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宝塚過激団のブログ一覧

2018年05月13日 イイね!

大型車のはなし -イタリアの商用車メーカーが日本に進出!-

大型車のはなし -イタリアの商用車メーカーが日本に進出!-遅めの話題で恐縮ですが、イタリアの商用車メーカー「IVECO(イヴェコ)」が、日本に進出しました。ブレた写真ではありますが、これは同社のトラクタです。

投入するのは、トレーラのトラクタ「ストラリス」と連節バス、小型バンです。エンジンはディーゼルではなく、天然ガス仕様のみなのが驚きですね。日本では既にボルボ・トラック等の有力メーカーが進出済みなので、似たようなラインナップにしても勝ち目はないと判断したのでしょう。

天然ガス仕様なので運行に使用できる用途は自ずと限られるわけで、向いているのはヤマトさんやセイノーさんみたいな特別積み合わせの業界ですね。日々行き先の異なる貸切輸送や海上コンテナの輸送等では不向きでしょう。何故なら軽油と違ってガスを充填(「給油」ではありません)できるステーションは少なく、トラックターミナル等に隣接して設置されているのみです。それに充填には軽油よりも時間がかかり、充填できる施設でも1~2箇所しか装置が設置されていない事が多く、もし混雑する時間帯にほぼ空→満タンの充填をやらかしたら、目も当てられない渋滞が…! 充填する時間を決めるなど、工夫が必要だと思います。色々と制約はあるでしょうが、そのうち日本の公道で活躍する姿を見たいものです。

本来はうちのP嬢と共にこちらにも行きたかったのですが、このイタ車に会う事を優先してしまいました。そのうち、レポートします。
Posted at 2018/05/13 10:56:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | 大型車の話 | 日記
2018年04月07日 イイね!

大型車のはなし -香港で見かけた大型車-

大型車のはなし -香港で見かけた大型車-大型車、というより「商用車」という括りの内容ですが、いささか強引なタイトルで恐縮です。今回は、香港で私が見かけた商用車の事についてです。私にとっては乗用車以上に面白かったのが本音ですが(笑)

まずは、タイトル画像の車両。香港名物の一つでもある、二階建て路線バスについて。私が見た限り、大部分はアレクサンダー・デニスの車両が大半を占めていました。全長12mと日本と変わらないものの、二階建てだけあって100人以上が乗車可能。全高が4,2mあるので、室内はまっすぐ立って歩けて圧迫感はありませんでした。エンジンはカミンズの9リッター級(340PS)を搭載していて、足回りはZF製らしいです。この二階建てバスが、香港内で少なくとも4.000台以上あるそうですから驚き!


ブレた写真で恐縮ですが、いすゞの観光バスです。日本で走っている車両とは似ても似つかぬ姿ですが、日本からベアシャーシのみ輸出して現地でボデー架装したのでしょう。日本車に限らず、大半の観光バスは中国内でボデーを架装しているようです


空港で見かけた、MAN(ドイツ)のシャーシに現地架装のボデーを組み合わせた車両。ヨーロッパ製シャーシと言えども例外ではありません


今度はマカオにて。


マカオの路線バスは、一転して中国製ばかりです。主に「宇通(ユートン)客車」というメーカーの車両でした。詳細なスペックはわかりませんが、香港と違って低床の「平屋建て」です


フェリーターミナルには、ホテルやカジノとここを送迎するバスもたくさんいました。写真はMANのシャーシに現地架装のボデーを組み合わせた観光車両ですが、何とも奔放なデザインですねえ


いすゞ・キュービックもいました。シャーシだけでなく、ボデーまで純正の純日本製。私がマカオで目撃した、マイクロバス以外では唯一の日本製バスでした

そして、マカオで目撃した一番のゲテモノが↓です。念のため申し上げますが、正真正銘マカオで撮影しましたよっ。


一見三菱ふそうのエアロバスですが、よく見ると韓国の現代・エアロスペースじゃありませんか! いわゆる「パクリ」ではなく、三菱自動車(当時)から技術供与を受けていた「正式な」車両なのです。韓国から輸入した中古車と思われますが、左ハンドルで右側扉のまま。よくぞマカオの公道を走れた…と言うより、右側扉からの乗降はまずいと思うのですが!?

