先日、JR四国の新型特急車両・2700系に乗りました。
これは、主に高知~岡山・香川の各県を結ぶ特急列車向けの車両で、もちろん車体を傾斜させる機能があります。でも最近の新型車みたいなエアサス調整のみの傾斜装置と違い、本格的な振り子装置を備えた車両。どうも、高知方面の路線では振り子車両でないと役不足だったようで、約20年ぶりの本格的な振り子装置を備えた新型車両が登場しました。
今回乗ったのは高知発岡山行きの「南風14号」で、今回は敢えてグリーン車を選びました。車両の内装は8600系と2600系とこの車両を比較すると色彩以外は殆ど共通なので、この中でまだ乗った事が無いグリーン車としました。また高知~岡山は営業距離が197kmで、料金制度的にちょうど良かったのも決め手です。
正午前にホームに上がると、
怪しい列車がホームにいました。それが発車した後、お目当ての列車が入線しました。
ご覧の通り「アンパンマン」の全面ラッピング車でした。個人的には標準車両で来て欲しかった
列車は4両編成で、1号車に乗りました。そのうちの運転席寄り半分がグリーン車で、12席の小ぢんまりとした空間でした。
内装はやはりJR東日本ぽい雰囲気です。おまけにこの座席、実はJR東日本のE5系新幹線と同じ座席を使っているのです。
私が選んだ、1列側の一番後ろの1C席。岡山行きではここが上座かな?
座ってみて、あれこれ観察しました。リクライニングさせてみると、最近流行りの尻が沈み込むタイプでした。ただ、最近の座席でよく見られる枕が無く、頭が落ち着かないかも?
座席にはコンセントがあり、Wi-Fiもあります。今や不可欠な装備はきちんと装備されていました。これらは普通車にもあります
ヘッドレストカバーの隣に、読書灯もありました
レッグレストが電動でリクライニングが人力?です。どちらかに統一した方がいいかも
このグリーン車の全体的な感想としては、シンプルな印象はあるもののニーズの高い装備は揃えられていて、少なくとも料金を払う価値はある、でした。
ところで。この列車はアンパンマンのラッピングを施した「アンパンマン列車」という事もあり、同じ車両で壁を隔てた向こう側は普通車でも「アンパンマンシート」という座席。だから凄い空間です。
幼稚園に迷い込んだみたい。あの~ここまでやりますか!?
これだけでなく、放送で流れるチャイムはあのお馴染みのメロディーで、更にアンパンマンの声まで流れました。専用列車を仕立ててここまで凝るのならばいいのですが、定期列車でここまでやられると「ちょっと…」と思います。まして、グリーン車の隣にアンパンマンシートはないでしょう。小さい子供の大声や泣き声が、グリーン車に響いてくるのですから! だからせめて、もう少し遮音に気を使ってほしいものです。
1号車以外の車両(普通車)は、何の変哲も無い空間…と言いたいところですが、よく見ると天井の一部にアンパンマンの図柄がありました
その他、色々と観察しました。
運転席です。遮光カーテンは無いので一応前面展望はできますが、フロントガラスの位置が高いうえ出っ張りが多く、座席から座ったままでの前面展望は不可能なようです
連結部分です。振り子車両ゆえ重心を下げる必要があり、床の位置を下げています。ただ連結器のある部分だけは位置を下げられず(他の車両の連結器と位置を合わせるため)、ここだけスロープができていました
この車両、と言うより振り子車両の特徴ですが、車体の下の部分が大きく膨らむため、座席と壁の間に大きな隙間がありました
列車は、高知を発車しました。搭載しているディーゼルエンジンは振り子気動車の定番・コマツ製(450ps×2)ですが、先代の特急車両「2000系」と比較して1,4倍近い出力アップのお陰もあってか、豪快で息切れのない加速に惚れ惚れします。その割には(床にカーペットが敷かれている事もあるでしょうが)案外静かで驚きました。さすが、最新鋭のディーゼル特急です。やがて山間部に入ってトンネルが連続するようになり、細かくてきついカーブが連続し車輪の軋む音が延々と続くのですが、いかにも振り子らしいロコツな傾き、まして国鉄車みたいな「グラッ!」という傾きは感じません。振り子車両であることさえ忘れそうになっていました。それだけ自然な傾きができるのでしょうか? さすが!
列車は連続するトンネルを抜けつつ、岡山に向かいました。細かなカーブが続いてさすがに速度は落ちるものの、長いトンネルに入る度に猛烈な勢いで走るのが凄い。ここを担当する運転士さんには、さぞかし高度なスキルを求められるのでしょうね?
土讃線のハイライト、大歩危・小歩危の区間を走行中。見応えがありますねえ
大歩危駅で、これまたキハ185系ベースの怪しい列車と遭遇しました
今度は阿波池田駅でノーマル、それもオリジナル色のキハ185系を用いた特急列車に出会いました。他にも岡山県に入ったところで(駅名は忘れた)、キハ185系が牽引するトロッコ列車と遭遇。今回は妙にキハ185系と縁がありましたよ
琴平に到着する時、思わぬサプライズがありました。
なんとハイタッチ!driveの神社チェックポイント「金刀比羅宮」にヒット。以前は長い階段を上らないと緑化できない難所CPでしたが、ヒットする範囲が拡大されたらしく、列車に乗ったままで緑化できました
意外と乗車が多かった宇多津から本四備讃線に入り、列車は瀬戸大橋を渡り始めました。
瀬戸大橋を通過中。瀬戸内海の眺め、やはり美しいです
カーブの殆ど無い橋の区間こそ目一杯飛ばして欲しいところですが、騒音対策のためあまり速度を出せない(特に島の区間)のが惜しいですね。
そんなこんなで、列車は遅れも無く岡山に到着しました。
今回は、久々に登場した新型の振り子車両ということで、何としても乗らねばと気合が入っていました。諸般の事情によりなかなか乗れなかったのですが、やっと乗車が実現した事もあり、レポート作成も気合が入りましたよ~
Posted at 2020/10/04 06:12:59 | |
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