
先日羽田~福岡間に就航した、最近お騒がせな
スカイマークの「
エアバスA330」に乗ったので、そのレポートをさせていただきます。 尚、
先日とは別行程です。
相次ぐ格安航空会社(LCC)の台頭により、大手航空会社との間で立ち位置が微妙になりつつあった、
エアドゥや今回搭乗したスカイマークなどの、いわゆる「新規航空会社」ですが、他社と違って某大手と手を組まず、独自の路線を突き進んでいるこの会社。今まで機材をB737に統一していたところ、再び大型機…しかも既存の航空会社の座席よりもスペースを大幅に広くとってサービス向上を図り、それでいて運賃据え置きという、新しい方向性を打ち出しました。おまけにその機材は、日本の航空会社初登場の
エアバス社製「A330」ときたもんだ。そうなれば、どんなサービスか興味津々…乗り物マニアとしては、乗ってみたくなるのが性(さが)というものです。
モノレールで羽田空港に到着し、出発階に向かいました。普段利用するJALとは違い、スカイマークのカウンターは出発階の端にあるから、歩く距離が案外あるものです。
まずは自動チェックイン機に決裁したクレジットカードを突っ込み、搭乗手続きと搭乗券を発券しました。
搭乗券を手にしたのは本当に久しぶり…いつもはレシート状の「搭乗控え」なのですが
他の航空会社と違い、荷物を預ける場合はその旨をチェックイン機に入力し、その場でバゲージ・タグが発行され、乗客自身で貼りつけるのですね。他と随分勝手が違うので、少々面食らいます。手荷物カウンターで荷物を預け、搭乗口へ向かいました。これから乗る機体がちょうど到着したところでした。↓がA330です。
日本市場で日の出の勢いのエアバス社製旅客機が、スカイマークにも登場しました。この機体のエクステリアデザイン、ボーイング機とは違った魅力があります
これまた日本で勢力拡大中の
ロールスロイス社製ジェットエンジン「Trent700」です。この角度ではわかりませんが、他のエンジンメーカーにはないスマートなデザインが特徴です
搭載するLD-3型コンテナも、新品そのもの。機体以外にも、多額の投資が行われているようです
この旅客機はリース扱いとはいえ、約4ヶ月前にエアバス社にて完成・引き渡されたばかりの新造機。まさに最新鋭…と言いたいところですが、この旅客機自体は20年前から有償飛行しているモデルで、けして新しいモデルではありません。でも今までに1000機以上が引き渡され、今なお数百機のバックオーダーを抱えるロングセラー機なのです。私自身は約14年前、
キャセイパシフィック航空の便で乗って以来の搭乗でもあります。
私が乗る便は、12時25分発のBC013便ですが、この便になる機材の到着が遅れた影響で、早くも出発が遅れるアナウンスが流れました。12時30分頃に搭乗始まり、機内に入りました。そこには普通席とは思えない大ぶりな座席が並んでいて、JALの「
クラスJ」によく似た座席ですね。 ただクラスJと違うのは、肘掛け下に電源コンセントがあることです。
これまた国内線初登場の電源コンセント。世界各国のコンセントの形状に対応可能なユニバーサルタイプですね。赤い紐を引っ張ると、救命胴衣が出てきます
座席自体も凄いですよ!

充電だけでなく
緑分補給も可能だぜ~。どうだまいったか(何が?)
クラスJなみの座席といい電源コンセントといい、国内線機材とは思えないサービスですね。それでいて運賃は普通運賃ですら2万円ちょっと、実勢価格は1万円台ですから、大したものだと感心します。これでWi-Fiができれば言う事はありませんが(現在は
一部の機材で利用できます)、安いから文句はありません。
到着遅れに加えて出発準備に手間取った影響が加わり、機体が動き出したのは13時頃。結局30分程度の遅れになりました。先程のコンセントでケータイの充電をしていると、乗務員さんから「離着陸中にコンセントは使えない」と言われました。そんな事はどこにも書いていなかったので驚きましたが、指示に従ってコンセントを抜きました。この事はもう少し周知徹底させる必要があるのでは? そのうちに滑走路に辿りつき、離陸が始まりました。ロールスロイス特有の「ビュイーン」という感じのエンジン音が高鳴り、機体は羽田空港を離陸しました。
離陸した機体は雲を抜けてぐんぐん上昇し、程なく巡航飛行に移りました。
今回のフライトは、終始こんな景色…ずっと雲しか見えませんでした
ボーイング機に慣れた身には、この窓は若干小さく感じます
座席をあれこれ観察してみると、肘掛けには上級クラスなみの大型テーブルとドリンクを置くのにちょうどいい小さなテーブルがありました。座り心地はまずまずで、クラスJよりも若干いい感じかな? ただレッグレストはちょっとねぇ…引き出すときはともかく、しまい込む時は大きな力が必要で、何だかスポーツジムの機械みたい? ここは要改善ですね。
あと、ドリンクのサービスもユニークです。大手同様にカートが回るものの、希望者のみに「販売」するのです。

写真の通り200mlのドリンク各種が100円で、いろいろ考慮すれば良心的な価格ではないでしょうか? 特にビールは(写真を見る限り)350mlで200円、しかもおつまみ付きとは…! コンビニで買うよりも良心的…というより破格! 一時期某大手がやっていた、水やアップルジュースは無料なのにコーシーは有料で300円というハンパなサービスより、ずっと好印象でした。私はそのうち、ポカリスエットを注文しました。
写真の通り200mlですが、機内で飲むのにはちょうどいい量かもしれませんね。でも旧JAS派としては、ジャワティがあれば言うこと無しだゾ(笑)
こんなユニークなサービスが揃っているものの、大手航空会社のサービスに慣れ切った身には驚くことも多いです。これまで書いたサービス以外には大手航空会社みたいなサービスは備えられていません。例えばオーディオサービスはもちろん無く、頭上や壁面にある筈?のモニターすらありません。
スクリーンや小型モニターが無いから、内装は極めてシンプルな印象でした
そのため、離陸前に行われる救命胴衣のデモは乗務員さんの実演で行うのです。それに航空会社オリジナル商品の機内販売も無いから、乗務員さんは何となく手持無沙汰な印象を受けましたね。乗客一人ひとりにドリンクを配り、機内販売に離着陸時のベルト確認…尋常ではない忙しさの大手の乗務員さんとは印象が随分と違いました。
着陸が近づき、その準備を促すアナウンスが流れました。そういえばこのアナウンス、大手と比べると自動音声が妙に多いですね。高度はどんどん下がり、雲の下に出てやっと地上が見えました。そこは志賀島の上空でした。福岡空港が見える頃には床下から「ドスン」という大きな音が響き、車輪が下がった事がわかりました。何だか、かつて日本でも運航されていた「
エアバスA300-600R」の音とそっくりです。そして左に180度旋回し、機体は福岡空港に着陸しました。
久しぶりに乗ったのはA330というだけでなく、スカイマークに乗るのも本当に久しぶりでした。個人的な印象としては、「他社とは違うんだぜィ」と言わんばかりのユニークなサービスは、かつてのJASを彷彿とさせるものがあり、好印象でした。ただ運航(と経営状態)が少々不安定なのと、スカイマークのターミナル~交通アクセスの距離が長めなのはマイナスポイントかな? でもその分安いから、いいとは思います。だから、スケジュールがきつくなければ十分にお薦めできる乗り物だと思います。緑分も補給できるしぃ~
以上、レポートを終わります。
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Posted at
2014/08/09 10:08:02