香港(とマカオ)では、日本のマイクロバスもたくさん走っています。香港の道路事情に合うのでしょうか。大半はトヨタ・コースターで、時々三菱ふそう・ローザもいましたが。



トヨタの世界戦略車でもあるマイクロバス「コースター」ですが、香港・マカオ共に大活躍していて、そこら中で見られました。日本仕様と違うのは、後部が必ず観音ドアであること。これは保安上義務化されているようですね。そして↓の路線バス仕様以外では、写真のような固定窓方式が多いのも特徴です。日本では補助席があると不可能な仕様で、日本仕様では設定がありません。この方が高級感があるので、ちょっと羨ましいです。もし「どうしてもコースターを買え」と言われたら、↑の仕様にしますゾ(笑)


旅行者にはなかなか手出しできない、小巴(シウパー)ことミニバスです。銅鑼湾などで大量に見られ、ほぼ100%コースター。通常の香港仕様とは異なり、武骨でワイルドなバンパーと大ぶりな行先表示が目立ちます。トヨタにとってはお得意様だけあって、この行先表示を容易に装着でき、専用の塗装まで用意した車型を納入しているとか。さすが!


新型も既に上陸済みでした

ただ、この人気にあやかった中国や韓国の車両も徐々に浸透している様子。日本が誇る商用車でもあるマイクロバス、是非ともこの人気を維持して頂きたいものですね。


次はトラックです。




香港では、日本の4メーカーが揃って進出しています。写真の車両は車両総重量がおおよそ15t程度、日本で言う「8トン車」クラスでしょうか。こんな車両が多かったです。このテの車両はパワーゲートを装着した車両も多かったですよ。写真はありませんが、主に海上コンテナを輸送しているトラクタも、日本仕様と殆ど変わらない姿で活躍しています。この他にはボルボやスカニア、謎の中国メーカーの車両もいました。またUDトラックスのコンドルが意外と多く、日本では販売を終了した自社生産車も2018年3月現在で継続販売されていました。日本ではいすゞ・フォワードのOEM車に切り替えられ(てしまっ)たコンドルですが、輸出用のみ継続生産または在庫限りの販売なのかは、定かではありません


小型トラックについては日本車の独壇場、特にいすゞ車が圧倒的なシェアの様子。写真のNシリーズ(日本名エルフ)は、香港・マカオの街中を縦横無尽に走り回っています。先代には SAE規格の角型四灯式ヘッドランプを装着した車両も多かったのですが、今では見られなくなりました


これは、いすゞ・ギガの現地仕様「CYH」です。全長が10m級のようですが総重量は30tある仕様で、日本のダンプよりも一回り大きいですね。こんな4軸で12mクラスもあるようです。こんな車型で、三菱ふそうのスーパーグレート(車名は日本と同じ)もいましたよ


現地では、こんなボデーが架装されています。おそらくスチール製でしょうが、日本みたいなアルミ剥き出しのボデーはまずお目にかかれません。保冷の配送車はやはり白いボデーで、日本のとよく似た姿をしていました


ドア部分に、黒地に白い字で車両総重量と積載重量(推測)が書かれています。以前はもっといろいろと書かれていた気がするのですが、シンプルになったようです
Posted at 2018/04/08 04:15:16 | コメント(1) | トラックバック(0) | 大型車の話 | 日記
2017年11月12日 イイね!

