アライメントセットを大幅に見直すことになった。日産がMY09やspecVに組み込んだものをパフォーマンス向上部品として展開していて(http://www.gtr-world.net/special-report/general/20090612-nissan-gtr-performance-improvement-upgrades.html)そこにラインナップされているフロントトランスバースリンクブッシュ(以下、TVブッシュ)とかいう要はロアアームの付け根のブッシュの前評判が良く
試してみたかったのと、ハイキャスター仕様を勧められたことにある。
キャスター角まで変えるとなるといつもの僕の近所ではデータも無く到底無理。勘所で組んで走って組んで走って....でやってられるものでもない。みんカラ友達に紹介をもらい先週土曜日に出向いてきた。
実はその前々日まで、台北、香港、深セン...etcと仕事で飛び回っていて、日本が涼しく感じる程の異常な暑さだった責か、帰国疲れか、運転大丈夫かなって不安になる程に始終なんとなくボーっとしていた。
届いた幾つかのパーツをまさぐり、まず驚いたのはTVブッシュ。MY09のものはさておき、僕のはMY07後期なんだけどそれに付いていたTVブッシュがヘタレ過ぎる(写真左)。あれだけニュルだ仙台だと走りこんで、マルチなんとかスーパーカーだとか看板を掲げておいてなぜ故今更こんなもの.....マーチに付いているのと変わらない。
今回、流石に硬度を大幅に見直している。硬度と書くとゴム素材自体を変更しているように誤解されそうで適切な表現ではないかも知れないが、素材そのものはおそらく同一と思われる。大きく異なるのはその形状であり、金型を作り直している模様。まだウレタンブッシュなんてものが出回ってなかった大昔にチューニングブッシュとしてよく見かけた形状である。外径を大型化して伸びを抑える単純なものではあるが、握力60kgある僕の指で押したくらいでは潰れないくらいにはなっているが、1.7t以上あるこの車体を抑えるんだから当たり前である。(MY07は完全に潰れる。)ウレタン製なんかに比べると柔らかい部類に入ってしまう程度だが、このゴム素材であれば微振動までバンバンに伝わっていくことはあり得ない。ねじってみたがねじれ剛性はさして変わらないところを見ると乗り心地が悪くなるようなことはまず考えにくい。苦肉の策って感じで技術者の苦労や探究心も見受けられるが、これはよもやバグではないだろうか?
いずれにしろ、MY07のブッシュでは頼りなさ過ぎる。パーツを見た時点で交換価値は確信出来た。.....っていうか、コレはやっぱバグだろ!
それと出向くついでというワケではないが、specV用のリザーバータンクへの交換もお願いしていた。R35は走行後にパドックで冷却水の温度が一気に上がってしまい、ボンネットを開けようが内輪で仰ごうがなかなか冷えず、キャップが飛んでいくんじゃないかとヒヤヒヤする。クーリングラップを2周~3周確保しているが、それでもこの始末である。
キャップ圧は135kPa→180kPa、タンク容量は1030c㎥→1430c㎥にアップされていてそれぞれほぼ1.5倍の大容量である。これならラジエターが破けない限り水切れの心配はなさそうだ。願わくはMY10で大容量ラジエター販売してくんないかな。
取り付けは自分でやれよって言われそうなものではあるが、ついでだ。お願いした。
実はこれが一番欲しかったものだったんだけど、先程のTVブッシュを見るとあちらのほうの効果も期待が持てそうだ。
ハイキャスター化を含めたアライメントセットの他にも雑作業をお願いした関係でほぼ丸一日を要す作業となってしまい、邪魔にならない程度に僕はウロウロ、ウロウロ。
夕方近くにセットアップが完了していよいよチェック。カラダのダルさからくるモチベーションの低さと戦いながら、それでもワクワクしながら流してみる。僕に生理があるとしたらきっとこんな感じなんだろうという状態でカラダのセンサーが機能しない....元々そんなに機能していないが、この日は輪をかけて機能しない。その日、全日本鈍感選手権が開催されていれば僕は間違いなく表彰台に上がれたはずだ。
それでもターンインの反応の良さや直進安定性の向上を強く感じることが出来、とりあえず満足して家路に着いた。
翌朝、元気なカラダからくる高テンションで朝4:00頃に目を覚まし、顔も洗わずGT-Rのエンジンをかけ死神が見える位踏み込んでみた。
結論から言えば、「これは皆やるべきである」。走りの質を求めないGT-Rユーザはあまりいないと思うが、そのマイノリティはさておいて、皆一同にやるべきである。
そこにデメリットは一切ないと言い切れる。
日産の開発陣が現在GT-Rをどの方向に向かわせようとしているのか解らなくなることがときどきあるが、この方向であればWELCOMEである。ハイキャスターによる影響を差し引いてTVブッシュのその効能は明確である。
以下は僕が当日お世話になったショップへ送ったメール(一部加筆、修正あり)である。このパーツの投入を検討されている方のご参考になれば....
