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■今日はまず、朝5時から裏磐梯でSL63AMGとSLK350を走らせ、7時まで動画を撮影。その後磐越道ー東北道ー北関東道を経由して10時にツインリンクもてぎ着。ここで待望のFCXクラリティに試乗することができた。

■朝5時の肌寒い空気の中、レークラインをSL63AMGで駆け抜けるのは痛快の極み。特に中速コーナーは絶品で、第2世代へと進化を果たしたABC（アクティブ・ボディ・コントロール）によりほぼロールを感じさせず、525psの豪快なパワーが後ろ足で蹴り上げるようにクルマを前へ押し出して行く。

■一方朝10時半の夏を想わせる日差しの中、ツインリンクもてぎ内の取付け道路をFCXクラリティで駆け抜けるのもまた痛快の極み。特に登坂路は絶品で、進化を果たしたスタックとモーターにより、わずか136psのパワーだが巨大な手に押されるような優しい力強さでクルマを前へ押し出して行く。

■方や6.3LのV8エンジンから、一方は電気モーターから、種類こそ違えど力を生み、クルマを前へ前へと推し進める。方やガソリン、一方は水素を用い、前者は排気ガスとCO2を出すが後者は排気ガスもCO2も出さない代わりに水を出す。しかしともに前へ進むための力を生むものを内包することに違いはない。

■イマドキの風潮からすれば前者が悪で後者が善ということになる。しかし前者を否定できるかといえば答えは断然ノーである。前者のような、ある意味合いでの究極といえる内燃機関が存在するからこそ、後者の存在にもひと際意義があるのではないだろうか？　と僕は思う。

■対極にある2つの価値は、全く異なるようで実は読んで字の如く「対」なのではないか？　だからクルマは悩ましく、面白いのではないか？　そんな風に想えた1日だった。