大型車のはなし -続・東京モーターショー2017-

大型車のはなし -続・東京モーターショー2017-東京モーターショーのレポート続編です。

今度は商用車メーカーの見学記ですが、今年の商用車はフルモデルチェンジした大型車が多く、おまけにスウェーデンの商用車メーカーのスカニアが初参加ときたもんだ。私にとっては乗用車の出展以上に魅力的でした。

タイトル画像は、スカニアのトレーラ「P410」です。けん引免許は持っていませんが、こんなの運転してみたいです。


まずは、いすゞから。


これは「FD-SI」という、未来の配送をイメージしたコンセプトカーだそうです。輸送の現場にいる者としては荷台の構造など内部も観察したいところですが、叶いませんでした


宇都宮のJ-BUSで作られる路線バス「エルガ」が展示されています。2年前のデビュー時と変化無しと思いきや、よく見るとヘッドランプにLEDデイライトが装備されていました



タイで生産される海外専売車「mu-X」です。後姿が新興国向けっぽいです

この他、エルフやフォワード、そしてギガ等のトラック各種ももちろん展示されていましたが、私は毎日運転する車種ばかりなので…見学&撮影はパス。また神曲「いすゞのトラック」のCD配布には、長い列ができていましたよ。いすゞ~のトラックぅ~!


次は、日野。こちらは4月に、大型と中型を一度にフルモデルチェンジする気合の入れよう。こちらも気になる存在です。


中型車「レンジャー」です。キャブは基本的に先代の流用ですが、顔つきの印象はまるで違います。以前は全体の印象が少々薄っぺらかったのですが、随分と精悍になりました


内装…特にインパネは、明らかに先代の骨格を流用しています。でも色使いやデザインの見直しで、大幅にグレードアップしました


こちらは大型車「プロフィア」です。ますます精悍な顔つきですね。今度はLEDデイライトが加わりましたが、それもあってすれ違う時に感じる存在感が凄いです


こちらも先代の骨格流用っぽいですが、これまた良さそう。またレンジャーと同様に、座席の座面の左右がファブリックからビニール化されたのもマル。ここ、メーカー問わずすぐ破れてしまう場所で、ここが最大の改良点と思いました。説明員の方にそれを指摘すると「ここは破れにくくするよう、縫製などでこだわったんですよ」とのことでした


日野ならではの、ダカールラリー参戦車「500(←レンジャーの海外名)」の後ろ姿です。ボデーは軽量化のため、殆どテントみたいなものでした。殆どレース専用パーツで作られているようですが、テールランプは小糸の市販品のようです。それにしてもワイルド!


たまたま遭遇したサイン会。御年76歳(!!)の菅原義正と次男・照仁の両氏がサインに応じていました。次回のレースの活躍、期待しています


今度は三菱ふそうトラック・バスです。


これは、21年ぶりに「やっと」フルモデルチェンジした大型車「スーパーグレート」です。現場のドライバーには特に人気の高い車両だけに、是非とも見学したかったのですが、待ち時間は新型車では最長の60分ですって。これに並んでいたら他が見学出来なくなってしまうので、泣く泣くパスしました。キャブは他社同様に先代の流用ですが、中身は相当変わっているようです。ヘッドランプは親会社の大型車と同じデザインのものだそうで、従来よりも更にメルセデスベンツ色が強くなっています


こちらは小型トラック「キャンター」ですが、ディーゼルではなくEVだそうです。時間のかかる充電は夜間など車庫で寝ている間に行える集配車両に向いているのではないでしょうか


これは大型車のEVコンセプトです。小型はともかく、サイズも重量も大きな大型車ではEVは今のところさすがに無理なようですが、もし実用化すれば、これまた使っていない時間(主に昼間)が長い特積屋向けでしょうね。前は人が途切れないので撮影できなかったので、止む無く後ろ姿のみ。ボデーがいかにもパブコの製品!という感じです


バスは観光バス「エアロクイーン」が展示されていました。この代がデビューしてから10年が経過しましたが、そろそろフルモデルチェンジが近いかも。これが最後の改良(全車AMT化など)かもしれませんね


ボルボ・トラックの子会社、UDトラックスです。


こちらもフルモデルチェンジした大型車「クオン」です。ご多分に漏れずキャブは先代流用ですが、ヘキサゴングリルと呼ばれる五角形のグリルが印象的ですね。ブレーキが総輪ディスクなのが大きな特徴で、その制動力を体感したいです。ディスクであれば、ドラム式と違って放熱しやすくて良さそうです


