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連休の後半は引きこもって自宅警備。録画していたスパイダーマン３を鑑賞。
トビー・マグワイア主演のシリーズはこれで終了。
近々、キャストも設定も新しくなった新シリーズが公開されるらしい。

アメコミヒーローと言えば、名作スーパーマンシリーズがあるけれども、どちらも
シリーズ展開がそっくりだ。お約束なのだろうか。

１作目　ヒーロー誕生の経緯
２作目　ヒロインに正体を告白・結ばれる
３作目　暗黒面に堕ちたもう一人の自分と対決

それはさておき

最初に映画館で見たときも思ったけど、いろいろと詰め込みすぎなんだよね。
１つの作品に悪役が３人というのは、見るほうの焦点がボヤけてしまう。

必要ないのはサンドマン。ヴェノムをもっと凶悪・強敵に描いて、それを倒す過程で
ハリーと和解し共闘する、というテーマに絞ったほうが良かったと思う。

ヒーローものの悪役・ラスボスというのは、もっと単純に悪いヤツで憎たらしい
くらい強くて、救いようのないようなヤツでないとダメ。
そういうヤツをやっつけるから、カタルシスが得られるのだ。

この作品では、ヴェノムがそういう悪いヤツなのだけど、小チンピラっぽくて
ラスボスの貫禄には欠ける。だからカタルシスが得られない。

見た目がデカくて強そうなサンドマンは、娘を助けるお金が必要だから悪事を働いて
しまった、というポジション。例によってアメリカ的道徳感で、それならしょうが
ないから許すよ、というのがオチ。こんなヒーロー映画でスッキリするわけがない。

この映画のテーマは「許す」ということ、という評論も読んだけど、それなら
ハリーのほうに焦点をあてて、父親をスパイダーマンに殺されたと思ってたけど、
それが誤解だったから許すんだ、ということをきちんと描けばよいのだ。

主人公を中心に描くのなら、暗黒面に堕ちた自分を反省して、周囲にきちんと詫びて
許しを求めるという描写を加えれば良い。このへんがおざなりなのも、スッキリしない
要因だ。主人公はあんだけ悪いことして、おかまいなしなの？

暗黒面に堕ちたといえばハリーだけど、そこから立ち直るところもきちんと描いて
ほしかった。主人公にはメイおばさんという善の導き手がいるのだから理解できるけど、
ハリーは天涯孤独なのだから、幼馴染のMJがきちんとフォローしないとダメ。
原作でも映画の１作目でも、MJはハリーと付き合ってたんだから。

この作品に限っては、主要な登場人物はみんな自分勝手すぎて全然共感できない。
それもスッキリしない原因の一つ。

悪役にも事情があるし、許すべきところは許す。でも、許されないことをした
ラスボスを最後は全力で倒す。ヒーローものはこういう展開であるべきだ。