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おはよう御座居ます。
昨日は大変お世話になりました。厚く暑く熱く御礼申し上げます。
たった今、早朝テストドライブから戻って参りました。
僕御用達の公道テストコースです(笑)ここだと人が絶対に出て来ないので存分に踏めます。
昨日は試せなかったブレーキですが、いいですねぇ。安定度2割増しです。リヤのウィッカーの効果もありますが、減速が滑らかでコントロールが楽になりました。ステアリングを切り出すタイミングとその切っていく丁度いい速度が把握しやすいです。この点については、ポルシェカレラ、RX-7のノーマルと比較しても引けはとらない感じです。ハイキャスターに伴って正方向への反発を心配しましたが杞憂でした。ターン中、掌にわずかに感じますが、全く問題ない範囲です。マンホールの出っ張りに引っ掛けてリヤを浮かし一気に方向を転換するところがあるのですが、このときでさえ、引っぱられる感じの増加はわずかです。
「(必要以上に)前荷重気味になる」と昨日は申し上げたのですが、気のせいでした。気にしないで下さい。というのもブレーキ性自体が向上していてその分前のめりになっていただけでした。(走り慣れたポイントだとすぐに解りました。)数回スピンさせてしまいましたが、フロントタイヤからの情報だけで全体の感じ(ヤバイポイント)が掴める事も解りました。
これは以前にはない感覚です。
僕はこの謎の4駆システムの感覚をカラダがまだ覚えていないのですが、いずれにしろこのクルマは僕の脳みそでは4輪の状態把握が難しいので、これは非常に嬉しいことなのです。このクルマの後輪の状態は正直あまり把握出来ません。勝手に動いて勝手に噛んで勝手に滑り出してる感じで....
僕の管理下ではない!と割り切ってます(笑)ポルシェとは感覚が全く逆ですね。
ブレーキ→アクセル開時に右足とステアリングへの力をしっかりとリンクさせる必要が(やっと)出て来ました。これはつまり、トラクションと操舵が連動している証拠なワケで、やっとクルマになってきました(笑)このへんをもっともっと詰めていけば、もっと自由な曲げかたが待っていそうですけど、このクルマにそれを求めると、ちぐはぐになりそうです。だったらロータスやポルシェ買えって....(笑)
S字系はかなり楽しいです。20R位のところの切り返しはめちゃくちゃにいいです。3点のシートベルトでは踏み切れない位、GOOD!です。多分、FUJIのダンロップ→S字でコンマ3秒位短縮出来るんじゃん!?って期待してます(笑)
ワイドトレッドスペーサーを外して同じ事をやるとやっぱりアンダーが厳しいです。タイヤにキッチリ出ました。どうしてもこのトレッドだとトラクションのかかりが悪く、トラクションコントロールの介入も顕著に出ます。但し、旋回中の補正は反応が速い分、楽です。レースなんかをした場合は相手に合わせるシーンがあるので絶対的に有利だと思います。
以上、今日のご報告は終わります。また遊んで下さい。