この週末で、ようやく3回目(BS、GAORA、そしてG+)の観戦を終了。
NFLウィークリーでおさらいして、やっと感想記が書けます。お待たせしました。
何といっても、今季のスーパーボウルにはドラマがありました!
その前の試合のAFC決勝戦で、ペイトリオッツを破ったブロンコスのマニングは
相手チームのベリチック監督にこう言ったそうです。
http://www.nfljapan.com/headlines/73503.html
「聞いてくれ、今回は自分にとって最後のロデオになるかもしれない。
だからこそ楽しいものになると確信しているんだ」
「今回は」というのは、当然今回のスーパーボウルのこと。
それが最後のロデオと言うのだから、観るほうも気合入ります。
数々の記録を残したマニングにとって、最後に必要な勲章が「スーパーボウルを複数回
制覇すること」でありました。自分にとってもマニングに勝って欲しいという気持ちは、
これまで観てきたスーパーボウルの中で一番強かったです。
しかし相手のパンサーズは、今季絶好調。NFC決勝戦でも2位シードのカージナルスを
圧倒する王者ぶりを見せつけました。
一方のブロンコスは、プレイオフでもぎりぎりの接戦続き。自慢の堅い守備陣で
勝利をものにしてきたものの、マニングはこれと言った活躍はできてません。
パンサーズと似たタイプのチーム、シーホークスにボロ負けした一昨年のスーパー
ボウルの悪夢が頭をよぎります。
しかし、シーズン通して成績の良かったチームよりも、苦労して勝ち進んできたチーム
のほうがスーパーボウルで勝つことのほうが多い、というのも事実です。
さらに、一昨年の惨敗を糧に鍛えてきた守備陣は、総喪失ヤードとパス喪失ヤード、
奪サック数でいずれもNo.1を誇ります。特にパス喪失ヤードが200y/Game未満というのは、
パス主体の現代NFLでは考えられない数字です。まさに最強の盾のチーム。
対するパンサーズは、今季得点力が31.3点/GameでNo.1となってます。
今季のスーパーボウルは、最強の盾と最強の矛の戦いでした。
試合はブロンコスから先攻、マニングの1stドライブは、定石通りラン主体で来るという
予想を完全に覆して、まさかの4回連続パスプレイ!思い切ったことをしました。
意表を突かれたパンサーズ守備陣も、マニングのパスをなかなか止めることができません
でした。多分、序盤はランを止めることを意識していたせいかも知れません。
相手エンドゾーン手前で止められてしまい、FGで3点先制のみとなりましたが、この先制
パンチは試合に大きく影響しました。このドライブではマニングは7/9の成功率、63yの
ゲインですから、大成功です。かつてのマニングはどちらかと言えばスロースターター
だったので、このオープニングドライブの成功には、いつもと違う覚悟が見えました。
対照的だったのは、パンサーズのQBニュートン。フィールド上でいつも見せる人懐っこい
笑顔は全く無く、どこか緊張したかのような面持ちでした。今季よく見られた思い切った
プレイもあまり出せず、QBオプション(RBに渡すか自分で走るかを、QB自身に選択権が
あるプレイ)でも、判断が遅れがちで、あわやファンブルということもありました。
ニュートンの最初のドライブは、あっさり3&アウト。2度目のドライブで、ゲームは
大きく傾きました。自陣15yからの1stダウンで、LBボン・ミラーのサック&ファンブル
フォース!それをブロンコス守備ラインのジャクソンがリカバーしてタッチダウン。
最強の守備が、早い時点で7点をマニングに献上しました!
ここからはマニングは無理をせず、丁寧なプレイを続けるスタイルに変更したように
思えましたが、それではなかなかパンサーズ守備陣を突破できません。
そうこうしているうちに2Qに、心配された守備陣の(というかCBタリブの)反則もあり
エンドゾーン手前まで攻め込まれて、最後はエースRBスチュワートにダイブされTD!
7-10と迫られてしまいます。
ここでいったん試合は落ち着いてきたかのように見えましたが、次のビッグプレイは
ブロンコスのリターンチームから出ました。通常ならフェアキャッチするような状況の
パントを、Rノーウッドがノーシグナルでキャッチ、勘違いしたパンサーズパントチームの
選手が慌てて避けてしまうというミスもあり、SB最長記録の61yのパントリターンと
なりました。
やはりTDは阻まれたもののFGで3点追加、7-13と差を広げます。
この後は、互いにターンオーバーを取り合う守備合戦。そのまま前半終了となりました。
3Qに入って、まずミスがあったのがパンサーズ。ロングパスのターゲットであるWRギンが
大きくゲインを稼いでブロンコス陣深くまで来たものの、最後に44yのFGをKガノがミス!
ロースコアゲームになりがちな守備合戦で、このミスは大きかったと思います。
返しでマニングは十分時間を使ってドライブを進め、やはりTDは取れなかったものの
FGで3点追加、9点差と2ポゼッション差にします。
こうなってくると、パンサーズは攻撃のプレイの選択肢が限られて来ますし、追うゲーム
展開には慣れてないのか、あせりからか、絶好のポジションでインターセプトされ、ミスの
連発となってしまいました。
4Qに入ると、奮闘していたパンサーズ守備陣にビッグプレイ、マニングからファンブル
テイクアウェイ、絶好のチャンスをニュートンに与えます。
しかし、やはり最強の盾がTDを許さずFGの3点のみ。
逆転にはもう1回ビッグプレイが必要なパンサーズでしたが、逆にブロンコスの守護神
ボンミラーが再びサック&ファンブルフォース、LBトレベイサンがリカバーしました。
このチャンスにブロンコス攻撃陣が奮起、相手の反則にも助けられて攻撃陣が初めて
TDを上げると、仕上げにマニングのパスで2点コンバージョンも成功、ついに勝利を
決定付ける14点差としたのでした(残り時間は3分少々のみ)。
最強の盾が試合を制した!という感じでしたね。
MVPは、納得のボン・ミラー。この人、LBの癖にめちゃくちゃ速かったです。
QBへパスラッシュもできるし、WRのパスカバーも上手だし、やはり凄いと思いました。
守備陣のテコ入れのために昨季からカウボーイズから移籍してきたデマーカス・ウェアも
素晴らしかったし、反則野郎のタリブも活躍したし、とにかくこれほど完成度の高い守備陣は
見たことないです。
両軍合わせると、サックは12回、ファンブルは7回(うちターンオーバーは4回)、インターセプト
は2回、パントは15回と、とにかく凄まじい守備合戦のスーパーボウルだったと思います。
最後のロデオを見事勝利で飾ったマニング、おめでとうございます~!乾杯~
それから、節目となる50回目のオープニングセレモニーで、歴代SBMVPの表彰式は
とても良かったですね。今のように熱心にNFLを観るようになったのは、10年前くらい
からだけど、それ以前の選手でも名前だけは聞いたことのある選手がチラホラ出てきて、
歴史を感じました。
日本にアメフトブームを起したジョー・モンタナとジェリー・ライスは、やっぱり一際
感激しました。