
コースは大槻先生作成の、前半は外周と言うか大回り、中盤に広いスラローム、後半にテクニカルと言うもの。ほんとにビギナー向けなのか?と思うようなテクニカルです。
■慣熟歩行時に気付いたのですが、路面がサーキットの方(パドックから見て奥の方)に下っています。
■スタートラインがずいぶんとアウト寄りに寄っていて、本部前テントの際を通らないと車をまっすぐに向けることができず、一旦スタートラインについたあとにバックしてまっすぐに向きを変える人が多くいました。ここら辺はわざとなのか分りませんが、ずいぶんとビギナーにはやさしくない設定だなと思いました。
■スタートして最初の右コーナー(2番、3番)が下りなので、早めにブレーキをかけないとアンダーが出てしまいます。外周は排水溝まで使わない設定だったので車の挙動が乱れず、この奥の部分だけで言えば安全でした。
■3番右コーナー後の外周は横グリップが効きません。タイヤの皮剥きもせずいきなり走ったからか?と焦りましたが路面のグリップが低いようです。その後続く右コーナー後(4番)も膨らんでしみます。
■連続右コーナー(5番、6番)は案外パイロン間が近く、練習走行ではアンダーを出しながらのコーナーリングとなってしまいました。本番ではかなり抑えましたがそれでも苦しい感じとなってしまいました。
■外周折り返し(3番、2番)は1速に入れサイドをちょんと当てたつもりが・・・、練習走行も本番1本目もカウンターが当たるくらいテールが出てしまいました。グリップが低いことを計算に入れないとダメでした。2本目は何とか成功しました。
■折り返し後の直線(1番、7番後)はグリップが悪いため意外と向きをまっすぐにするのが難しく、練習走行ではほとんど踏めず。本番では1番の手前でしっかり減速して向きを変えることに注力しました。
それにしてもこの1番はガードレールとの距離が近い。FRの人が下手に踏んだらテールブレイクしてガードレールに張り付いちゃうんじゃないかと思うくらい。対象者をビギナーに見据えているのなら安全面は絶対にしっかりしてもらいたいなと思いました。
■それを言うなら7番後の直線の先でコースを2分割している横倒しパイロン群も、やりたいことは分りますが効果としては疑問でした。もしテクニカルエリアに誤進入するのを防ぐためなら、7番のあとにアウト側に規制パイロンを置くべくだったと思います。
実際、motokiさんは練習走行のときに気持ち良く踏んで行って横倒しパイロン群の右側に進入してしまったそうです。
■森側に進入する8番、9番はかなり危なかったですね。実際A3最終走者のランサーさんが、本番1本目でここを曲がり切れずアウト側の森に突っ込んでしまい、一瞬車の腹も見えたくらい傾きました。
8番をかなり手前にするか、9番を省略すべきだったかなと。多分みんなアウト側の9番を見ながらコーナーリングしてしまってたと思います。ここのコーナーリングは、グリップが悪いのでかなり手前から減速しないといけないと悟り、横倒しパイロン群の途中からもうブレーキを当てました。
■そのあとの左コーナー(10番、11番)は全く無難な設定。ただ、スラローム入口の4番にピタッとノーズを合わせるのが結構難しかったです。練習走行、1本目ともここは2速のままで行ったのですが、もっさりしていたので2本目は11番あたりで1速に落としました。
この4番でアンダーを出してスラロームが苦しくなる人も多少いましたね。
■スラロームはいやらしい設定。前半(4番~12番)は26歩、後半(12番~6番)は22歩と、あとになるにつれ微妙に間隔を短くしています。さらにスラロームエンドでかなりきつい左ターンです。
練習走行と1本目はスラロームエンドで1速に落とし、Gが右に切り替わった直後にサイドを入れてクイックに左ターンをしました。しかし、グリップが低いためここでも大カウンターが当たるほどテールが出ました。2本目はサイドを引かずグリップで行きましたが、ビデオを見るとかなり行きすぎてかつ大回りしています。どっちが速かったんでしょう。
■さてテクニカルゾーンに入ります。最初に左270度、次に右270度、さらに左180度、右90度、そしてとどめにゴール前左270度。こんな設定にみんな良く文句も言わず、上手に走って行きます。
ただ、良く拝見するとまず最初の左270度は助走距離があるのでスピードを上げて突っ込んで慣性で回しているような感じです。確かにグリップが低いので気をつけてもそんな感じになってしまうのですが、筑波でターンを覚えるとグリップの良い関越では全く通用しないのではと思います。
まあサイドターンを楽しむためなら筑波はかなりやりやすいかも知れませんし、参加者の皆さんはサイドターンをしたくてそれを楽しみにしてるようですので慣性で回る設定は良いとは思いますが、この場所、この設定でやってても前述のように他の場所、他の設定では通用しないような気がします。
長くなりましたが、参加者に楽しんでもらいたいためならこの設定は大アリですが、今後の登竜門にするとしたらどうなのかな、ってのが感想でした。
■さてやっとテクニカル1個目の13番左270度。ここは回しやすいですが衛星軌道にもなりがち。そんななか、ガッツさんは後半に頭をすっと入れるうまいターンをしていました。
■次の15番右270度。ここも助走距離があるので慣性で回せますが、アクセルを入れ過ぎるとこちらも衛星軌道に。本番2本目でショックを固くして踏ん張れるようになったのでアクセルを入れ過ぎたら自分も大回りになってしまいました。
■14番の右180度は難しい。一見右90度みたいに見えますが、次の16番を右にターンして少し直線があるので、16番を大外から入れるように14番を深く回しこむ必要がありました。で、ここでアクセルを入れ過ぎると大回りになってしまいがちで、最悪は観戦席側の規制パイロン群にテールを当ててしまいます。実際当てた危ない車もいました。ガードレールに当たらなくて良かったっですね。
■次の16番右90度は意外に皆さん上手にクリアされ、右後輪で踏むか踏まないかのギリギリの見事なターンを披露してくれていました。自分はここでサイドを引いたのですが、2本目は効かずに失敗しました。
■そのあとちょっと直線があって、17番左270度ですが、ここも助走距離があるので慣性で回しこめます。ただ、やはりグリップが低いので早めにアクセルを入れると衛星軌道になってしまいます。
13番、15番、そしてこの17番の各270度に共通して言えるのが、いずれも助走距離を取れるためにかなり手前からサイドを当ててテールを振り出してしまいがちです。ぐっさんにも同じことを指摘され、本番では多少気をつけてみたのですがブレーキのグリップが低いのでどうしてもオーバースピードになってしまいました。
motokiさんはこのラスト270度を小さく上手く決めていましたね。R1Rのグリップ特性を上手く掴んでいるのだと思います。
■ゴールは、慣熟歩行時にはパイロン間隔が狭くてはみ出すのではないか、奥で止まりきれないのではないかと危惧しましたが、実際に走ってみると全然そんな心配はいらないほど余裕でした。
あと、スタート地点に置いてある電光掲示板がゴール直後の場所からちょうど見えるので、どうしてもそこで一旦停止してしまいますね。
ゴールの安全面は優秀だったと思います。
■コースとしては多彩なパートが盛り込まれていて大変楽しかったと思います。走り応えもありました。1番と9番、横倒しパイロン群の安全面がもっと良くなれば最高だったと思います。
それにしても前述しましたが、こんな後半のテクニカル部分を本当に皆さん良く上手にこなすなあと感心しました。
長文大変失礼いたしました。