる。
今回は歴代生産された国産車の中で、最も「パワーウェイトレシオ」に優れた車種を10台ランキングしてみた。(特別仕様車は除外)
1位|やっぱりコイツ! 500台限定の国産スーパーカー レクサス LFA
【パワーウェイトレシオ:2.64】
LFAは、レクサスのプレミアムスポーツシリーズである”Fシリーズ”の旗艦として君臨するスーパースポーツカーだ。
フロントミッドシップに搭載した、レブリミット9000rpmというV型10気筒自然吸気エンジンの”1LR-GUE”は最高出力は560PS、最大トルク480N.mを発生させ、トランスアクスルの6ATにより後輪を駆動するFRレイアウトが取られている。
0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は325km/hにも達し、最高速に関しては国産車トップとなる。ヤマハがチューニングを行ったLFAのエンジンサウンドは”天使の咆哮”と呼ばれ、国産車とは思えないほどの官能的でクリアな音を奏でることでも有名である。
世界でも一級の運動性能と官能性を突き詰めたLFA。その新車販売価格は3750万円にも達したが、世界限定500台という希少性もあり販売は抽選で行われ、購入することができなかった人もいたほど。
国内で新車を手に入れることはまず不可能となってしまったが、中古車市場であればちらほら販売されている個体を見つけることができる。ここまでの性能と贅を惜しみなく投入したクルマが今後開発される可能性は非常に少ないだろう。購入するなら、個体が残っている”いま”である。
2位|日本の技術力を世界に知らしめた最強スポーツカー 日産 GT-R
【パワーウェイトレシオ:3.08】
日産 GT-Rは、初代スカイラインGT-R(C10型)から数えると、6世代目となる日産のスポーツカーである。
大ヒットとなったR32型スカイラインGT-Rから、R34型スカイラインGT-Rまで続いた名機”RB26DETT”エンジンを刷新し、R35 GT-Rからは新開発のV型6気筒ツインターボエンジン”VR38DETT”が搭載されている。
2017年モデルに搭載された”VR38DETT”の最高出力は570PS、最大トルクは480N.mとなり、世界でもトップクラスのエンジンパフォーマンスを発揮している。
3位|国産初のハイブリッドスーパーカー ホンダ NSX
【パワーウェイトレシオ:3.09】
1990年に登場し、2006年まで生産されたホンダのミッドシップ・スポーツカーNSX。ホンダはこのNSXを10年ぶりに復活させ、最新のハイブリッドシステムを搭載した国産ハイブリッド・スーパーカーとして2017年2月に登場させた。
3.5リッターのV型6気筒エンジン”JNC”をミッドシップに搭載し、前輪は左右独立した2つのモーター、後輪にはエンジンをアシストをする1つのモーターが搭載された、SPORT HYBRID SH-AWDと名付けられた4輪駆動システムを採用。
エンジン単体の出力だけでも507PSにもなるが、ここに48PSを発生させるエンジンアシスト用モーターと、前輪左右の駆動を担当する37PSのモーターが2基搭載され、システム出力581PSという高出力を得ている。
4位|自然吸気V8エンジンを搭載した希少な存在 レクサス RC F
【パワーウェイトレシオ:3.73】
レクサス RC Fは、2014年に登場したスポーツクーペのRCシリーズの頂点に立つモデルだ。V型8気筒の2UR-GSEエンジンは2007年に登場したIS-Fのエンジンを改良して搭載。圧縮比の変更、燃焼室の形状変更、排気系など全てが見直され、従来の423PSから54PSアップとなる477PSを実現している。
5位|RC Fと同じV8 5リッターをセダンに搭載 レクサス GS F
【パワーウェイトレシオ:3.83】
GS Fは、RC Fの登場から約1年後の2015年11月に登場したスポーツセダンだ。”F”の名を冠したセダンとしては2台目となるモデルで、乗車定員が5人となるのも”F”シリーズでは初めて。スタンダードのGSよりもボディ剛性を高めるため、スポット溶接やレーザー溶接の個所を増やし、過酷なサーキット走行にも耐えるボディを実現した。
剛性が上がったボディに対応するため、サスペンションやブレーキにもGS F専用に開発されたものが装備されている。エンジンはRC Fと同じ2UR-GSEが搭載されているが、車重が重いために順位を落としている。大人5人が快適に移動できる、ハイパフォーマンス・スポーツセダンとしては国内で唯一の存在だ。
6位|レクサス Fシリーズはこのクルマから始まった レクサス IS F
【パワーウェイトレシオ:3.99】
IS Fは、レクサスのトップスポーツモデル”F”シリーズとして初めて世に出たモデルだ。2代目ISのGSE2#型がベースで、ミドルサイズのセダンにV8 5リッターの心臓を詰め込んだ、ハイパフォーマンス・スポーツセダンとなる。
エンジンは、当時LS600hに使われていた2UR-FSEをIS F専用にチューニングした2UR-GSEを搭載。最高出力423PS、505N.mを発生し、0-100km/h加速は4.8秒、最高速300キロオーバー(日本仕様は180km/hでリミッター作動)のパフォーマンスを誇る。
7位|レクサスが誇るグランドツーリングカー レクサス LC500
【パワーウェイトレシオ:4.06】
