あらゆるもののデジタル化が進み始めて数十年が経ち未だ加速し続け、むしろ今からが本格的な移行時代を迎えているワケだけど、現時点においてもそれによって既に僕らが得た恩恵は極めて大きい。人類史上最大の革新だったのではないだろうか。デジタル化によって得た最大の恩恵要素は"クオリティ"だと僕は言い続けている。ビジネス、生活、コミュニケーション...あらゆる出来事のクオリティを何十歩も一気に跳ね上げてしまった。生産効率も、生活効率も過去1,000年かかった進化と同等のことをここ数十年でやってしまったのではないだろうか。そんな風にさえ思う。
それでも今となっては習慣化され気付きにくくなってしまったけど、失ったものもいくつかある。そのひとつはリアルタイム性だ。だいたい一般の人間の感覚は50mm~100mm秒...つまり、0.05秒~0.1秒の遅延に無意識下においても違和感を感じることが充分にできる。例えば、テレビ。昔は普通にザッピングできた。チャネルをガチャガチャ変えて何か面白いものやってないかなぁと。今じゃ遅すぎて無理。番組表を見たほうが早い。
デジタル化によってソフトウェアの介入量が多くなりラグが生まれる。これは現時点ではコストと消費電力の問題がありどうしてもここにコンピューター資源が足りず解決は無理だといえる。しかしながら、そんなデメリットさえかき消してしまうほどのメリットがデジタル化であり、僕らはそんな(多分、過渡期な)世界に生きていたりする。
そんな中においても絶対的にリアルタイム性が要求されるものがあり、その代表格は自動車だ。理由の解説は必要がないと思う。僕は数年前にスマートミラーに交換したが、このスマートミラーに必要なリアルタイム性...つまり、写っている映像と実際の差異時間は200mm(0.2秒)以内と運輸局だったけかな、定義されている。以前これを組み付ける際に興味がわき調べたことがある。ミラーで200mm。例えばブレーキのバイワイヤーシステムであればいくつに規定されているのだろうか。自動車におけるデジタル化はフェイルセーフな要素も含めて開発は過酷な世界だ。
前置きがとても長くなってしまったのだが、このブログの論点は僕の器が知れるほど実はとても小さな話である。
僕が使っているカロッツェリア AVIC-CL900は、ラグがあることが習慣化されて当たり前になってしまっている僕ら現代人が使うモノだとしても、それでも自動車に搭載されるデバイスとしてあまりにも愚作である...という話だ。(愚作...と書くとCL900を愛用している方々に失礼になってしまうが、あくまで僕の視点で良いものはイイ、悪いものはワルイと致したいゆえ、どうかご容赦のほどお願い致します。)
ということでいい加減に見限って買い替えた。
「二度とカロッツェリアを買わない!」..と心に決め、「やっぱり操作が激速なKENWOODだ!」って勇んでいたわけだが、よくよく調べてみるとKENWOODは8インチに全く力を入れていない。付き合い程度でラインナップしているだけで僕が常用するピンチ操作すらできない始末...困った...。
最近トレンドになりつつあるフローティングモニターはちょっと抵抗があるし、飛び出し量が意外に大きい分、おそらく、僕のGT-Rの場合はウィンカー操作時に手があたる。それにあまりカッコイイと思えない。オートバックスを独りウロウロしながら途方に暮れかかっていたところ、サイバーナビの現行機だと勘違いして触ってみたナビ...実は楽ナビだったんだけど、この操作感がすこぶる良くKENWOODに引けを取らない。フリック / ピンチも可能でレスポンスも問題ない。おぉぉぉっ、カロッツェリア、やっとまともになったか、と改めてサイバーナビの現行機を触ってみると...僕のと変わらない。酷い。楽ナビはサイバーナビの廉価版ではないのか?ブランド逆転させたのか?...と、価格を見るも楽ナビはやっぱり半値だ。なんだこれ?...意味が解らん。解像度も同一、僕が求める範囲の拡張性も同一。コンテンツの再生能力も同一。サイバーナビは操作性を犠牲にしていったい何を目指しているのだろうか。自動車に搭載するデバイスだぞ...。
そしてしかも!極めて嬉しいことにCL900とRL910は外径が全くの同寸法。コレが最高。僕のGT-Rはナビのマウントフレームや化粧パネルを自作しているので、これがそのまま使えるのだ。手直しを想定していた僕としてはこの要素は大きい。そしてそして、電源も含め全てのケーブル類もそのままでユニットだけポン付け交換が可能だ。もはや悩む必要なし!
ということでGT-Rの新型ナビ、AVIC-RL910。交換自体は小一時間程度で極めて簡単に終わり、ことのついでにHDMIとUSBの接続用端子を純正っぽくセンターコンソールから取れるようにしてみた。むしろ、こっちの加工のほうがそれなりの時間かかったんだけどね。
なにゆえHDMIに拘っているのかというと、渋滞時にAmazon Primeビデオを観たいから。ただただそのためだけにXperia Z5 Premiumの中古品もGEOで買ってきた。あまり知られていない(...そうでもないのかな)が、今時分、スマホからワイヤードで映像転送する場合、過去の産物となったMHL以外基本的には方法はない。"基本的には"と付けた理由を少し解説すると、最近のスマホの標準となったType-Cであるが、このポートからのHDMI出力を期待するには、オルタネートモードというものを搭載しているスマホを使用するしかない。GalaxyやXperiaなどの最新ハイエンドがそれだが、10万円を超えるので「渋滞時にビデオを観たいから」ってノリではコストパフォーマンスが悪過ぎる。僕はiPhoneのユーザーでつねに最新ハイエンドを使用しているが、iPhoneからのHDMI出力ではコンテンツがかなり制限されてしまい事実上使えたものではない。Amazonなんて全然無理だ。一方で、miracastなどでワイヤレスという手も関心深いが、デジタルデバイスにとっては劣悪環境ともいえる車内、しかもこのクルマはペラシャフトが2本あり回転体が半端ではなく、送受信を安定させるにはかなり苦労を強いられると思って、少なくとも今は視野に入れていない。Bluetoothでさえ安定して使えるようになったのはここ4,5年だ。
なんにせよ、僕の望みは渋滞時にダウンロードしておいたAmazon Primeビデオを快適に観たいだけだ。それ以上ではないので現時点での最適解は旧型スマホでコンテンツロックされないHDMIワイヤード出力、という結論だ。
乗り回して使ってみた感じ、楽ナビ RL910は実に秀逸だ。気に入った。とにかく操作レスポンスにストレスがないってのは車内システムにおいてはやっぱり最低限だと改めて認識した。
ちなみに、RL910はマイナーチェンジを迎え生産中止らしく僕は数少ない在庫品を入手した。今月末にはRL911という全く同じハードウェアセットのものが出るそうだが、思いたったら待つことができない僕はきっとこうやって地味に損をしている...
Posted at 2020/11/15 09:42:55 | |
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