運転席の見学もしました。UD車はパワーはあっていいのですが、スイッチ類の位置が分かりにくくて乗降時の手すりの位置が低過ぎる等の残念な部分が多かったのですが、その欠点が大幅に解消されていました


今年は、海外専売の大型車「クエスター」もタイからやって来ました。6×4の重トレですが、日本での販売を前提としていないせいか全長がとにかく長かったです


主に新興国向けのせいか、あちこちに製造コスト削減の工夫が見られました。例えばキャブサスは日本向けのエアサスと違ってこちらはコイルバネ。私はここまで見ます(笑)


今度は外国メーカーです。UDトラックスの親会社、ボルボも出展していました。


定番のトラクタ「FH」が展示されていました。キャブのサイズが大きいだけあって、その存在感は圧倒的です。でも日本専用と思われる左右のバックミラーが、ニョキニョキと生えた印象で残念。本国仕様のすっきりしたやつが選べればいいのですが


2年前に叶わなかった、キャブ内の見学もできました。先代の押し出し感のあるインパネと違って、すっきりと広々した印象です。色使いが北欧車らしいと思いました。いいな~、こんなの乗ってみたい!


そして私の大本命。今回初めて参加したスカニアです。


実は今回のモーターショーで最も嬉しい事が、このスカニアの初出展でした。参加してくれてありがとう! 初参加だけでも嬉しいのに、このラウンジまである気合の入ったブースには脱帽でした


ラベンダー色が美しい、新型のトラクタ「R500」です。最近フルモデルチェンジしたスカニアのトラクタですが、新型を発表するのは欧州以外では初めてだとか。偶然のタイミングかもしれませんが、欧州以外で最初に発表する場所として東京を選んでくれるとは、嬉しいではありませんか



長時間並んで見学したキャブ内です。デザインが洗練されているだけでなく、センタートンネルが殆ど無く軽々ウォークスルーできて後ろのベッドは日本車の少なくとも1.5倍は幅があり、ハイルーフなので立って歩ける真のドライバー本位の設計。スゲー、羨ましい!


サンルーフまである!


これはトラクタではなく、12m単車の「G360」です。トラクタだけでなく、日本専用と思われる単車にまで新型を投入するとは! 日本市場に対する力の入れ方を見せつけてくれましたね。尚、後ろのウイングボデーは日本で架装されたもので、トレクス製でした

今年の商用車エリアは、大型車が揃ってフルモデルチェンジを敢行したせいか実に華やかでした。それに合わせて、各社ともドライバーの立場に立った進化と改善が見られたのは嬉しかったです。
ただ、少々気になった点も。トラックに乗っていると頻繁に使う、助手席側のバックミラーを畳んだり広げたりするスイッチが、どの新型車も分かりにくい事。メーカーの方に質問すると、想定外の質問なのか大半の方が答えられない始末。これは改善が必要なポイントかもしれませんね。

今年の東京モーターショーの報告は、以上です。私の相手をして下さったメーカー各社の皆さん、ありがとうございました!


「東京モーターショー2017」についての記事

この記事は 東京モーターショー2017 について書いています。
Posted at 2017/11/19 01:39:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | 大型車の話 | 日記
2017年11月11日 イイね!

大型車のはなし -東京モーターショー2017-

大型車のはなし -東京モーターショー2017-先日開催された「東京モーターショー2017」の見学記の続きです。

例年、乗用車の見学の大部分をさぼって入り浸っているのは商用車エリア。今回はそのうち、屋外展示の架装メーカーさんの展示について。
タイトル画像は、KYBのコンクリートミキサー車です。従来のボデーと比較して、架装物側のフレーム構造等を見直し、大幅な軽量化(=積載量の増加)を実現した車両だそうです。

屋外に展示されるトラックに架装されるボデーの展示を見学する事は、私にとって欠かせないミッション。トラックとボデーの関係についてはこちらを参照して頂くとして、屋外ではトラックの運転台の後ろに架装される「ボデー」各種が多数展示されているのです。多くの方は、荷物を運んだり様々な作業を行う「はたらくくるま」としては認知されていても、詳細はわかりにくいと思います。乗用車の華やかな展示と比べると穴場的な雰囲気ですが、私なりにレポートします。



