2012年10月17日
Week5までのデータをもとに、各チームの特徴を分析する。
今日は前編としてここまで4勝1敗以上の成績7チームを紹介しよう。
スタッツ中、得失点と獲得/喪失ヤードは1試合あたりの平均、インターセプト/サック数は
総数を示す。被インターセプトと被サックは回数が少ないほうを上位とした。
パス/ラン比は、ヤード比ではなくプレイ回数の比を示す。
テキサンズ 5-0
得点29.8(3位)/失点14.6(4位)
QBレート 99
獲得ヤード 14位 Pass229y(20位)/Run143y(6位)
被インターセプト2回(4位)、被サック3回(1位)、ファンブルロスト1回
パス/ラン比 45/55
喪失ヤード 3位 Pass190y(4位)/Run86y(9位)
奪インターセプト7回(5位)、奪サック16回(5位)、ファンブルテイクアウェイ4回
AFCの全勝チームはテキサンズ。攻防ともに優れた高バランス型のチームだ。
QBは9年目のマット・ショウブ。パス獲得ヤードは229yで20位だが、ここまで5試合で
被インターセプトが2回、被サックが3回と固い攻撃ラインと相まって、ゲームを壊すミスが
ほとんどない。総合獲得ヤードは14位だが、総得点で3位と効率の良いのは、ミスが
少ないからだ。ラン攻撃が強力。エースRBはフォスターで、長身のパワータイプ。
二年連続1200y越えを達成し、ここまでもほぼ毎試合100yを走る。
そのためパス/ラン比は45/55とパス重視の現代NFLでは珍しい。
守備は前も後も強い。総合喪失ヤードは3位、失点でも4位だ。さらに奪インターセプト
は7個と強力。奪サック数も16個。備の要は現在奪サック王(8.5個)のDEワット。
ほとんどの数字がベスト10内はたいしたものだ。
連勝はどこまで続くだろうか?
ファルコンズ 5-0
得点29.6(6位)/失点18.6(8位)
QBレート 109
獲得ヤード 12位 Pass282y(7位)/Run95y(21位)
被インターセプト3回(7位)、被サック12回(17位)、ファンブルロスト1回
パス/ラン比 62/38
喪失ヤード 17位 Pass203y(7位)/Run142y(27位)
奪インターセプト9回(2位)、奪サック13回(11位)、ファンブルテイクアウェイ5回
NFCの全勝チームはファルコンズ。こちらも攻防共に優秀だ。QBは5年目のマット・ライアン。
テキサンズほど攻撃ラインは良くなく被サックが12回あるが、被インターセプトは3回と優秀。
総合獲得ヤードは12位だが、総得点で6位でテキサンズ同様決定力は十分。パス成績では
ファルコンズが上だが、ラン成績はテキサンズに劣る。エースRBはマイケル・ターナーで、
豆タンクタイプ。二年連続1300y越えだが、今季は一試合平均65yとぎりぎり1000yペース。
パス/ラン比は62/38でかなりパス偏重のチーム。
守備もファルコンズ同様前後ともに強い。総合喪失ヤードは平凡だが、失点が8位と
一流クラスで、勝負強い守備と言える。ラン守備が弱点かも知れないが、パス守備は
得意だから、パス攻撃の優秀さを考えれば、先行してパスの投げ合いに持ち込むのが、
ファルコンズの勝ちパターンなのだろう。奪インターセプトも多く、奪サックは13個で
11位タイは十分。
テキサンズに比べればやや劣るスタッツではあるものの、パスの爆発力ではファルコンズ
が上だろう。この両者が対戦することがあるとすれば、スーパーボウル。
好ゲームになること間違いなし。
レイブンズ 4-1
得点26.0(10位)/失点17.9(7位)
QBレート 90
獲得ヤード 8位 Pass281y(8位)/Run118y(13位)
被インターセプト4回(12位)、被サック13回(21位)、ファンブルロスト2回
パス/ラン比 61/39
喪失ヤード 24位 Pass261y(22位)/Run118y(20位)
奪インターセプト6回(8位)、奪サック9回(19位)、ファンブルテイクアウェイ6回
ファルコンズと良く似たタイプのチーム。QBはライアンと同期のジョー・フラッコ。
