何シテル?でも報告した通り、先日開催された「東京モーターショー2019」を見学しました。
今年のショーは、出展企業を見る限りでは寂しいですねえ。海外メーカーは、我らがプジョーを含めて軒並み参加見送り、そして私が大好きな日本自動車車体工業会の出展は実車、即ちトラックボデーの展示無し! う~ん今年の見学、見送るか?とも思いましたが、結局見学しました。
いつも通りりんかい線を東京テレポート駅まで利用して、会場に向かいました。入場券は事前に購入しているので、タブレットに保管したQRコードを提示し、手荷物検査を通過して会場に入りました。
連休中ゆえ、途方も無い行列です。まあ想定内ですが
まずは、青海エリアから。お目当てはもちろん、商用車メーカーです。まずはいすゞから。
商用車メーカーの実車最大の目玉展示と言っても過言ではない、2両連結の「エルガ・デュオ」です。これまで輸入車しか無かった連接バスですが、とうとう日本のメーカーからも登場しました。外観も斬新なデザインですが、連接車専用にするのは勿体ない気も。出来れば本家エルガにも採用して欲しいデザインですが、フルモデルチェンジして間もないから無理かな
こちらは小型トラック「エルフ」のEV仕様です。セールスポイントはEVだけでなく、モニターによるバックミラーや超小径タイヤによる低床化、そしてウォークスルー可能なキャブ+ボデーの構造です。いや~タイヤの小さいこと! そんじょそこらの乗用車のそれよりも小さいのでは?
ウォークスルーの部分はこうなっています。キャブとボデーの部分は電車みたいに幌で繋ぐ構造で、幌を外せばキャブのチルトアップが可能とのこと。考えましたね! これなら、整備性も良さそうです
マイナーチェンジした大型トラック「ギガ」です。目立つ改良ポイントはヘッドライトで、フルLEDだけでなくステアリング連動で進行方向を向く仕様です
でも、私はヘッドライト以上の改良ポイントを発見しました。
おおっ! 運転席が
イスリングハウゼンだなんて…やるじゃね~かコノヤロウ!! 日野車で体感しましたが、このシートの座り心地は抜群、長距離運転も怖くないゾ。説明員さんに感動を伝えたところ「これ、高いけど頑張ったんですよォ」とのこと。嬉しいじゃありませんか…いすゞの英断に拍手!このシートにクッション当てて座ったらバチが当たる!分かったか野郎共!!(←感動のあまり過熱気味・笑)
気を取り直して?次は日野です。
これはコンセプトシャシ「フラットフォーマー」です。運転席さえ無い自動運転のEVシャシで、旅客や貨物向け、あるいは特装ボデーを載せ替えて多目的に使われるシャシのようです。運転席とエンジンが無いからマイクロバス以上のスペース効率で、後輪のタイヤハウスを無くした超低床シャシに感激。これが実用化されば、革命レベルですね。超小径の後輪によって、最適なホイールベースにできたのも見逃せないポイントであります。コミュニティバス「ポンチョ」と比べて…え?タブー?
今年も、ダカールラリーの競技用車両が展示されていました。
坪井特殊車体が製作するボデーは殆どテントで、ますます軽量化が進んでいる様子。先日、関越自動車道で某社の低床4軸に積載されて陸送している姿を目撃したのですが、積載時は「タイヤの空気を抜いて全高を抑えているんです」とのこと。確かに、この車両単体でも車高があるものなァ。次回はこの車両に加えて僚車の「600」或いはサポートトラック「700」も展示してくれたら嬉しいです
次は、UDトラックスです。
新明和のダンプボデーを載せた、自動運転の実験車両です。一部の公道の走行もしたようですが、実用化が待ち遠しいですね。トラック業界の人手不足、待った無しですから
こちらは、ハイブリッドの実験車両です。実際の燃費は今のところ公開不可とのことでしたが、実用化された時の燃費はどうでしょうね? ただシャシの周囲は写真の通り機器に埋め尽くされていて、電車並みにギュウギュウ。サブエンジン式冷凍車は無理かな?