ホンダの部品メーカーであり、S660などの委託生産を担当する八千代工業が出展した「災害初期支援車」です。アクティ・ダンプをベースに、ウィンチやクレーンなど必要な機材をコンパクトに積載した頼もしい車両ですね。軽自動車ゆえ小回りが効いていいと思いますが、個人的にはダンプではなく、通常の平ボデーでもいいかな、と思います


かつては「東急車輛」と名乗っていた、東邦車輛のトレーラ・ボデーです。フルトレーラとしてだけでなく、ドリー(=前輪)を外してトラクタを連結し、セミトレーラとしても使える画期的なボデーですね。例えば、A地点からB地点までは2両連結のフルトレーラで運行→B地点で切り離し→それぞれをC地点とD地点に分けて運行、という事も可能。鉄道に例えるなら、東京発時点では併結された新幹線「はやぶさ」「こまち」が盛岡で分割され、それぞれが函館と秋田に向かうようなものですね。また要望に応じて、色々な長さのボデーも作れるとのこと。尚、トレーラについての解説はこちらをご覧下さい。


「ヤマダボデー」でお馴染みの、山田車体工業が出展した「オーバーターンウィング」です。どんな特徴があるかと言うと、通常の横が開くウイングボデーと違い、ウイング扉の付け根にあるフレームを横にずらし、通常のウイングボデーでは困難な天井クレーンによる積み下ろしを可能にしたボデーなのです。天井クレーンの荷役で苦労した経験がある私にとっては、少々羨ましい構造ですね。また、温度変化を嫌う精密機械の輸送にも対応したボデーで、庫内を一定の温度に保てる特別な構造とのこと。納入先の企業は、まさにそんな輸送を行っている運送会社でした。


大型冷凍車としては最大のシェアを誇るメーカー、矢野特殊自動車の冷凍車です。サブエンジン仕様の冷凍車は、通常は-30℃程度まで下げられますが、これは「余裕で」-35℃まで下がるスグレモノ。さすがは日本で初めて冷凍車を作ったメーカーですね。またこの車両は福岡運輸向けのUD車ですが、日本初の冷凍車と同じシャシメーカーと納入先なのもポイントです。


これは、愛知県の架装メーカー・日本トレクスの製作した冷凍?ウイングボデーで、先端部分にはノーズマウント式の冷却装置(三菱重工製)が設置されていました。従来の同一ボデーと比較して軽量化され、300kgも積載量が増えたとのこと。これだけの積載量を捻出するのはさぞかし大変だったでしょうに…! タイヤはスーパーシングル仕様で、車軸はドイツのBPW社製でした。日本のトレーラの半分以上がこのメーカーの車軸を使っているそうです。


セミトレーラ式車載車のトップメーカーとして有名な、浜名ワークスの製作した全長23mのフルトレーラです。牽引側だけで全長12mあり、これだけでも通常の大型車と同じ全長ですね。更にセンターアクスル式のトレーラを連結し、23mにも及ぶフルトレーラ、ですが、こんなに長い車両が公道を走る時代が来たかと思うと、複雑な思いです。実際にヤマトさんやフクツーさんがこれより若干短い車両で実証実験を始めていますよ。


牽引されるトレーラ側は、リヤカーみたいなセンターアクスルです。この場合、最後尾を段差で路面に接触させやすいのですが、この全長だけでも運行ルートが限られるので、これ自体は大した問題ではないでしょう。


ダンプボデーやパワーゲート(昇降リフトの登録商標名)で名高い、極東開発工業のごみ収集車です。4t車をベースにした比較的積載量の多いタイプですが、丸みを帯びた洗練されたデザインですね。テールランプが、どこかスバル・レガシィ風ですが、従来のボデーよりも格段に美しくなっていると思います。同社は他にも、1台積みの小型車載車を展示していました。


これら特装車だけでなく、ボーイングやエアバスにも航空機部品を供給する新明和工業のダンプボデーです。軽量化されて積載量が10tになっただけでなく、ボデーが全体的に丸みを帯びてデザインが洗練された印象ですね。


