毎年この時期になると思うんだけど、夏ってこんなに暑かったっけ?
蒸し風呂のようなガレージの片隅にはダンゴムシが干からびて死んでいる。ともすれば僕も後を追ってしまいそうなので、政府からの節電協力要請を省みずガレージのエアコンを全開にした。いつもなら設定温度は18℃。しかしこのご時勢である。19℃にしておこう。
先日、CUSCOから発売されたばかりのロールゲージはキャロッセ製で、オプション塗装(赤)代金込みで5万2千円。これを早速手配した。実は前々から欲しかった一品なのである。
剛性的に言えばGT-Rに関しては周知の通り、僕も必要だと思ったことは一度もなく現状の純正タイヤを装着して走る限りまず要らない。だいたいこのクルマの補強にスチール40Φをボルトで留めたって変わるとは思えない。あと10Φ径を上げ、倍の厚みにしたうえに曲げ部分にリブを打ち溶接留めしないと多分駄目だろう。なにせ1,800kgである。
しかしながら、僕が欲しかったモノは剛性ではなく、S-4枠でスタッフがコースインさせてくれる権利(笑)...なのである。このクルマに乗り出してからNS-4で走ることを余儀なくされていたワケだが、どうにも馴染まず、何よりも困るのはコースが非常に混んでいる。しっかりとしたサーキットスペックで存分に楽しみたい僕としては、喉から手が出るほど欲しかった品であり、実は自作しようかとベンダー屋と話をしていたほどなのである。
CUSCOではR35用として豊富にラインナップされているが、僕の選択はリヤ4点に斜坑を加えた5点式。ウキウキしながら週末が来るのを待ち、キンキンに冷やしたガレージで作業に没頭したワケだが、GT-R専用設計とはいえ取り付けは結構面倒。結局、丸一日を要することになった。
役に立つかどうかは解らないが、"超メンドーなポイント"を以下に記しておく。
① メインフレームが知恵の輪。なかなか入らない。
② 説明書が超適当。無いと同じ。画像の入手も出来ず。現物合わせでの組み付け。
③ サイドトリムの穴開けの位置出しが大変。
④ サブフレームのボルト締めをサイドトリムのわずかな隙間からやる必要に迫られる。(意味解らないですよね....)
⑤ メインフレームのシャシー接合部のカーペットをカットするが、この"隠し"を造るのが大変。僕には無理。奥様に裁縫を頼んだ。
前述の5万2千円という価格ゆえ期待は薄かったのだが、プロダクト自体のクオリティはかなり高い。しかし、遊び心の解らないメーカーであるからして無骨で本格的な作りであり、ファッション的な要素でこの製品を取り付けるのは辞めたほうがいい。失うものが多過ぎる(笑)。トイレットペーパーの芯にロールバーパッドを巻きつけることをお勧めしたい。また剛性不足に悩んでいらっしゃる方には、この製品にはそれを改善する力はない。カーペットと内張りを剥ぎ、溶接する覚悟で臨まれたほうがよろしいかと.....
従って、この製品の必要性は.....ナイ!全くナイ(笑)....空いてるS-4を走れる以外に♪
取り付けの詳細と細部については整備手帳に記載しておくので、それでも興味のある方はそちらを参照されたい。
次々と襲い掛かる過酷な試練に1日中耐え抜き、僕の得意の小技も盛り込んで奥様の裁縫技術に助けられ、なんとか写真の通りキレイな出来栄えに着地することが出来た。
いくら冷えたガレージとはいえ40歳を過ぎたカラダに重労働を科されて汗ボタボタの僕に、アイスコーヒーを持ってきた奥様は「寒い」と震えていた。明日からちゃんと節電しよーっ。
『2011.9.3 追記』 --- 2011.8.14のブログより抜粋 ---
冒頭、まずはお詫びからである。なかなか筆にするタイミングがなく報告が遅くなってしまったが、先日組み付けてその効果が無いに等しいと記載したCUSCOのロールゲージについてである。
これが完全に誤りだった。その変化は確実に"ある"。
組み付けた後暫くの間、変わるはずがないと思い込んだ状態(...というかほぼ忘れている状態)でフラフラと街乗りをしていたワケだが、ある日、慣れ親しんだ30R程度のコーナーをややヤンチャ目に立ち上がった際、「ん?」という違和を感じた。リヤのトラクションがワンテンポ早くかかるのである。ロールゲージの効能なんてものはすっかり頭から無くなっていた僕は、気温が高いからかなぁ...なんて呑気な事を思っていたのだが、幾つかのコーナーを試走し確証が持てた。
"リヤが敏感になっている。"
紛れもなくロールゲージの効能である。試しにフロア下のボルトのみを緩め同じコースを走ってみたが、明らかに変化を感じることが出来た。何と言う愚鈍な人間なんだろうか....ちゃんと感じながら走ればどんな道であれ、その変化を感じ取ることが出来る程なのである。全くもって申し訳ない。ドシロートの僕ではあるがドシロートならではの意見として、自分の全技能を持って組み付け、走ってみて、その"真"をお伝えしようとそれなりのポリシーを持ったりしていたのだが....実に申し訳ない。もちろん、CUSCOにも申し訳ない。CUSCO GT-R用SAFETY21ロールゲージについて、改めて報告させて頂くと以下の通りである。
① リヤのトラクションが積極的にかかるようになっており、フロントマターで立ち上がっていたタイトコーナーでも後ろからの一押しがある。
② 逆にその分、トラクションコントロールが介入しやすくなっており、多少、アクセルコントロールがシビアな方向である。
③ 乗り心地を損なう程ではないが、リヤの減衰力を1段階上げたときの様なゴツゴツ感が出る。
④ ノンスリをもう少し硬くしたくなる。
以上が「お詫びと訂正」である。
Posted at 2011/07/12 21:55:14 | |
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