海外専用の6×4トラクタ「クエスター」で、最近初めてATが搭載されたそうです。右ハンドルなのとグリルガードからしてオーストラリア向けかと思っていたら、実際には南アフリカ向け。あちらも野生動物の飛び出しが多く、必要な装備とのこと
親会社のボルボ・トラックが、自動運転の実験用として開発したトラクタのモックアップです。コンテナターミナルで海上コンテナを牽引しているそうですが、確かに自動運転に向いているフィールドかもしれませんね。う~んスタイリッシュ!
商用車メーカーのトリは、三菱ふそうトラック・バスです。
燃料電池で動く小型車「Vision F-CELL」です。フロントマスクは斬新ですが、よく見るとキャブ全体はキャンターからの流用。特にドアはキャンターそのままですね。それにしても腰が痛くなりそうなボデーだなあ(苦笑)
マイクロバス「ローザ」です。安全装備を充実させてフロントマスクを一新し、イメージを新たにしました…が、これでフルモデルチェンジは遠のいた? 何しろ現行モデルは1997年デビューですから、そろそろFMCすべきではと思うのですが
こちらは大型観光バス「エアロクイーン」こと2TG-MS06GPです。5月にフロントマスクを一新した最新モデル(当たり前か)ですが、どうせなら…ナンバープレートの位置を中央に戻して欲しかったです
商用車メーカーを見て回った以外は久しぶりに部品メーカー各社の出展を見て回りました。ここが案外面白い。企業名を見て驚く事もしばしばで、フォルシアクラリオン?デンソーテン?TPR?知らないうちに企業名や資本関係が大きく変わっていた企業が多かったです。いつも通り乗用車系ブースはほぼ無視していましたが、唯一訪れたのはトヨタ車体。
お目当てはもちろんグランエースです。これについては後日感想を書かせて頂きます
レーシングカーの展示車両の中に、シュコダ・ファビアがいました。ラリー仕様で、日本では滅多にお目にかかれないチェコのメーカーですが、実際に見るのはこれが初めてかも。台湾では正規販売されているようですが、日本では…無理かな?
カスタム車はそんなに関心はありませんが、これは面白かった。100系を60系風の顔にした(で、いいんですよね?)ランドクルーザーで、規格品のヘッドライトがいい味を出しています。この頃のランクルと言えば、私はNHKの番組「シルクロード」を連想しますよ
今回は、会場が青海とビッグサイトの2箇所に分かれていました。それゆえ会場間の移動が発生するわけですが、これが大変でした。送迎バス(無料)は主にトヨタ系企業の自家用バスを総動員しての輸送でしたが、これはちょっとね…。写真の通り観光系車両でしたが、こんな短距離であれば輸送力を重視して路線系のバスをどこかに依頼して調達した方がまだ輸送力があるでしょう。列に並んでから次の会場に着くまで、1時間程度かかった感じです。車両の中にはスバル・宇都宮製作所の日産・シビリアン(マイクロバス)という、焼け石に水なバスまでいたのには笑ってしまいました。今もあるかわかりませんが、太田製作所近くにいるボルボ・アステローペが来ていたら「マル」でしたけど(笑)
何はともあれ、会場を2箇所に分けるのは二度とやらないで下さい。
今回のモーターショーでは、高校生以下を入場料無料にしたりキッザニアを設置するなど、未来の顧客や仕事仲間になり得る若年層に対するアピールを強化しているのが印象的でした。しまいには…
こんなのまでいやがった(苦笑)
今回のモーターショーは、出展企業を見る限りでは少々寂しいものがありましたが、それでも見学する価値がありました。個人的に最も感動したのは、いすゞ・ギガに設定されたイスリングハウゼンの運転席! 異論は認めないゾ(笑) こんな私の相手をして下さった各社の説明員の皆さん、ありがとうございました。