パス獲得ヤード、被サック、被インターセプトは、ライアンとほぼ同じ数字。総合獲得
ヤードは8位、総得点で10位と十分優秀。ラン攻撃は、テキサンズとファルコンズの中間
くらい。エースRBはR・ライス。豆タンクタイプのランナーで、3年連続1200y越えを達成
している。パス/ラン比は61/39とこれもファルコンズと同等。
守備は前に厚みがあるタイプだが、後ろに抜かれると弱い。守備の要はLBのR・ルイス。
パワーとスピードを兼ね備え、中盤から圧力をかける。喪失ヤードはあまり良くないものの、
失点そのものは7位だから、ゴール際に強いディフェンスと言える。
奪インターセプトは6個、奪サックは9個とまずまず。ビッグプレイも十分狙える。
実績のあるスティーラーズに変わって、地区首位を走る。スティーラーズとの同地区
対決は必見だ。
49ers 4-1
得点29.8(5位)/失点13.6(1位)
QBレート 109
獲得ヤード 6位 Pass205y(27位)/Run196y(1位)
被インターセプト1回(1位)、被サック12回(17位)、ファンブルロスト4回
パス/ラン比 46/54
喪失ヤード 2位 Pass181y(2位)/Run81y(7位)
奪インターセプト4回(18位)、奪サック9回(19位)、ファンブルテイクアウェイ6回
テキサンズ同様、ハイレベルなバランス型のチームだ。QBは生え抜き8年目の苦労人
アレックス・スミス。今季のレーティングは109と去年の91を大きく上回る。パス獲得
ヤードは悪く見えるが、ランプレイが極端に多いためで、パス成功率68%、1回平均7.9yは
超一流の数字だ。被インターセプトがわずかに1回は堂々1位タイ。被サックが12回なのは、
「無理に投げるよりはサックのほうがマシ」というチーム哲学によるものだ。パスヤードが
少ない割に総合獲得ヤードが6位と上位なのは、ラン攻撃がぶっちぎりで強いから。得点
でも5位と決定力は十分。ラン攻撃を支えるのはエースRBのF・ゴアと2番手のK・ハンター。
さらに走力に優れた控えQBケイパーニックと層の厚さを誇る。
堅固な守備も特徴で、総合喪失ヤードは2位、失点は堂々1位。パスにもランにも対応
できる。奪インターセプトは4個、奪サックは9個と平凡だが、ビッグプレイに頼らない
守備ができるチームだ。
キッキングチームも強く、Kエイカーズは開幕戦で歴史に残る63yキックを決めたし、
Pリーはコントロールパントが得意。どちらもベテランだ。リターナーを務める
ウィリアムスも、キックオフで平均30y以上、パントで10y以上リターンしている。
アメフトの4要素、投・走・守・蹴の4拍子揃ったチームが49ers。
一敗こそ喫したものの、安定して勝ち星を重ねるに違いない。
ベアーズ 4-1
得点29.8(4位)/失点14.2(3位)
QBレート 79
獲得ヤード 19位 Pass223y(22位)/Run124y(11位)
被インターセプト7回(28位)、被サック14回(25位)、ファンブルロスト1回
パス/ラン比 51/49
喪失ヤード 6位 Pass225y(13位)/Run66y(2位)
奪インターセプト13回(1位)、奪サック18回(2位)、ファンブルテイクアウェイ4回
このチームも個性的だ。伝統的に守備が強いチームだが、特にインターセプトや
ファンブルでテイクアウェイするのに長けたチーム。攻撃陣よりも守備陣とキック
チームで取った得点のほうが多い試合が何度もあるくらいだ。インターセプトと
ファンブルで奪った回数は合わせて17回は今季堂々の1位。そのうち5つをタッチ
ダウンに結び付けている。
QBは7年目ジェイ・カトラー。ブロンコスから移籍してきて4年目になる。守備陣
の強さに反して攻撃ラインは弱く、このチームのQBはいつも苦労することになる。
今季も例年通り、パス攻撃のどの数字も良くない。エースRBのM・フォルテはケガ
の影響もあって活躍できてない。2ndRBのM・ブッシュの健闘に期待したい。
守備はタレント揃い。中盤を守るLBアーラッカーとブリッグス、ラインのペッパーズ、
後ろを守るSライトとCBジェニングスはいずれもビッグプレイメーカーだ。