これまた特徴的なのは、従来はボデー後ろ側にあったシリンダー(通称;天突き)を先端部に移動させた事。これも補強の面で軽量化に貢献しているそうです。まるで伸縮できるアンテナみたいなシリンダーですね。


そして、今回私が最も感心したのがこのメーカーのボデーです。


いすゞとUD向けの標準ボデーを架装する、日本フルハーフのウイングボデーです。荷物を更に積み重ねられるよう、棚を設置して更に積載できるようにしてあります。雑貨輸送の現場では、上に積み重ね不可能な荷物が意外に多く(金型など)、こんな棚があれば便利ですね。そしてウイング開閉には従来の電動油圧ではなく電動式で開閉するのでオイル漏れ→荷物汚損の心配もありません。私がそれ以上に感心したのは作動音が静かな事で、住宅街にある物流センターでは有難いです。


中型車の定温ボデーに設置されていたリフトにも感心しました。ボデーとリフトの間にセンサーがあって、足を挟みそうになるとストップする機能付き。私は以前、足を挟みそうになった怖い経験があるので、こんな機能は大歓迎。こんなゲート欲しい!

他にも、花見台自動車の1台積み車載車が展示されていました…が、撮影を忘れていました。申し訳ありません(謝)

メーカー各社の皆さんとは色々とお話させて頂きましたが、各社とも輸送業界や世の中の課題(ドライバー不足など)を的確に捉え、彼らなりにその課題に応えるべく様々な提案をしていて、業界人として心強く感じました。乗用車の方と違って「当社はあっちこっち手を出し過ぎてあんまり儲からないんですよね~」「○×車は外から買う部品が多すぎてはっきり言って赤字商品なんですよォ」とか、生々しい話まで聞けてしまうのもこれまた魅力的ですが(笑) 最後に…私ごときの相手をして下さったメーカーの皆さんに感謝します。ありがとうございました!

「東京モーターショー2017」についての記事

この記事は 東京モーターショー2017 について書いています。
Posted at 2017/11/12 05:15:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 大型車の話 | 日記
2017年06月26日 イイね!

日野オートプラザを見学してみた

日野オートプラザを見学してみた前日、八王子市にある日野自動車の施設「日野オートプラザ」を、うちのP嬢と共に訪問しました。それを私ならではのズレた視点でレポートします。

ここの存在を知ってから、ずっと行きたいと思っていた場所でした。他の企業博物館でありがちな「土日祝日休館」ではなく、ほぼ隔週ながらも土曜日にも見学可能だったので、見学が実現したものです。他の企業博物館も、少しはここを見習って欲しいですね。

エントランスから入場すると、そこには4台の車両が屋外展示されていました。


日野が四半世紀に渡って連続出場している「ダカールラリー」向けで、1996年仕様です。消防車など特殊車両向けの総輪駆動シャシをベースに製作された競技専用車両です。成績も素晴らしいですが、何より景気や業績に左右されること無く四半世紀も連続出場しているとは、大したものですね!


座席は、タチエス製の競技用座席でした


これは、1961年製のボンネットトラック「TE11」です。6.5t積みとのことで、今で言う「8t車」ですね。キャブ内は殆ど木造で、これには驚きました


架装されていたのは平ボデーでした。メーカーは現在も有力車体メーカーの山田車体工業(ヤマダボデー)です


こちらは、沖縄市で1974年から23年間も現役で使われていた消防車「TE120改」です。ボデー架装は日本機械工業で、モリタ帝国繊維等のメーカーと並ぶ消防用ボデーの大手メーカーですね。でもよく見ると、この車両は右ハンドル。当時の沖縄は「右側通行・左ハンドル」だったのでは!?