レクサス初のFセグメントクーペであるLC500は、V6 3.5リッターハイブリッドのLC500hとV8 5リッターのLC500に分けられる。このうち、V8 5リッターを積んだLC500は他の”F”シリーズと同じ2UR-GSEが搭載され、エンジンスペックも共通となっている。
スポーツカーというよりはグランドツーリングカーの位置づけなので、エクステリアやインテリアはラグジュアリーな仕上がりを見せている。
2トン近い車重のため低めの順位になっているが、国内のカーラインナップでは間違いなくトップクラスのパフォーマンスを持っている。
8位|ホンダが誇るスポーツホットハッチ シビック タイプR
【パワーウェイトレシオ:4.34】
2017年9月に発売されたシビック タイプRは、輸出仕様も含めると5代目となるモデルだ。これまで発売されてきたシビック タイプRはあくまでもベースとなるシビックに改良を加えて販売されてきたが、今回のシビック タイプRでは開発段階からタイプRだけの開発シナリオがあったことも特徴。
エンジンは先代から引き継いだ2リッターVTECターボのK20Cをベースにしながらも、チューニングと改良が加えられ、最高出力は10psアップの320psとなる。
9位|国産FRスポーツの代表格 日産 フェアレディZ
【パワーウェイトレシオ:4.46】
フェアレディZといえば、クルマ好きでなくとも一度は聞いたことがあるという人が多いだろう。フェアレディZの歴史は古く、初代が発売されたのは1969年のこと。現行のZ34型は初代から数えると6代目となるモデルで、2008年にフルモデルチェンジが行われたモデルだ。エンジンはスカイラインやフーガにも搭載されている、336PSを発生させるV型6気筒自然吸気のVQ37VHR型エンジンを搭載。
1500キロという比較的軽量な車体と伸びやかに回るエンジンフィールのおかげで、スポーツカーを意のままに操っている感覚が体感できる。
今では圧倒的に少なくなった、マニュアルトランスミッションが選択できるのも見逃せないポイントだが、もし次期モデルが発表されることがあるとすれば、全車AT化も十分に考えられるだろう。
10位|WRC育ちのAWDスポーツセダン スバル WRX STI
【パワーウェイトレシオ:4.83】
WRX STIは、レヴォーグやWRX S4とシャシーを共通とするスポーツセダンである。
WRX STIには、スバル伝統の2リッター水平対向エンジンの「EJ20型」4気筒ターボが搭載される。最高出力308PS、最大トルクは自然吸気エンジンでは4リッター相当となる422N.mを発生する。
駆動方式はAWDのみ、トランスミッションも6MTのみという硬派な設定となる。(WRX S4のトランスミッションはCVT)フロントにヘリカルLSD、リアにはトルセンLSDを搭載し、VTD-AWDと呼ばれる電子制御装置で前後の駆動配分を可変させる。どのような路面でも強力なトラクションを発生し、力強い走りが可能だ。
ハイパワーな内燃機関を搭載したクルマを買えるのはあと少し?
世界的なエンジンのダウンサイジング化、EV化へのシフトの影響で従来のような多気筒エンジンを搭載した車は減少傾向にある。しかし、大排気量のエンジンだけが持つ溢れるようなトルクフィールや、多気筒エンジンが高回転で奏でるサウンドはダウンサイジングエンジンやEVでは感じることができないものである。
イギリスやフランスでは、2040年までに内燃機関を搭載した自動車の販売を禁止する方針が発表されて話題を呼んだ。日本も諸外国と同じような流れになるとは限らないが、少なからず影響は受けていくだろう。大量の空気とガソリンをシリンダーにばら撒き、一気に爆発させるハイパワーエンジン。このような車が当たり前のように乗れるのは、あと数十年だけになってしまうのかもしれない。
レクサスLFAねえ。これも2005年あたりのF1真っ盛りのころに登場したスーパーカーでどんな車になるのか注目していたが、リーマンショックでトヨタがF1から撤退、この車も存在意義を失いかけて計画中止などと言われた時期もあったが、世界500台限定販売で生き残った。開発には相当な金をかけたんだろうし、まともに売ったら3750万なんて価格じゃあ済まなかっただろう。作れば作るほど赤字が膨らむ状態だったんじゃないだろうか。でも車自体はいい車だよね。初代ソアラの衝撃には及ばないが、・・(^。^)y-.。o○。
GTーRもねえ、時々見かけるが、ちょっと夢がないかも、・・(^。^)y-.。o○。
NSXも評判よかったねえ。当時の自動車評論家がこぞって買ったらしい。これを買わなきゃ評論家が廃るというところだろうか、・・(^。^)y-.。o○。
4位から7位はレクサスが並ぶ。ISFが出たときは本気で購入を考えた。RCFは結構すごいんだねえ。GSFはトヨタ博物館で見た。自分の車と違い過ぎて何がどうなっているのかよく分からなかった、・・(^。^)y-.。o○。
シビック TYPE Rは雑誌などでずいぶん評判だった。フェアレディは息の長いモデルで日産はそう数が出ないスポーツカーを大事に育てているところがえらい。スバルは4WDの水平対向ボクサーターボで以前の職場で仕事用に導入されていたのに乗ったけど100キロを超えるとめちゃ速かった、・・(^。^)y-.。o○。
車の醍醐味はパワーなんて言う時代はもうとっくに終わっているようだけどやっぱり車は圧倒的な加速だなあ。パワーウエイトレシオでもっともよかったのはビスタVSで6.8キロ、これ以上の車には乗ったことがないけど、バイクはねえ、「ワープ」、・・だからねえ、・・(^。^)y-.。o○。