終わってみれば1回戦は・・・
AFC:序盤差が開いて、後半なんとか追い上げるも、逃げ切って勝ち。
NFC:守備合戦のロースコアゲームで接戦
という試合展開だった。
さらに、4試合ともベテランQB対若手QBの構図だが、ベテランが3勝、若手は
プレスコットの1勝のみ。プレスコットは1回戦負けとは言えプレイオフ経験が
あるものの、他の3人は初のプレイオフで、やはりプレイオフでは経験の差は
大きいと言える。
シード順では、カウボーイズのみがシード上位の勝ち。残りの3試合は、シード
下位が勝つアップセットとなった。ただし、チャージャーズは勝率で言えば、
1位と同率なので、順当と言えば順当。
コルツ@テキサンズ 21-7
前半はコルツが圧倒的に試合を支配し、テキサンズは4Qに1TDを返すがやっと。
2年目QBデショーン・ワトソンには苦い洗礼となった。
テキサンズ強力守備陣のプレッシャーが、コルツのQBラックに全く届かず、サックを
1回も奪えなかった。コルツの攻撃ラインは、全チーム中最強と言っても良いと思う。
コルツの守備では、フロントは4人のみで、7人をパスカバーに回す大胆な
フォーメーションを採用。ワトソンのパスはなかなかレシーバー陣に届かず、
レーティングは70点。ランで打開するべきなのだが、コルツのフロント4人の
圧力が桁違いで、モバイルQBワトソンは8回76y走られたものの、エースRB
ミラーは5回18y止まり。大きく差をつけられた後半では、時間を使いがちな
ランを出せなくなり、テキサンズの攻撃は完全に封じられた形となった。
先制しようと、序盤に4thダウンギャンブルを連発し、それが悉く失敗したのも
敗因の一つだろう。工夫したランプレイも無く、コーチ陣の戦略では、圧倒的に
コルツが上回っていた。
コルツは2回戦でチーフスと対戦する。コルツのコーチ陣が、テキサンズとは
全く異なるタイプのチーフス相手に、どんな戦略を用意するだろうか。
一方チーフスは、QBマホームズのパスを中心とする超攻撃的なチーム。
派手な点の取り合いにも期待したい。
シーホークス@カウボーイズ 22-24
ランと守備型チーム同士の対決。カウボーイズのがっちり守備陣がシーホークスの
エースRBカーソンを13回でわずか20yに押さえたのに対し、カウボーイズの
エースRBエリオットが26回、最長44yを含む計137yと走りまくり。ボール保持
時間でも10分近い差をつけた、カウボーイズが勝利した。
3Q終了時点では、14-10とほぼ互角の接戦。しかし、4Qに入ってカウボーイズが
TDを決めて14-17となった後は再び守備合戦で膠着状態に。残り時間TDを上げた
ほうが勝ちと思ったところ、カウボーイズのQBプレスコットが身体を張ってダイブ、
エンドゾーン手前で1stダウンを獲得。これをTDにきっちり仕上げて勝負あり。
かと思ったら、残り時間2分ちょっとしか無いのに、わずか50秒足らずの間に
QBウィルソンがTDを上げ、2ポイントも決めて2点差に。オンサイドキックが
決まれば、勝負はまだまだわからない・・・と言うところで。。。
シーホークスのKジャニコウスキーの「40歳のハムストリングが悲鳴を上げて」いて、
試合途中で退場中。。。Pディクソンがドロップキックでキックオフするも、高々と
上がったボールはとてもオンサイドとは言えないものだった。。。
キッカーの怪我は、シーホークスにとっては不幸なものだが、それは敗因とは
言えない。逆にカウボーイズのWRハーンズの怪我もあったが、パス攻撃の戦力
ダウンを地上戦でカバーしてアジャストできたからこそ、カウボーイズが勝てた
と言える。カウボーイズは、攻撃ライン守備ラインともに光っていた。
そして、どちらも反則の多いチームだが、この試合ではシーホークスの反則が
肝心なところで足を引っ張った印象だ。どこか1つ反則がなければ、勝敗は
変わっていたかもしれない。
シーホークスファンからは、ウィルソンを自由に走らせれば良かったという意見
もあった。前の試合でワトソンのラン、この試合でもプレスコットの身体を張った
ランを見せられただけに、気持ちはわかるが、7年目に入ったウィルソンに、若い
彼らと同じようにリスクを背負わせるのはできないこともわかる。
カウボーイズの2回戦の相手は、ラムズ。ラムズ守備陣が、エリオットを止める
ことができるか、そしてカウボーイズ守備陣が、ラムズのエースQBガフを止める
ことができるか、点の取り合いにもなりうるし、守備合戦になることもありうる。
良い試合を期待する。
【追記】
写真は、ハーンズのケガのシーン。うつぶせに倒れている左足のつま先の方向が
あらぬ方向を向いているのがわかるだろう。
チャージャーズ@レイブンズ 23-17
レイブンズのオープニングドライブで、わずか8プレイの間に3回ファンブル。
最後のファンブルは相手にリカバーされてしまい、これでレイブンズの攻撃陣は
浮き足立ってしまい、ファンブルや反則を連発。前半は無得点に終わる。
それでも自慢の守備陣は、チャージャーズの猛攻を前半は全てFGに抑えて
12-0で後半戦を迎える。