このバスは、1991年から走っていたハイブリッド車「HIMR」です。当時はまだウイングマークだったのですね。今やそこら中を走っているハイブリッド車ですが、プリウスよりも数年先にこんなハイブリッド車が走っていたのですね。仕組みは微妙に違うようですが。当時は発進時にモーターアシストしてエンジンの負担を軽くして、有害物質を抑えるシステムとか、各メーカーから様々な低公害バスが登場していましたよ。

エントランスから屋内に入ると、まずはこんなトラックが展示されていました。


日野自動車の前身「東京瓦斯(ガス)電気工業」が1917年に製作した「TGE-A」です。現在と違って、ボデー以外はいわゆるクラシックカーと言われる乗用車と殆ど区別が付きませんね。積載量は2tとのことです

2Fへ上がると、そこは日野自動車の歴史と、日本をはじめ世界中で活躍する日野車の紹介がありました。


お子様が狂喜乱舞する、トミカタウンを使ったジオラマです。他にもトラクタ「HEシリーズ」の模型とか、お好きな方にはたまらない模型がたくさんありました



1Fのスロープには、過去に生産された日野車の写真が。う~ん、会社の定年越えした長老クラスを連れてきたら、昔話が炸裂しそうな車両ばかりです

スロープを下りて行くと、こちらにも歴史的な展示物があります。


かつて日野が独自に開発・生産していた乗用車群です。この辺りは私なんかよりも語れる方が多いと思うので、詳細はパス(笑)


こちらは商用バン「コンマース」です。何とも小さなバンですが、FF車ゆえに荷室の床の低さは現在でも十分に通用するレベルなことに感心しました。それにこのサイズであれば、世田谷区の奥地の配達で威力を発揮しそうです


これは1963年に、当時走り始めた高速バス向けに開発・生産された、排気量15リッター級の水平対向12気筒のディーゼルエンジン「DS120」です。水平対向なのは、客室スペースを広くするための処置でしょうね。320馬力とのことで、パワーそのものは現在のバスと比較しても遜色ないレベルなのには驚きます


何ともレトロなボンネットバス「BH15」です。昭和41年に製造された、日野のボンネットバスの最終生産車とのことです。車体を架装したのは、当時横浜に工場があった帝国自動車工業(帝国ボデー。現在のJ-BUS)でした



ボデーは、航空機みたいなリベット固定のモノコック構造です。この車体を塗装する時は、このリベットの部分から塗料が垂れないように塗らなければならず、極めて高度な技術が必要だったそうです


まるで国鉄車両の座席みたいな生地が貼られた座席です。木材が貼られた床はまるで体育館のようにきれいですが、実際に運行されていた頃はもっと黒ずんでいた筈。それに油が沁み込んでいたのか、独特の匂いがしましたね。子供の頃よく乗っていた路線バスはそうでした


これはモーターショーに出展された電動商用コンセプトカー「eZ・CARGO」です。こんな車両であれば、小さな商店が使う分にはいいでしょうね。我ら特積屋みたいなワイルドな使い方(1パレ1tの金型を載せる等)をしたら、あっという間にダメになります(笑)


こちらもモーターショーに出展された「小型EV商用車プラットフォーム」で、↑よりも現実的な車両です。こんな超低床であれば宅配便の配送に便利そうですが、これをベースにしたコミュニティバスを作ればスペース効率の優れた素晴らしい車両が出来上がると思うのですが。


見学を終えて建物の外に出て、何気なく壁の向こうを覗くと…


ややっ。新型の中型トラック「レンジャー」ではありませんか! ここは企業博物館であると同時に研修施設でもあるらしく、訪問した日にも研修が行われていました。この車両は、販売店向けの研修等で使われるものと思われます。


施設の片隅には、千代田運輸さんのトヨタ・コースターがいました。この運送会社、通常?のトラックドライバーが「あんなおっかない運転できない」と恐れる商品車の回送をやってのける、凄い運送会社です!

以上、見学記でした。

P嬢と共に訪問した以上、もちろんハイタッチ!driveもやっていました。その事を、別ブログにて報告します。
Posted at 2017/07/02 04:19:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 大型車の話 | 日記

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「この構造、やっぱり凄い。アパートの下に電車がいます」
何シテル?   06/11 09:21
宝塚過激団と申します。何とぞよろしくお願いします。 プロフィール画像は、宇部興産専用道路で運行されているアメリカのケンワース(ただしオーストラリア製)のボ...
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