キッキングゲームにも強い。既にリターンTD計17個でNFL記録を塗り替えた最強
リターナーD・ヘスターがリターンを始めるだけでも、何か起りそうな予感がする
ほどだ。残念ながら、かなり警戒されていて今季はまだないが、ベアーズの
リターンゲームは注目したい。
攻撃のミラクルが期待できるのがイーグルスなら、守備やリターンのミラクルが
期待できるのがベアーズ。こういうチームがリーグをかき回すから、NFLは面白い。
バイキングズ 4-1
得点24.0(14位)/失点15.8(6位)
QBレート 96
獲得ヤード 20位 Pass211y(24位)/Run133y(9位)
被インターセプト2回(4位)、被サック9回(9位)、ファンブルロスト4回
パス/ラン比 50/50
喪失ヤード 7位 Pass226y(14位)/Run79y(6位)
奪インターセプト2回(25位)、奪サック13回(11位)、ファンブルテイクアウェイ5回
去年と比べて今季とても良くなったチームの一つ。
今季はまだ観戦してないので、データのみの分析。
QBは2年目のクリスチャン・ポンダー。去年11試合分のレーティング70に比べて
ずっと良くなっている。特に被インターセプトが少なくなっていることは評価に値する。
被サックもずっと改善されており、攻撃ラインが強化されているようだ。
エースRBはA・ピーターソン。ピーター損と言われるように、ファンブル癖が
あるものの、若いQBの負担を減らせる戦略が取れるのも大きい。
さらに守備が良くなっているのも大きい。去年の失点は1試合あたり28.1で31位
だったザル守備が、1年でこんなに良くなるものかとびっくりする。特にラン
守備が良いが、パスの得意なチームにあたったらどうなるだろうか。
特筆すべきはキックオフリターナーのハービンと、パントリターナーのシェレルス。
ハービンは、105yのリターンタッチダウンを1回決めているし、それを除いても
平均30y以上リターンしている。シェレルスも、77yのリターンタッチダウンを1回
決めているし、それを除いても平均8yのリターンだ。ここのリターンゲームも
面白そうだ。
Week3で完璧チーム49ersに勝ったことで、勢いづいているのだろう。
今季の台風の目と言える。同地区のベアーズやパッカーズとは今季未対戦。
そこで結果が出せるかどうかが今季の行方の分かれ目になりそうだ。
カージナルズ 4-1
得点18.8(25位)/失点15.6(5位)
QBレート 90
獲得ヤード 31位 Pass210y(25位)/Run63y(31位)
被インターセプト3回(7位)、被サック22回(32位)、ファンブルロスト4回
パス/ラン比 61/39
喪失ヤード 12位 Pass231y(18位)/Run103y(14位)
奪インターセプト5回(14位)、奪サック17回(4位)、ファンブルテイクアウェイ6回
バイキングス同様、こちらも今年生まれ変わったチームだ。特に守備が良い。
あまりブリッツを多用するタイプではなかったものの、奪サック17回は見事。
攻撃陣は、わずかに1敗のチームとは思えないほどだが、被インターセプトが
少ないのは落ち着いてプレイできている証拠。
QBは6年目のケビン・コルブ。4年間イーグルスの控えQBを務めた後、新天地
を求めて去年移籍してきたが、まだフル出場は無い。去年からエース争いを
している2年目のQBスケルトンは、開幕戦でケガで欠場。このチャンスに実績を
作っておきたい。去年は9試合で8インターセプト、レーティングは81だったが、
それよりずっと良くなっている。ランに特筆すべきものは無い。
Week2にペイトリオッツ、Week3にイーグルスを破って台風の目になったが
Week5で同地区のラムズ相手に3-17でまさかの敗戦。攻撃が全く機能しなかった。
Week6のビルズ戦で再び勢いを取り戻し、Week7のバイキングズ戦に挑みたい。
Posted at 2012/10/18 23:34:34 | |
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