3QにレイブンズはFGで反撃開始、しかし4Qに入って遂にチャージャーズにTDを
2本取られて勝負あり。レイブンズは、試合終了間際に意地でTDを2本返すも、
あまりにも時既に遅し。最後のドライブもインターセプトに終わってしまった。
こちらも初プレイオフのQBジャクソンにとって、苦い経験となっただろう。
チャージャーズは、コルツと同じく7人をパスカバーに回す守備を多用。
それをレイブンズが打破することはできなかった。
チャージャーズは2回戦でペイトリオッツと対戦する。QBリバースの意気込みと
士気は高いだろうが、チーム相性とホームの気候、そしてプレイオフでの経験の差で、
やはりペイトリオッツが有利と予想する。チャージャーズの隠し玉に期待したい。
イーグルス@ベアーズ 16-15
勝った~\(^o^)/
ほぼ負けを覚悟したゲームだったが、40y代のサヨナラFGを、ベアーズのKパーキーが
外してギリギリ勝ち。パーキーは以前にイーグルスに在籍していたこともあり、
ツィッターなどでは、パーキーへの批判轟々のようだが、実はイーグルスの
スペシャルチームの選手キーパーが、キックされたボールをブロックしていたそうだ。
https://nfljapan.com/headlines/38717
やはり勝敗のカギはスペシャルチームが握っていたようだ。
イーグルスはオープニングドライブこそFGで3点上げたものの、ベアーズのパントに
度々苦しめられたり、インターセプト2回喫するなどで前半の追加点はならず。逆に
2QにFG2本取られて、3-6で試合を折り返す。
後半は、上手くアジャストして3rdダウンコンバージョンが何度も成功。フォールズ
マジックを魅せてーグルスがTDを上げるものの、その後ベアーズのFGとTD
(2ポイントは失敗)で10-15と逆転される。
その後、何度かパントを蹴り合う展開だったが、前半あんなに良かったベアーズの
Pオドネルが短いパントしか蹴られず、イーグルスは自陣40y付近からドライブ開始。
これも試合に大きく影響したと思う。スタッツでは、パントで稼いだ距離が1回平均
イーグルス45.2yに対し、ベアーズ40.7y。5回で20yの違いが出てしまっている。
そこから上手く時間を使ってTD(2ポイントは失敗)、残り時間1分足らずで
きっちり守りきって勝ちと思ったら、Kエリオットのキックオフは、敵陣10y地点に
落ち、そこからビッグリターン・・・!一番やってはいけないキックをしてしまった!
意図的にリターンさせるキックをする意味が無いし、もしそうなら5y以内に落とす
ようなキックでないといけない。やはりキッカーが、イーグルスの一番の弱点か!?
守備陣が踏ん張るも、FG圏内に進められて・・・残り10秒でのキックは、左のバーと
横のバーに2回当たって手前に落ち、外れ。嫌がらせタイムアウトも、功を奏した。
フォールズのレーティングは、インターセプト2回が響いて78点と低め。ただ、
ランがトータルで42yしか出せないベアーズ守備陣相手に、3rdダウンコンバージョン
が6/13(ベアーズは5/16)も出せたのは凄い。レジーバー陣計7人に複数回投げ分け、
ベアーズ守備陣は的を絞るのが困難だったろう。被サックも1回のみ。最低限の動きで
相手選手をかわすポケットワークは、あのブレイディを彷彿させた。昨季のSBのように
レシーバー陣のイージーなドロップが全く無かったのも良かった。ここ一番の集中力が
高い証だし、フォールズのパスが捕りやすいという評判も納得だ。
イーグルスの守備陣も良かった。何より、最強守備チーム相手に守備合戦を演じて
勝ったことが大いに自信になるだろう。時折、後ろに大きく抜かれることがあるのが
弱点だが、守備ラインの圧力と疲れを知らないスタミナ、セカンダリー陣のスピードと
執念は目を引いた。前回記事では、イーグルスは「パス主体の攻撃型」と書いたが、
この試合観るかぎり、「パス攻撃&粘り強い守備のバランス型」という印象だ。
反則では、イーグルスよりもベアーズが目立った。調べてみると、どちらも3回
だけだがイーグルスは35yに対し、ベアーズは65y。こういうロースコアゲームでは、
大きな差になる。
イーグルスは今季終盤から、非常に緻密なゲームプランで細かいアドバンテージを
稼ぎ、いざとなれば大胆にギャンブルやトリックプレイをやってのける試合運びが
できるようになっている。凄いチームだ。
イーグルスのエースWRジェフェリーは、ベアーズ出身。恩返しを果たした。
また、イーグルスの守備ラインのクリス・ロングと、ベアーズの攻撃ラインのカイル・
ロングは兄弟。実際に何度ぶつかっただろうか、兄弟対決は兄のクリスが制した。
イーグルスの2回戦の相手は、パワーランキングで1位のセインツ。ベアーズと全く
正反対のカラーのチームだけに、イーグルスコーチ陣の手腕が試される。レギュラー
シーズンで惨敗している相手だが、今のイーグルスはそのときとは全く異なるチームに
生まれ変わっている。敵地のドーム球場という不利はあっても、互角の勝負ができる
はずだ。守備ラインの圧力でロースコアゲームに抑えれば、勝機はあると確信する!
アンダードッグの意地を魅せろ!イーグルス!