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2013年12月15日

大型車のはなし -東京モーターショー見学記篇4-

大型車のはなし -東京モーターショー見学記篇4- 今回の東京モーターショー見学記としては、これで最終回です。最後は、屋外にあった「日本自動車車体工業会」のブースで、トラックボデーの架装メーカーが共同で展示していた各車両を見学しました。ボデーや架装メーカーについての詳細は、こちらを参照願います。


まずは、日本初の冷凍車を製作して、現在は大型冷凍車のシェア1位を誇る矢野特殊自動車の製品です。

展示されているのは大型冷凍車で、直結式でありながら最大で-29℃を達成(保障値は-25℃)した凄いヤツです。冷凍・冷蔵輸送の詳細は、こちらを参照願います。


庫内のLED照明が斬新ですね。右下の白熊マークは、矢野特殊自動車の冷凍車のシンボルマークです。他にペンギンのマークもありますが、某社のマークにそっくりだったりして(笑)


デンソー製の冷却装置には「プラズマクラスター」も搭載されています。冷凍車の設計にあたっては、庫内温度と外気温の差による金属の伸縮でボデーが破壊されないようにする、結露対策(結露によって発生した水分が断熱材に沁み込み、経年に伴いボデーが徐々に重くなる現象を防ぐこと)など、冷凍車ならではの苦労があるそうです。

次は、いすゞ(とUDトラックス)の純正ボデーを手がける日本フルハーフが製作したボデーです。

海上コンテナを輸送するシャーシに載せられた、花を観賞するためのボデー「ROSE MOTIVE」です。とてもトラックボデーとは思えないデザインですね~。花は本社工場で栽培されているバラだそうです。


こちらは、中型トラック向けの冷蔵ウイングボデーですね。これなら、夏場の青果輸送に良さそう。それにウイングボデーだから、通常の雑貨や貸切の輸送も使えて稼働率を高くできますね。

次は、トレーラの生産では日本有数の規模を誇る、日本トレクスの製品です。

こちらは定番のウイングトレーラですが、従来の製品と比較して700kgの軽量化を実現したそうです。700kgも軽量化するなんて、そう簡単ではありませんゾ!!


床はよくある木材ではなく、樹脂製でした。木材の床は経年劣化によってささくれ立ち、穴が開いてしまうのですが、樹脂製はどんな変化が起こるのでしょうか?


タイヤは、最近徐々に普及してきた「スーパーシングルタイヤ」を装着していました。確かにタイヤの本数が少ない分、軽量化・転がり抵抗の低下が期待できそうですね。前側のタイヤが持ち上がるリフトアクスル機能も付いているそうです


こちらは一見普通のコンテナシャーシですが、コンテナをロックするのが1箇所で集中制御できるそうです。通常は四隅にそれぞれピンを差し込むのですが、ズボラな運転手は2箇所しか差し込まず、それがもとで落下事故が発生したことがありますからね。

次は、佐川急便グループの架装メーカー、SGモータースの製品です。メーカー系や独立系ではなく、ユーザー系列の架装メーカーは珍しいのでは?

これは荷物を運ぶのではなく、ボデー内に廃棄する書類を溶解させる装置を備えた車両です。SGモータースといえば低床4軸ドライバンの印象が強いのですが、こんなボデーも作っていたんですね。


後ろから、廃棄書類の詰まった段ボール箱ごと、しかもホチキスの針やクリップ、それに閉じ紐が付いたままでもオッケーというから驚きです。私の会社には保管期限を過ぎた処理しきれない伝票が山のようにあります…うちに来ませんか(笑)

こちらはダンプボデーで有名な、そして「パワーゲート」の登録商標を持っている極東開発工業の1台積車両運搬車です。

荷台部分を全部路面に下ろすから、ローダウンした車両でも接触なしに積み込めますね。市街地での使用を考慮して、作動音を極力抑えた設計だそうです。

荷台部分を引っ張るベルトや先端を持ち上げる部品など、なかなか複雑です

次は、日本通運の子会社にして特殊なトレーラ製作などを手がける、日通商事の製品です。

これは、世界初と言われるウイング仕様の国際海上コンテナ(40フィート)です。これならば、重量のある長尺物も横から楽々積めますね。コンテナ船に積み込む時は何段もコンテナを積み重ねるからさすがにアルミボデーとはいかず、通常の鉄製ではありますが。


通常のウイングボデーは電動ですが、積み替えが頻繁にあるだけにトラック側の電源に頼るわけにはいかない事から、インパクトドライバーでウイングの開閉ができるようになっています。考えましたネー!


最後は…これが一番凄かった。セミトレーラ式車載車のトップメーカー、浜名ワークスの製品です。

これは、セミトレーラをベースにしたフルトレーラの車載車で、通常7台までのところを8台積載を可能にしたものです。トヨタ車…なかでもプリウスがバカ売れ→輸送量の急増に対応するため、開発したそうです。



このように床をいろいろ動かし、ぶつかりそうになりながらも何とか?積載していますね。全長21mは本来公道を走れませんが、規制が緩和されたことにより走れるようになったそうです。


トレーラ側のタイヤは、小径ダブルタイヤの2軸仕様です。床が盛り上がるからローダウン車は無理ですが、一般的なファミリーカーの新車ならば問題なく積載できるようです。


連結部分です。もう少しローアングルで撮影すれば良かった(涙)


凄いのはトレーラだけではありません。トラクタは最長のホイールベース4.8mを誇る亀の子車載仕様が使われていますが、これを更に1m以上延長した6.3mのホイールベース! おまけに滅多に見られないローキャブ(キャブの高さを下げた特殊仕様)…スゲ~!!

…これで、今回の東京モーターショー見学記は終了します。各社の説明員の皆さん、私ごときの質問等に付き合っていただき、ありがとうございました…そして、時々突っ込みすぎた話をしてしまった説明員さん、申し訳ありませんでした(謝) この場を借りて、お礼(とお詫び)申し上げます。
ブログ一覧 | 大型車の話 | 日記
Posted at 2013/12/15 11:58:36

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この記事へのコメント

2013年12月15日 22:08
鉄道輸送用の31フィートのウイングコンテナは仕事でも見かけることがありましたが、海コン40フィート仕様が発表されたんですね!!
写真で見ると箱の重さで8t位ですから普通のコンテナに比べたら約2倍の重量ですね。
コメントへの返答
2013年12月22日 20:46
返答が遅くて申し訳ありません。

積み重ねるだけあって、アルミでは耐えられないのでしょうね。それに柱をうんと頑丈にしないといけないから、そんな重量になってしまうのでしょう。

いずれにしても、このコンテナが普及するといいですね。

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「この構造、やっぱり凄い。アパートの下に電車がいます」
何シテル?   06/11 09:21
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